アンカー・ジャパンは、ペットロボットを展開する子会社ルーナ・ジャパンを設立。新たにペットロボット「Loona Blue」(ルーナ ブルー)を発表し、ルーナ・ジャパン公式サイトと一部のAnker Storeで予約販売を11月2日に開始しました。ペットを飼いたくても飼えない状況にある人が主なターゲットです。

  • 「Loona Blue」(ルーナ ブルー)

Loona Blueは足の代わりに4つの車輪を装備し、まるで小型犬のようにすばやく動き回るペットロボット。見かけによらずかなり俊敏な動きを見せます。実機デモでは、頭やあごを撫でたり触れあったりするとほんものの生き物のように甘える仕草が見られたほか、専用の赤い布を目の前でふりかざして突進させる“闘牛モード”なども披露されました。

aiboに代表されるような“動物っぽさ”を前面に出したペットロボットとくらべると、ぱっと見は「可愛い」より「クール」寄り。曲線デザインではあるものの「いかにもロボットな感じ」ですが、走り回るさまは子犬のようでちょっとほっこりします。

  • “闘牛モード”のデモ。付属の赤い布を見せると、そちらに向かって勢いよく突進してくる

ユーザーの後ろをついてまわったり、表情をくるくる変化させたりと、ペットロボットとしての基本的な性能は充実。会話型AIサービスのAmazon Lexや、ChatGPTを用いた対話機能も備えているほか、専用アプリからGoogle Blocklyを用いてのプログラミングにも対応します。価格は89,990円で、12月上旬から一般販売予定です。

  • ChatGPTを用いた対話機能も装備

  • 専用アプリからGoogle Blocklyを用いてプログラミングするイメージ

「テクノロジーの力で人々の生活を豊かにすること」を目指してきたアンカーグループは、ペットロボット開発を手がけるスタートアップ・KEYi Tech(キーアイテック)に出資サポート。“豊かさの新たな探求”として便利さや快適さといった価値に加え、癒しや共感といった精神的な豊かさも届けることを目的として、今回新たに100%子会社のルーナ・ジャパンを設立したそうです。

Makuakeではこれに先行して、「Loona」という名称のペットロボットのクラウドファンディングプロジェクトが実施されていました。このプロジェクトは目標金額を大幅に上回るかたちで2023年5月に支援終了していますが、担当者によればこれはテストマーケティング的な位置づけだったとのこと。

今回Anker傘下のルーナ・ジャパンが取り扱うLoona Blueは、日本市場のニーズも汲んでソフトウェアの日本語の精度や、音声認識などコミュニケーションに関わる部分を国内向けにカスタマイズ。頭部の外観デザインも少し変化を加えています。

Loona Blueでできることはさまざま。単体では指を使ったジェスチャーや音声によるコミュニケーションが行え、たとえば指でハートのサインを送るとハートのポーズで答えてくれたり、左耳を動かしてジャンプしてなどの言葉を聞き分け、ジャンプや回転などいろいろな芸を披露してくれます。

専用のアプリを使って一緒にゲームを楽しんだり、ご飯をあげたり、Loona Blueが今何を考えているのかを知れたりします。Loona Blueには内蔵カメラがあり、アプリを介して留守中の部屋の様子を見守ることもできます。ただ、段差は認識できないということで、基本的にはフラットな床の上で過ごしてもらうことを想定した作りになっています。

  • Loona Blueの見ている景色を見るイメージ

Google Blocklyを用いたプログラミングでは、アプリ上でパズルのようにブロックを組み合わせることで柔軟な指示を出すことができ、子どもと一緒にプログラミングを楽しむといった活用方法も提案していました。なお、Loona Blueは月額料金なしで継続的にアップデートを提供する予定で、最新のトレンドやテクノロジーを採り入れ、できることをどんどん増やす方針です。

ちなみにハードウェアとしては、前面に顔となる2.4型液晶ディスプレイを搭載しており、頭脳にはクアッドコアの「Cortex A53」を採用。高精度カメラや3D ToFセンサー、タッチセンサー、3軸加速度計、3軸ジャイロスコープも装備します。無線LAN機能は2.4/5GHzのデュアルバンド対応。

容量1,350mAhのリチウムイオンバッテリーで最大90分稼働可能です。充電ステーションを同梱しており、背部に備えたUSB Type-C端子からの充電にも対応します。充電時間は約2.5時間。Loona Blue本体の大きさは約210×172×172mm、重さは約1100g。充電ステーションはひと回り大きく約268×218×139mmで、重さは約550gです。

Loona Blueには本物の犬や猫のような柔らかい雰囲気はありませんが、いい意味で生き物らしくないコミカルな動きが可愛らしく、新しもの好きには刺さりそうな予感がします。値はやや張りますが、子ども向けのプログラミング教材としてちょうど良いかもしれません。

  • 背面にUSB Type-C端子が見える