Webブラウザ「Opera」を開発・提供するOpera Softwareは、早くから携帯電話をサポートし、任天堂の「Wii」に搭載されるなど、ライバル他社とは異なる戦略を明確に打ち出している。OperaのCEO、Jon von Tetzchner氏が10月21日、英ロンドンで開催された「Smartphone Show 2008」(主催: 英Symbian)にて、同社のウィジェット戦略を説明した。

Jon von Tetzchner氏

小さな企業が大企業と競うには

Operaは1994年にブラウザの開発を開始、1995年に創業された世界で最も古いブラウザ企業だ。ノルウェイの研究所でブラウザの未来を確信したvon Tetzchner氏、古くは「Netscape」、その後登場した米Microsoft「Internet Explorer」や、Netscapeの後継「Firefox」など、Webブラウザ業界の浮き沈みを生き延びてきた。

Von Tetzchner氏は、Operaのビジョンを「最高のユーザーエクスペリエンスの提供」という。「14年間、すばらしいWebブラウザの開発にフォーカスしてきた。これは、今後も変わらない」と断言する。

Operaの特徴は、Webブラウザそのものの特徴(高速など)のほか、PC以外の端末にも対応している点だ。携帯電話向けの「Opera Mini」は、2008年9月で1900万人のユニークユーザーがあったという。Operaを搭載した携帯電話機種は113機種。出荷台数は1億を数えるという。携帯電話だけではなく、Wiiなどのゲーム端末など、さまざまなデバイスに拡大している。

「小さな企業で大企業と戦い続けるためには、常にイノベーションしなければならない」とvon Tetzchner氏はいう。Operaイノベーションの軸となるのが"One Web"構想だ。

One Webとは、文字通りWebは1つであるという考え方。「WAPは間違い」とvon Tetzchner氏。Webの標準にフォーカスすべきであって、「プロプライエタリな仕様はいらない」と続ける。

Von Tetzchner氏は、Web技術のメリットとして、開発者の数、新しいアプリ開発容易、クロスプラットフォームなどを挙げる。「Webは世界で最も使われている開発メソッドだ」。