シャークニンジャは6月2日、同社の人気ハンディクリーナー「Shark EVOPOWER」シリーズの新製品「Shark EVOPOWER EX」(以下、EVOPOWER EX)を発表しました。従来モデルと比べて本体がコンパクトになり、そのうえ吸引力とバッテリー持続時間はパワフルに進化。充電台には最大3種類の付属品を収納できるようになりました(WV400JRR以外)。

発売日は6月下旬で価格はオープン。付属品の違いで「WV406JGG」「WV405JDC」「WV400JRR」の3モデルがあり、推定市場価格はWV406JGGが29,700円前後、WV405JDCが25,850円前後、WV400JRRが22,000円前後。今回は発売前に実機を試用することができたので、新製品の特徴と使用感についてレポートします。

  • 今回試用した最上位モデルのWV406JGGは、シックなグレージュカラー。アクセサリーとして、フローリング用延長ノズル、ミニモーターヘッド、隙間用ノズル、マルチノズルの4アイテムが付属します

  • 塗装は3モデルとも日本向けという特別デザイン。最上位モデルのWV406JGGはグレージュ色ですが、WV405JDCはダークチョコレート、ベーシックモデルのWV400JRRはローズレッド色を採用。いずれも光の当たり方で色が変化するマットな質感で高級感があります

パワフルなハンディクリーナーで注目のEVOPOWERシリーズ

シャークのEVOPOWERシリーズは、2018年に発売されたハンディクリーナー。それまで、ハンディクリーナーといえば「コンパクトだけど非力」あるいは「パワーはあるけど無骨」というイメージでしたが、EVOPOWERはスリムな本体ながらパワフルな吸引力で「デザイン性が高い高機能ハンディクリーナー」として人気となりました。今回のEVOPOWER EXは、シャークのハンディクリーナーシリーズでプレミアムモデルに位置する製品です。

  • 充電台にセットしたWV406JGG。正面から見ると充電中もスッキリしていて、棚の上といった目につく場所に置いてもインテリアの雰囲気を壊しません

  • 新モデルは充電台後方に、フローリング用延長ノズル以外の全アクセサリーをセットできるようになりました。最上位モデルのWV406JGGは、アクセサリーにフローリング用延長ノズル、ミニモーターヘッド、隙間用ノズル、マルチノズルの4アイテムを付属。WV405JDCはフローリング用延長ノズル以外の3アイテムを付属します

  • ベーシックモデルであるWV400JRRのみ、付属品が隙間用ノズルとマルチノズルのみ。充電台もアクセサリーを2つ収納する小サイズです

コンパクトになったのに吸引力は2倍!

新モデルの特徴はズバリ、本体がコンパクトになったのに吸引力がパワーアップしたこと。EVOPOWERシリーズは以前から「ハンディとは思えないほどパワフル」と言われていましたが、新モデルはブーストモード時で従来製品の2倍という吸引力を実現しています。

  • 本体サイズは3モデル共通でW62×D69×H390mm、重さ約680g。従来モデルから重さが60gほど増えていますが、本体サイズは高さが3cmほどコンパクトに


【動画】ゴミを吸引しているところ。吸引力が強いため、プラスチックの粒が次々と吸引口に引き寄せられていきます

【動画】実際のゴミも掃除してみました。カーペットに粉ゴミと猫砂、髪の毛を撒いてテスト。ブーストモードだと吸引力が強すぎてカーペットが持ち上がってしまいました。動画を見るとわかるように、2回ノズルが通過しただけで、粉ゴミ、粒ゴミ、髪の毛というゴミをほとんど掃除できています
(音声が流れます。ご注意ください)

強力な吸引力だけではなく、運転モードが選べるようになったのも注目ポイント。標準モードのほか、吸引力を高めるブーストモード、長時間掃除ができるエコモードという3つのモードに切り替えられます。ゴミが多い場所ではブーストモード、夜など静音性を重視したいタイミングではエコモードで運転するなど、シチュエーションによって使い分けられます。

