NVIDIA GeForce RTX 50シリーズを搭載したグラフィックスカードの入手が困難な状況が続く中、ZOTACが米国において、ZOTAC USAのDiscordサーバーメンバーを対象に優先販売するキャンペーンを開始した。
この取り組みは、転売業者による買い占めを防ぎ、実際にゲーム用途で使用するユーザーに製品を届けることを目的としている。RTX 50シリーズは発売直後に在庫切れとなり、需要に対する供給不足から「ペーパーローンチ」と揶揄されるほどの争奪戦となっている。東京・秋葉原のパソコン工房パーツ館では店頭抽選販売に購入希望者が殺到し、近隣の幼稚園への不法侵入者が出る騒ぎとなった。この騒動は海外メディアでも報じられ、今後のRTX 50シリーズの販売方法に注目が集まっていた。
ZOTACのDiscordを通じた「優先アクセス・キャンペーン」は、ZOTAC GAMINGのDiscordサーバーメンバーのうち、チャレンジやディスカッション、コミュニティ活動に積極的に参加している米国在住者を対象とする。転売目的での参加は、違反の程度や意図に関わらず厳格に禁止されており、不正行為や操作、有害な行為が確認された場合は失格となる。公平性を確保するため、乱数生成器による当選者選定を行い、購入の追跡および確認のために全てのシリアル番号を記録する。
希望小売価格は各チャンネルで提示され、「数量は週ごとに異なる」と案内されている。
キャンペーン発表時に用意された商品は、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 5080 AMP Extreme INFINITY」が5台、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 5080 SOLID OC」が5台であり、GeForce RTX 5090搭載製品は含まれていない。
ZOTACのキャンペーンでも提供数量は限られており、一方で発表後にZOTAC GAMINGのDiscordサーバーに新規メンバーが殺到し、コミュニティに混乱が見られる。しかし、貢献度の高いコミュニティメンバー向けの専用チャンネルを設け、そちらではより当選確率の高い抽選を実施するなど、モデレーターがキャンペーンの目的に沿った運営を行っている。コミュニティを活用し、ユーザーに製品が届く購入環境を整えようとするZOTACの新たな試みは、多くのゲーマーやPC愛好家から評価されている。