YouTubeは4月18日、公式ブログにおいて、摂食障害に関連するコンテンツの取り扱いをアップデートする方針を発表した。翌19日には、日本版公式ブログにおいても同様の内容が日本語で投稿されている。

  • イメージ

同ブログの投稿によれば、YouTubeは「今後数週間をかけ」「第三者の専門家の助言のもと」摂食障害に関するコンテンツの方針を見直し、「交流、回復、情報収集の場を」作るとともに「視聴者の保護を目指」すとしている。協力を仰ぐ専門家としては、従来からのメンタルヘルスパートナーである米国のNational Eating Dsorders Association(NEDA)のほか、アルゼンチンで活動するAsociación de Lucha contra la Bulimia y la Anorexia(ALUBA)の名前も挙げている。

YouTubeでは従来より、摂食障害を美化・助長するようなコンテンツを削除対象とするポリシーを定めている。今後はさらに、過食嘔吐や極度のカロリー制限などの異常な食行動、摂食障害に関する話題における体重を理由にしたいじめなども、摂食障害になるリスクの高い視聴者が真似をする可能性があるものとして、禁止対象となる。

こういったコンテンツにおいては、その内容だけでなく文脈も重要になるため、たとえば摂食障害からの回復を扱った動画などは、教育/ドキュメンタリー/科学/芸術といった観点からのものであれば、一律に禁止するわけではないという。

その際の対応のひとつが年齢制限。上記のような観点をもった動画であっても、全年齢の視聴には適さないと考え、年齢制限を導入する。対象となる動画は、18歳未満の視聴が不可となり、サインアウト中やYouTube外のサイトにおける埋め込みの形で年齢が確認できない場合も再生できないようになる。

  • サインアウト中は年齢確認のためにログインするよう求める画面が表示される

    サインアウト中は年齢確認のためにログインするよう求める画面が表示される

なお、この年齢制限の導入にあたっては、他のコミュニティガイドラインの更新の場合と同様、反映までに少々時間がかかる可能性があるとしている。

もうひとつの対応が、心の健康に関する相談窓口を記載したパネルの表示。現在、YouTubeで摂食障害に関するワードを検索すると「接触障害相談ホットライン」の情報がパネルとして表示されるが、今後はこのパネルを動画再生ページ下部にも表示し、より多くのユーザーがこういった窓口にリーチできるようにしていくという。

  • YouTube検索時に表示されるパネル

    YouTube検索時に表示されるパネル

  • 動画再生ページのパネル表示イメージ

    動画再生ページのパネル表示イメージ

このほかにも、NEDAとの提携で摂食障害をテーマとした1年間の動画シリーズの制作なども行っているが、現在のところ英語版のものしか公開されていない。また一部の国では、医師などに対してYouTubeヘルス機能の情報源としての申請の呼び掛けも行っている。