ゼンハイザーは、新開発のドライバや音響構造を採用し、音質にこだわったフラッグシップイヤホン「IE 900」を6月1日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は179,080円前後。
従来機種「IE 800S」の後継機で、IE 800Sから進化した、自社開発・製造の7mm径「TrueResponseトランスデューサー」(ドライバー)と、3つのレゾネーターチャンバー、アコースティックヴォルテックスを搭載した“X3Rテクノロジー”を採用。「レスポンスの良い低域から、繊細な高域の描写まで、すべての周波数帯域でクリスタルのような透明感あふれるエレガントでニュートラルなサウンド」を追求した。
中でも高域にこだわり、「4kHzと10kHz以上の高域においては、人気モデルのIE 800Sからさらに進化し、歪みのないより自然でクリアな音になった」としている。周波数特性は5Hz~48kHz(-10dB)でハイレゾ再生に対応。インピーダンスは16Ω、音圧感度は123dB。
トランスデューサーの振動板素材はポリマーブレンドで、コーティングは施していない。高内部損失を追求し、自然発生的に起こる不要な共振と歪みを最小限に抑え、全高調波歪は0.05%(94dB,1kHz)を実現。さらに、新たに再設計したボイスコイルでマグネットシステムのパフォーマンスを向上させ、「高域における自然でクリアなサウンドを引き出す」としている。
トランスデューサーとノズルの間のパーツに、「レゾネーターチャンバー」と呼ばれる3つの溝が掘り込まれており、それぞれの溝が、各一定の周波数帯域のレスポンスを向上させ、マスキングと歪みを抑える。
このパーツの中央に、花びらのような形状の孔「アコースティックヴォルテックス」が空いており、チャンバーで調節したサウンドを「自然に広がる音」にして送り出せるようになっている。
アルミブロックの削り出しから作られた高品質ハウジングを採用し、経年劣化しにくく長く使えるように設計。製造工程で機械によるチェックだけでなく、左右を手作業でマッチングするなど、ハイエンドモデルならではの徹底したクオリティコントロールを行っている。
ケーブルは着脱可能で、ゴールドプレートを採用した独自のFidelity Plus MMCXコネクターを採用。MMCXをベースとしているが、端子周辺が独自形状のため、他社製ケーブルとの互換性は確認できていないという。
豊富なケーブルを同梱しているのも特徴で、入力プラグが3.5mmのステレオミニケーブルに加え、4.4mm 5極プラグを採用したバランスケーブルと、2.5mm 4極プラグのバランスケーブルを同梱する。ケーブルはいずれもY型で長さは125cm。特殊素材であるパラアラミドを採用し、数千回の折り曲げに耐えられる、高い耐久性を備える。
ケーブルをのぞいた重さは約4g。イヤーピースはフィルタを内蔵した専用設計で、シリコンタイプとフォームタイプをそれぞれS/M/Lの3サイズを同梱。2.5mmプラグや4.4mmプラグのバランスケーブル、シリアルナンバー入りプレミアムキャリングケースなどが付属する。