「金曜ロードショー」では、“必ず泣ける”として高い評価を得ている、京都アニメーション制作『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』TVシリーズを、石立太一監督監修で新たに再構成した「特別編集版」として10月29日に放送。

翌週11月5日には、劇場公開された『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝-永遠と自動手記人形―』が本編ノーカットで地上波初放送となる。

そこで今回は、日本テレビアナウンス部内より、元々アニメが大好きな中島芽生アナウンサーと伊藤遼アナウンサー、そして伊藤アナに薦められてハマったという水卜麻美アナウンサーが、本作の魅力を紹介する。

  • 水卜麻美アナウンサー

  • 中島芽生アナウンサー

  • 伊藤遼アナウンサー

●水卜麻美アナウンサー

――そもそも本作を見たきっかけは?

この作品はアニメが大好きな後輩の伊藤遼アナウンサーに「水卜さん、これは絶対に見たほうがいいです!」とお薦めされて見た作品です。何回泣いただろうというくらい涙無くしては見られない、素敵な作品でした。
恥ずかしながら、私は普段あまりアニメーション作品を見るほうではないのですが、大人になってからこんなにどハマりできるアニメがあるんだなと改めて気づかせいただいた作品です。

――本作の魅力は?

ヴァイオレットは「手紙の代筆」という仕事を通して、人の心に触れていくのですが、「言葉にして伝える」ということの大切さを改めて気付かせてくれる作品です。
アナウンサーは言葉=声を使って伝える仕事ですけれども、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」では手紙=文字という形で気持ちを伝えます。今は、なかなか人とも会えない日々ですが、言わなくてもわかるだろうとか伝えなくても気づいてるだろうと思ってしまいがちな、「愛してる」とか「ありがとう」といった素敵な言葉の数々を、私はこんなに言わずに過ごしてしまっていたんだなぁと気づかされ、もっと1日1日、思ったことを相手に大切に伝えようと気持ちを変えてくれました。

――主人公・ヴァイオレットの魅力は?

戦場で育ったヴァイオレットは感情というものがありませんでしたが、人の感情を真っ新の状態から知っていきます。彼女を通して、改めて友達への感情とか、家族への感情、好きな人への感情というのはこんなに素晴らしいものなんだなと、自分も真っ新な気持ちで感じられるところが魅力だと思いました。ヴァイオレット自身の純粋な心にすごく気持ちが洗われます。彼女が出会った人を通じて、改めて人のことも好きになったし、自分自身、ヴァイオレットと一緒にちょっと成長できたような気持ちにもなりました。

――視聴者にメッセージを

私自身、何度見ても同じところで涙してしまうようなすごく心を打つ作品です。普段、あまりアニメを見ないという方にも、ぜひ見ていただきたいと思います。

●中島芽生アナウンサー

――本作の魅力は?

この作品の中にはたくさんの「愛してる」が出てきます。ひとつとして同じものはなく、どれも大切な思いで、それがどう手紙となり、心に届くのか。改めて自分の心、相手の心と向き合い言葉にすることの大切さを感じさせられました。
そして、簡単に言葉を届けられる今、心無い言葉で傷ついたり傷つけられたりする事が誰しもあるからこそ、誰かを思って「本当に伝えたい心は何か」に向き合うことが大切だと感じさせてくれる作品です。
この作品を見た後には、「あの人に手紙、書こうかな」と誰かの顔が思い浮かぶと思います。

――特におすすめのポイントは?

・絵画のような美しさ
全作品映画のような映像美。巧みな光・風の使い方・水面のきらめき・花の揺らめき、すべてが本当に美しい。その景色と心理描写が見事にリンクしていて、より心に迫ってきます。どの瞬間も絵画のような美しさ、さながらルノアールの作品を見ているようで、ただただうっとりしてしまい、本当に一瞬も見逃せません!
・傷を癒す温かい言葉の数々
舞台は戦争が終わって数年後、まだみんなどこか傷ついている時代。その傷が、手紙の言葉を通して少しずつ癒されていくのですが、それが今のこのコロナで誰しもが知らない間に我慢したり傷ついている心と重なり、私たちの心も癒してくれると思います。
・息をのむほどの瞳の美しさ
少佐の瞳と同じ色のブローチを大切にするヴァイオレットですが、ヴァイオレット自身の瞳は、戦場での苦しみも、子どもならではの純真さも、すべて含まれた不思議な引力を持っています。その瞳が手紙の代筆を通して少しずつ成長していくことで変化していくので、ぜひ表情や動作とともに瞳の変化にも注目してもらいたいです。

●伊藤遼アナウンサー

――この作品の魅力は?

人の気持ちがわからない、戦争の道具としてしか自分の価値を見出せなかったヴァイオレットという少女が、言葉に隠れる人の感情を理解しようと必死な姿に心打たれます。
また、各キャラクターが抱える葛藤や隠している本当の気持ちを、周りの人が言葉にし、気づかせてくれる様子からは、人間の心がいかに複雑なのかということを感じました。
人の気持ちを理解しようとする尊さ、自分に素直になる難しさ、そして心を伝えることがどれだけ大切なのかを教えてくれる作品です。
人との距離が遠くなり、真に自分の気持ちを「伝える」ことが難しくなっている今だからこそ、ヴァイオレット・エヴァーガーデンを見て感じていただきたいです。

――特におすすめのポイントは?

・不器用ながらも「愛している」の意味を知るために奔走するヴァイオレットと、彼女と共に歩みだす他のキャラクターたちの心の動きは非常にリアルで一人一人に感情移入してしまいます。言葉や態度だけが本当の気持ちではない、手紙を通して素直になるキャラクターの姿そのものがこの作品の魅力だと思います。
・京都アニメーションの手がける作画、演出、BGMはどれもキャラクターの心の動きを見ている人が共有できる素晴らしいものになっています。日本最高峰のアニメーションです。また声優の皆様の魂のこもった演技も魅力の一つです。気持ちの変化を、絵だけではなく、息遣いでも感じられます。迫真の演技です。

金曜ロードショーでは、2021年10月29日(金)に『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』金曜ロードショー特別編集版、11月5日(金)に『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形―』を放送予定。

(C)暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会