MMD研究所は12月11日、AppleWatch所有者を対象として11月に実施した「Apple Watchの購入と利用に関する調査」の結果を公表した。
Apple Watch所有率が高いのは20代。オンライン専用プランと親和性が高い
まず予備調査として、18歳~69歳の男女14,471人を対象に、Apple Watchの認知~利用状況を聞いている。「所有している」は10.9%で全体の約1割。これに「興味があり、購入を検討している」「興味はあるが、購入を検討していない」を加えた、興味があるという割合は約3割、さらに「購入を検討していないが、どのようなものか知っている」「どのようなものかは知らないが、言葉は聞いたことがある」を加えた認知者の割合は84.7%となっている。
10~30代では女性のほうが認知度が高く、40代以降では男性のほうが認知度が高いが、10代男性を除いて認知度は80%台で、性別/年代別でさほどの違いはみられない。所有率では60代を除いて男性のほうが高いという結果になっている。男女とも所有率がもっとも高いのは20代で、続いて30代、さらに僅差で10代が続いている。
次のグラフはApple Watchの認知~利用状況をメイン利用の通信サービス別に集計したもの。所有率がもっとも高いのはahamoをメインで利用しているユーザーで、以下LINEMO、povoと続いており、各キャリアのオンライン専用プランのユーザーにApple Watchのユーザーが多いという状況だ。
購入を検討しない理由は、費用面だけでなく利用イメージがわかない点も大きい
次に、予備調査で「興味はあるが、購入を検討していない」と答えた1,893人に購入を検討しない理由を聞いた結果が次のグラフ。「料金が高いから」と費用面を気にする人がもっとも多いが、「使いこなせるイメージがわかないから」「使うシーンが想像できないから」と、使い道がわかりにくいという点を挙げる人も少なくない。
「購入する際に重視すること」が多すぎると購入に至らない?
次は、Apple Watchの所有者と購入検討者の計2,431人を対象としてスマートウォッチを購入する際に重視することを複数回答で聞いた結果。
Apple Watch所有者が重視することのトップは「スマートフォンの通知を確認できる」(28.7%)で、以下「健康に関するデータを計測できる」(23.1%)、「端末のサイズがちょうどよい」(20.3%)と続く。購入検討者は「健康に関するデータを計測できる」(23.1%)、「スマートフォンの通知を確認できる」(28.7%)、「一回の充電で長時間利用できる」(15.1%)の順。総じて購入検討者は各項目を重視するという割合が高く、所有者はそれほどでもない。さまざまな要素から、割り切れる点を割り切らないと購入には至らないということかもしれない。
所有者の着用頻度は「ほぼ毎日」が45.0%、一方で「着用していない」も29.0%
そしてApple Watch所有者1,007人を対象に、Apple Watchを着用する頻度を聞いた結果が次のグラフだ。
「ほぼ毎日着用している」が45.0%と半分弱。一方で「着用していない(所有しているが利用していない)」も29.0%おり、買ったはいいが使えていないという人も少なくないことがわかる。主に平日に着用しているという人が8.1%、土日や祝日など休日に着用しているという人が6.3%でここにはあまり大きな差はないようだ。
購入の決め手はヘルスケア/フィットネス機能
次は、Apple Watchの所有者のうち、購入前から魅力を感じていたという687人を対象として、どういった点を魅力に感じていたかを複数回答で、そして購入の決め手を単独回答で聞いている。
購入の決め手に挙げる人がもっとも多かったのは「健康に関するデータを計測できる」。他社製品も含め、現在スマートウォッチの機能競争の中心となっているのもヘルスケア/フィットネス機能であり、当面はこの領域の機能で各社が競うことになりそうだ。
フィルム、充電器、ストラップは購入率が高い
最後はApple Watch関連アクセサリの所有状況を聞いた。
すでに所有しているものとしては、画面保護フィルム/持ち運びができる充電器/バンド(ストラップ)を挙げる人がそれぞれ約3割ずつ、「端末本体のケース」「持ち運びができないスタンドタイプの充電器」の所有者もそれぞれ25.6%、19.0%。これら5品目に「その他」を足した数字は137.9%で、「所有しているものはない」という人が42.8%いることから、アクセサリを購入している人は平均して2点以上をもっている計算になる。
中でも「持ち運びができる充電器」を持っている人が31.4%おり、欲しいものとして挙げている人も20.4%いることから、外出先でのバッテリ切れに悩まされている人が少なからずいるという状況がうかがわれる。
調査概要
- 調査名:Apple Watchの購入と利用に関する調査
- 調査期間:2023年11月10日~11月15日
- 有効回答:<予備調査>14,471件 ※人口構成比に合わせてウエイトバックを実施 <本調査>1,007件
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:<予備調査>18歳~69歳の男女 <本調査>Apple Watch所有者
- 設問数 :<予備調査>10問 <本調査>10問