【レポート】
こうした考えにもとづき、5社は共同で、子どもが安心してインターネットを利用できる環境を構築するための取り組みを実施していく。例えば保護者が安全なネット利用を子どもに教えられるように分かりやすい教材を制作したり、保護者向けの勉強会の実施、子どものネット利用状況の情報提供などを行う。保護者よりも子どものほうがネットの知識が多いという状況を改善することも狙いだ。
5社が強く訴えているのは、「現時点での法制化」の問題だ。たとえばDeNAが運営するSNS・ゲームサイト「モバゲータウン」では、有害情報などを監視するパトロール体制を強化するなどの対策を取っている。業界側でも対策を進めているところであり、「民間の創意工夫の積み重ねで解決していく途上」(同)。そのため国はまず規制するのではなく、そうした民間の取り組みを後押しする形での対応を求めている。
同様に現時点での法規制に反対を表明しているのが高P連だ。高橋会長によれば、現時点では高P連での正式な反対ではないそうだが、会長に一任されており、総意と見ていいそうだ。
高P連では特に、携帯フィルタリングについて小学1年生から高校生まで、未成年であれば一律同じ設定という点を問題視。高橋会長は、国が一方的に動いている現状は批判しているものの法規制自体に反対はせず、一方的に決められ、年代を問わず一律に設定されるような規制には反対するという立場。今回の5社とは多少立ち位置が異なるのだが、現状検討されている法律案には反対する立場は変わらないようだ。
高橋会長は、携帯フィルタリングの必要性は認めつつ、一律でフィルタリングされることで、「ネットを活用している子どもの権利を奪うのか」と批判。保護者は、子どもが親元にいる間にネットの危険性などを含めて学んでいくことを望んでおり、「そういった保護者の意見を無視して欲しくない。一方的な国の方針で子どもを振り回さないで欲しい」と強調する。
今回の法律案ではさまざまな団体が反対を表明しており、22日にはインターネット先進ユーザーの会(MIAU)とWIDEプロジェクトらも声明を発表。こうしたほかの団体などとの連携は特に考えていないそうだが、5社で共同して行う取り組みについては他社の参加も期待しつつ、「できるところから速やかに対応していく」(別所氏)考えだ。
「保護者や守られるべき子どもが望まない、効果が期待できない方法で、国という機関が一方的に推し進めるのは誰にもメリットがない」と別所氏。こうした対策で重要なのは「実際に子どもを育てている親の意見を聞きながら対応するのがきわめて重要」(同)であり、別所氏は「保護者と一緒にやっていくこと」を重視して対策を進めていく考えを示した。
「法制度を否定するものではないが、一番最後にくるべきもの。まだ法規制のないところで取り組めることがたくさんある。それに邁進している民間を後押しして欲しい」(同)。
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