そもそもウィジェット(Widget)は小型装置や部品の総称で、パソコン用ソフトウェアではそこから転じて「GUIを構成する小規模なソフトウェア」を指すようになりました。スマートフォンにおいても、アプリの一部機能をホーム画面に配置するなど、扱いやすいよう工夫された小規模なアプリ、という意味合いで使用されています。

iPhoneにおけるウィジェットも同様ですが、通常のアプリとは多少異なる役割が与えられてきました。ホーム画面やTODAY画面(ホーム画面先頭ページのさらに左側にあるウィジェット専用ページ)にアプリの一部機能を配置し、起動しやすくする、状態を確認しやすくする、といった目的で使用されてきました。

iOS 17では、その位置付けに変化が現れました。従来ウィジェットは"見るだけ"の存在で、操作が必要となる場面ではアプリ本体を起動する必要がありましたが、対話式の機能を搭載できるよう仕様が変更されました。その新仕様に基づくウィジェットが「インタラクティブウィジェット」で、一部のアプリに採用されています。

iOSに標準装備のアプリでいえば、リマインダーではタスクの確認(チェックボックスに印を付ける)、ミュージックでは曲の再生/一時停止など、比較的単純な操作をウィジェットから指示できるようになりました。

App Storeでも、ウィジェット上のテンキーをタップすれば計算できる電卓アプリなど、ウィジェットの特長を生かしたサードパーティーアプリが登場しています。現状数が多いとはいえないものの、すぐに確認/操作できてTODAY画面やホーム画面へ自由に配置できるという特長を生かしたアプリは、今後増加することでしょう。

  • すぐに確認/操作できてTODAY画面やホーム画面へ自由に配置できる「インタラクティブウィジェット」