ヤマハミュージックジャパンは、2025年4月2日、2025年日本国際博覧会イタリアパビリオンと協賛契約を締結したと発表した。
今回、イタリアパビリオンでは「芸術は生命を再生する」をテーマに劇場を設置し、音楽や舞台芸術の公演が開催されが、ヤマハは、アコースティックピアノの最上位にあたるコンサートグランドピアノ「CFX」を通して、イタリア音楽文化の普及に貢献していくとのことだ。また、今回の契約締結に伴い、日本で活躍するイタリア出身のピアニスト、アルベルト・ピッツォ氏がCFXアンバサダーに就任した。
協賛契約締結のアナウンスに際して、同日、東京・銀座のヤマハ銀座店6階コンサートサロンにて記者発表会が実施された。登壇したイタリアパビリオン代表委員長のマリオ・アンドレア・ヴァッターニ氏は、国と国の関係は、人と人の架け橋で作られていると述べ、パビリオンは、イタリアを紹介するためのものだけではなく、日本との関係を代表するものである点を強調した。前述の通り、イタリアパビリオンは「芸術は生命を再生する」をテーマに据えているが、同氏は、これからの創造性はAIとデジタルな世界だけでなく、「手」など、身体を使って作る力が肝要であると説く。パビリオンに入ってすぐのところに劇場を設置したのも、身体性を見せるというところに主眼を置いているようだ。劇場では、演奏のほか、ダンスなどのパフォーマンスも披露されるとのことである。
続いて登壇したヤマハミュージックジャパンの代表取締役社長・松岡祐治氏からは、今回の協賛契約締結に至るまでの経緯の説明が。それによれば、イタリア国内での小学校の音楽教室、アーティストとの活動が契機となり、イタリア側からオファーがあったとのことだった。イタリアパビリオンでは、音楽公演をピアノとピアニストの両面からサポートすることで、イタリア文化の音楽文化の発展に貢献していくとし、CFXを通じて目指していることは、ピアニストの理想やあらゆる思いを余すところなく音にして、演奏に昇華してもらえることだと、想いを語り、CFXアンバサダーに就任したアルベルト・ピッツォ氏を紹介した。
アルベルト・ピッツォ氏は、自身で作曲を手がけたイタリアパビリオンのテーマ曲『sky』を披露。続けて、日本の伝統歌曲『さくらさくら』をリハーモナイズしたアレンジで演奏した。
コンサートグランドピアノ「CFX」は、1世紀以上にわたるヤマハのピアノ製造技術の粋を集めたフラッグシップモデル。「私と、響き合う」をコンセプトに、ホールの隅々まで響きわたる存在感のある音と、演奏者の思いを余すところなく表現できる彩りと奥行きのある豊かな音色を備えたコンサートピアノとして開発され、2010年に初代CFXが発売された。その後も改良が重ねられ、2022年には次世代モデルが発表されている。