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『ザ・ノンフィクション』での取材をきっかけに、キャンディさんの日常を発信するYouTubeチャンネル『キャンディびんぼう』をスタートさせた込山D。キャンディさんは、散歩や料理などのネタを楽しそうに考えていたという。

込山Dが特に印象に残るというのは、羽田空港周辺を散歩する回。かつて清掃スタッフとして空港施設で働いていたキャンディさんは、飛行機のトイレに客が落とした指輪を、し尿処理の装置から強烈な臭いの中で何時間も捜索したエピソードを語っている。

「そんなの“見つかりませんでした”と言えばいいのに、“お客さんが喜んでくれたらうれしいから”と、全部探したというんです」という真面目で温かい性格や、街ブラの中で次々に飛び出す知識やユーモアなど、キャンディさんの人柄が詰まった動画だ。

この回を含め、5月2日時点で計196本を公開。『ザ・ノンフィクション』の放送は大きな反響となり、当初はコロナ禍でYouTubeが盛り上がっていたが、初めて得た収益は、スタートから3年が経ってようやく計上された9,000円だった。

収益は2人で折半すると決めており、4,500円を封筒に入れてキャンディさんに渡すと、「めちゃくちゃ喜んでくれました」という。そしてキャンディさんが亡くなった後、遺品を整理する息子からの連絡で、その封筒が開けられていないまま保管されていたことが判明。キャンディさんにとって、このチャンネルの活動がいかに楽しく、大事な存在だったのかが伝わってくるエピソードだ。

今後の展開については、「まだ公開していないネタもあるので、それを配信したり、過去の分を再編集しながら出したいと思います。ファンの方たちから“キャンディさんに励まされる”という声も頂くので、いつまで続けられるか分かりませんが、ちょこちょこ出していければ」と構想を語っている。

EXILE ATSUSHIが843日ぶり復活ライブに臨むドキュメンタリーも

3日放送の特番『フジドキュの世界 自分らしく生きる人SP』ではほかにも、『フジテレビドキュメンタリー』公式YouTubeチャンネルでこれまで配信された人気作や、今回新たに配信される作品から、自分らしく生きようと自らの人生と懸命に向き合う人々の映像が登場する。

『ザ・ノンフィクション』からは、キャンディさんを追った「女装と家族と終活と~キャンディさんの人生~」に加え、「地下アイドル・きららさんのしっくりくる生き方」(17年2月12日放送)、「片付けられない部屋~ゴミに埋もれた思い出~」(22年7月24日放送)、「私が踊り続けるわけ~53歳のストリッパー物語~」(21年2月7日放送)を再編集したショートバージョンを。

さらに、情報番組『ノンストップ!』でEXILE ATSUSHIが843日ぶりの復活ライブに臨む姿を追った「独占密着! EXILE ATSUSHI 復活」(25年4月15日放送)などもラインナップされている。

  • 込山正徳ディレクター

●込山正徳
1962年、横浜生まれ。日本大学芸術学部卒業後、アジア貧乏旅行を経てフリーのディレクターに。90年頃から主にドキュメンタリー番組を制作し、『春想い 初めての出稼ぎ』(フジテレビ)でギャラクシー選奨受賞。『生きてます16歳 500gで生まれた全盲の少女』(同)でATP賞・総務大臣賞受賞。『ザ・ノンフィクション』では、『天国で逢おう』『われら百姓家族』などを手がけている。05年には、自身の体験を記録した著書『パパの涙で子は育つ シングルパパの子育て奮闘記』を出版。