キヤノンは5月21日、レーザーによる測距機能を備えたゴルフ距離計「PowerShot GOLF」を発表した。この手のゴルフ距離計では初めて、写真や動画の撮影機能を備えたのが特徴。ファインダーはEVFで、光学式よりも明るくクリアな表示で測距できるようにした。レンズは光学6倍で、デジタルズームの併用で12倍相当の表示も可能。手ブレ補正機構を備えており、ブレを抑えてスムーズに測距できる。本体は小型軽量に抑えた。ゴルフプレーのアシストだけでなく、写真や動画で思い出を残せるツールとしてゴルファーに訴求する。

価格はオープンで、キヤノンオンラインショップでの価格は51,700円。発売は7月下旬の予定。

  • 写真や動画も撮れる新趣向のゴルフ距離計「PowerShot GOLF」

立っている場所からターゲットまでの距離を測定し、適切なグラブ選択をサポートするゴルフ距離計。ゴルフ距離計はキヤノン初となる製品。2020年に発売した双眼鏡型超望遠カメラ「PowerShot ZOOM」のスタイルがゴルフ距離計に似ている、という話になり、PowerShot ZOOMをベースに開発した。

  • 前面には、イメージセンサーにつながるレンズと赤外線レーザーの受発光部が並ぶ。側面のカバー内には、充電用のUSB Type-C端子やmicroSDカードスロットを備える

  • 背面には、視度補正機能付きのEVF接眼部を備える。下のボタンはズームボタンと動画撮影ボタンだ

  • こちらはPowerShot GOLF開発のきっかけとなった双眼鏡型超望遠カメラ「PowerShot ZOOM」

前面に搭載した投光部から赤外線レーザーを発し、跳ね返ってきたレーザーを受光部でキャッチし、時間の差から距離を測定する仕組み。背面のファインダーはEVFで、測定した距離の情報が重ねて表示される。EVFは、EOS Rシリーズなどのミラーレスカメラで培った技術を用い、見やすさを重視した。

  • 上部にある大きなボタンを押すと測距が始まる

  • 片手で本体を持ってEVFをのぞきながら使う。2軸の手ブレ補正機構を内蔵しており、片手で保持してもブレを抑えられる

レンズは6倍(35mm判換算の焦点距離は410mm相当)で、デジタルズームの併用で12倍(同820mm相当)に切り替えられ、遠くのターゲットも正確に測距できるようにした。デジタルズームが可能なのは、EVF採用のメリット。2軸補正の手ブレ補正機構も搭載する。

  • 測定した距離は中央に表示する。勾配を考慮した距離を算出するスロープ補正機能も備える。左が光学6倍、右がデジタルズーム併用の12倍

センサーは1/3型のCMOSセンサー(有効1100万画素)。本体にはシャッターボタンや動画撮影ボタンを備えており、写真や動画を撮影し、microSDカードに保存できる。動画撮影時、気づいたことを話して音声で残すメモとしても使える。

本体サイズは31×91.2×58.9mm、重さは約151g(メモリーカード含む)。内蔵バッテリーはUSB Type-C端子経由で充電する。専用のソフトケースが付属する。

  • 専用のソフトケースが付属する。ボタンが配置されている面には硬い素材を入れ、ケース収納時に誤ってボタンを押さないように工夫した

  • ベストを通す部分は面ファスナーで開閉できるようにし、ベルトを外さずにケースを取り外しできる

  • PowerShot GOLFの開発を手がけたキヤノン イメージコミュニケーション事業本部の有賀一人氏(左)と、プロツアーキャディーの進藤大典さん(右)