「Eee PC」シリーズは、Netbook(ネットブック)の代名詞的な存在であり、ラインナップも充実している。液晶サイズによって、7型ワイド液晶搭載の7xx、8.9型ワイド液晶搭載の9xx、10型ワイド液晶搭載の1xxx/S1xxの3種類に大別できる。今回登場した「Eee PC 900HA」は、同社の8.9型ワイド液晶モデルとして初めてストレージに大容量HDDを採用したモデルだ。

主な仕様  [CPU] Intel Atom N270(1.6GHz)  [チップセット] Intel 945GSE Express+ICH7M  [メモリ] 1GB  [HDD] 160GB  [ディスプレイ] 8.9型ワイド(1,024×600ドット)  [サイズ/重量] 約W225×D170×H34mm/約1.12kg  [OS] Windows XP Home Edition  [実売価格] 44,800円

コンパクトで軽いことが魅力

昨年はNetbook市場が急速に拡大し、ノートPCの新たなカテゴリーとして認知されるようになった。ひと口にNetbookといっても、各社から多くの製品が登場しているが、液晶のサイズによって、9型以下の製品と10型以上の製品に大別できる。

今回レビューするEee PC 900HAは前者に属し、10型以上の液晶を搭載する製品に比べて、ボディがコンパクトで重量も約1.12kgと軽いことが魅力だ。ボディカラーは今回試用したシャイニーブラック以外に、シャイニーホワイトとプラムレッドが用意されており、好みに応じて選べる。ボディデザインはオーソドックスで、万人に好まれそうだ。ただし、底面の中央にHDDが搭載されており、やや分厚くなっていることが少し気になる。

CPUやメモリ、チップセットなどは、Atom搭載Netbookとしては標準的なスペックであり、プリインストールされているWindows XP Home Editionを動かすには必要にして十分なパフォーマンスを実現している。ストレージとして160GBの大容量HDDを搭載していることが魅力であり、数倍の価格で販売されているモバイルノートPCと比べても、HDD容量は見劣りしない。携帯性の高さを活かして、旅行などにデジカメと一緒に持って行き、フォトストレージビューア的に使うにも適している。

液晶はノングレアタイプで、外光の映り込みが少なく、長時間使っていても目への負担が小さい。解像度は、10型ワイドクラスと同じ1,024×600ドットなので、10型ワイドクラスに比べると、表示される文字は多少小さくなるが、視認性は良好だ。キーピッチは約15.5mmで、フルサイズノートに比べると多少窮屈に感じるが、キー配列は標準的であり、慣れればタッチタイプも可能だ。ポインティングデバイスとしてタッチパッドが搭載されているが、左右のクリックボタンがパッドの手前に配置されているので、違和感なく使える。

液晶は8.9型ワイドで、解像度は1,024×600ドット。ノングレアタイプなので、外光の映り込みが少ない

キーピッチは約15.5mmで、フルサイズノートに比べるとやや窮屈だが、タッチタイプも可能だ

インタフェースとしては、USB 2.0ポートを左側面に1基、右側面に2基の合計3搭載。左側面には、100BASE-TX/10BASE-T対応のLAN端子とヘッドホン出力端子、マイク入力端子が、右側面にはVGA端子とSDHC/SD/MMC対応のメモリカードスロットが用意されている。インタフェースについても、過不足のない仕様だといえる。さらに、IEEE 802.11b/g準拠の無線LAN機能を搭載。液晶上部には、30万画素Webカメラを搭載。ビデオチャットなどに利用できる。

左側面には、LAN端子、USB2.0、ヘッドホン出力端子、マイク入力端子が用意されている

右側面には、USB 2.0×2、VGA端子、メモリカードスロットが用意されている