シャープは6月29日、バックライトに小型LEDを採用し、高密度に敷き詰めて制御する「mini LED 次世代ディスプレイ」を開発したと発表。液晶ディスプレイの輝度やコントラストなどの表示性能を大幅に向上させ、大画面テレビのさらなる高画質化を実現するという。

  • シャープが開発した「mini LED 次世代ディスプレイ」(左下の切り欠きは小型のLEDを高密度に敷き詰めたバックライトのイメージ)

  • シャープの株主総会でmini LED 次世代ディスプレイが展示された

今回開発した試作機のサイズは65V型。バックライトに従来の4K液晶テレビ「4T-C65CH1」(2020年発売)と比べて約1/10サイズとなる小型LEDを8,000個以上配置し、1,000以上のエリアに細かく分割して駆動している。

  • ディスプレイ構造

  • mini LEDの展示

描写する映像に応じて各エリアのLEDの点灯・非点灯をきめ細かく制御し、電力を効率的に活用。2,000ニト(cd/m2)以上の高いピーク輝度と、100万:1以上の高コントラスト比を実現した。また、青色の光を波長変換することで効率的に豊かな色彩表現を行える量子ドット技術を導入し、バックライト光の波長変換を行うことで、従来機と比べて約1.2倍の広色域表現も可能としている。

シャープは、mini LED 次世代ディスプレイの早期実用化を目指し、テレビのさらなる高画質化に取り組むという。

  • mini LED 次世代ディスプレイの試作機(左)と、シャープ製の従来機(バックライト分割駆動なし)の比較イメージ