【動画】手元の3つのボタンで操作。電源ボタンを押すと「標準モード」で運転。電源ボタン下の竜巻マークで「ブーストモード」、木の葉マークで「エコモード」運転に切り替わります
(音声が流れます。ご注意ください)

バッテリー駆動時間も延びました。従来モデルは1個のバッテリーで約12分の駆動でしたが、新モデルはエコモードなら最長35分の駆動時間。バッテリー駆動時間は3モデル共通で、エコモードが約35分、標準モードが約20分、ブーストモードが約8分です。ちなみに、従来モデルは着脱式バッテリーで充電切れに対応できましたが(バッテリー交換)、EVOPOWER EXも本体上部から簡単にバッテリーを外して交換可能です。

  • 本体上部からバッテリーを簡単に外せます。別売りの予備バッテリーを購入すれば、長時間の掃除にも対応できますね

もうひとつの新機能が、上位2モデル(WV406JGGとWV405JDC)に搭載されたミニモーターヘッドの存在です。新しく付属したミニモーターヘッドは回転ブラシを内蔵しているため、ファブリックに張り付きにくく、ペットの抜け毛などもしっかりと除去してくれます。

  • ミニモーターヘッドの裏面。回転部に床などに密着しやすいブラシレスパワーフィンを採用しています。植毛ブラシではないので、髪の毛も比較的からまりにくい構造です

【動画】犬の寝床である抜け毛だらけのソファを掃除。回転ブラシのおかげか、たるみのあるカバーも意外と吸い込まずに掃除できました。カバーを吸い込むと回転が止まります。安全のためでしょう
(音声が流れます。ご注意ください)

EVOPOWERならではの使いやすさもしっかり継承

EVOPOWERはもともと使い勝手の良さでも人気でしたが、もちろん新モデルでも健在です。たとえば、EVOPOWERはコンパクトでスリムなだけ、ダストビンの容量は小さいのですが(補塵容量のスペックは非公開)、ボタン一つで簡単にゴミを捨てられるように工夫されています。

【動画】本体裏にある黄色ボタンをスライドすると、ワンタッチでゴミが飛び出ます。手を汚さず一瞬でゴミ捨て
(音声が流れます。ご注意ください)

  • ダストビンのフタ部分と、本体内部の白いフィルターは水洗い可能。ただし、金属メッシュフィルターは取り外せません

  • 付属ノズルを外すボタンが手元に配置されているのも使いやすいところ。ほとんどのボタンが手元に集中しているので、操作のたびに手の位置を変える必要がありません

シャークは米国の会社ですが、EVOPOWER EXの開発段階では日本の家庭でもユーザーテストを行い、日本のニーズも取り入れています。たとえば、フローリング用延長ノズルが標準付属するのは日本のみの特別モデル。ほかにも、ダストカップを開いたときにゴミが飛び散りにくくなるように調整したり、駆動音や本体サイズ(高さ)の調整、女性でも届きやすいボタンの位置など、細かな部分は日本でのヒアリングから改善しているそうです。

  • フローリング延長ノズルを装着しして試したところ、あまり吸引力は強くありませんでしたが、フローリングの隅を掃除するくらいなら十分。「家中の床をEVOPOWER EXで掃除する」には向いていませんが、たとえばロボット掃除機がメインで活躍している家庭では、「ロボットが掃除できない隅や細かい場所をEVOPOWER EXで掃除する」といった使い方が便利です

今回、短期間ながらEVOPOWER EXを自宅で試用しましたが、個人的に気に入ったのはやはり吸引力のパワーアップ! 犬がいる我が家では、抜け毛対策として掃除機は吸引力を重視しています。一部のラグなどは吸引力が強すぎてめくれ上がってしまうことがありましたが、EVOPOWER EXは「優しい吸引力」の運転モードが選べるようになったのもうれしいところ。このあたりもEVOPOWERらしい使いやすさにこだわった進化だと感じました。