文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁・国立新美術館・CG-ARTS 協会)は9日、東京・京橋で「第12回文化庁メディア芸術祭」受賞作品を発表した。

今回は、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門に、世界44の国と地域から応募された2,146作品の中から、各部門とも大賞1作品、優秀賞4作品が決定した。

各部門の大賞作品発表

大賞には、アート部門が、Marcio AMBROSIO氏(マルシオアンブロージオ)による、ユーモラスなグラフィックと愉快な反応を誰もが楽しめる体験型作品『Oups!』。エンターテインメント部門が、メディアアーティストである岩井俊雄氏が企業と共同開発し製品化した、音と光を奏でる電子楽器『TENORI-ON』。アニメーション部門が、水没してゆく街のなかでひとり暮らしている老人の物語で加藤久仁生氏の作品『つみきのいえ』。マンガ部門は、一色まこと氏の作品で、自由奔放で天才的な才能を持つ少年が、ピアニストを目指し成長する姿を描いたマンガ『ピアノの森』がそれぞれ選ばれた。

アート部門大賞
『Oups!』
作者:Marcio AMBROSIO
(C)Oups!

エンターテインメント部門大賞
『TENORI-ON』
作者: 岩井俊雄/「TENORI-ON」開発チーム代表 西堀佑
(C) 岩井俊雄/ヤマハ株式会社

アニメーション部門大賞
『つみきのいえ』
作者:加藤久仁生
(C) ROBOT

マンガ部門大賞
『ピアノの森』
作者:一色まこと
(C)一色まこと/講談社

また、功労賞には、60年代からアーティストとして時代を切り拓き、ビデオギャラリーや公募展を主催するなど、メディア芸術を根底から支える活動を行ってきた中谷芙二子氏が選ばれた。ほかにも、エンターテインメント部門では『Wii Fit』や、フォントメーカーのウェブサイト上のコンテンツである『FONTPARK 2.0』などが優秀賞に選ばれている。

同委員会の担当者は「今年度は、アートやエンターテインメントといったジャンルの垣根を乗り越え、視覚だけでなく聴覚や触覚など、人間の身体性をテーマにした作品が数多く受賞しています」と選評を語った。