三菱電機とNTTドコモは1月20日、安心・安全な社会の実現に向けて、三菱電機の俯瞰(ふかん)映像合成技術「Fairyview(フェアリービュー)」と、ドコモの第5世代移動通信方式(5G)を活用した新たな監視カメラサービスの実用化に向けた技術検証を行うため連携協定を締結し、同23日からドコモ5Gオープンラボ Yotsuyaで実証実験を開始すると発表した。

近年、監視カメラを多数導入している警備業界では労働力人口減少に伴う社会環境の変化や2020年の国際的なスポーツ大会などの大規模イベントにおける警備需要の増加、警備レベル強化に伴い人手不足に直面しており、ITやAIを活用した少人数で効率的な監視ができるサービスのニーズが高まっているという。

そこで両社は、三菱電機のFairyviewと短時間で大容量のデータ通信が可能となる高速・大容量、無線区間の遅れを少なくした低遅延、多くの端末が同時に接続可能な多接続を特徴とするドコモの5Gを組み合わせることで、リアルタイムで広範囲な俯瞰映像の生成を実現し、新たな監視カメラサービスの実用化を目指す。

  • 俯瞰映像合成技術と5Gを活用した監視カメラサービスのイメージ

    俯瞰映像合成技術と5Gを活用した監視カメラサービスのイメージ

実証実験では、三菱電機のFairyviewとドコモの5Gにより、複数の監視カメラ映像を1枚の画像にすることで、広域エリア全体を俯瞰的に確認できる監視カメラサービスの検証を行い、実施期間は技術検証が2019年度末まで、フィールド検証が2020年度中を予定。実施場所は、技術検証がドコモ5Gオープンラボ Yotsuya、フィールド検証がドコモの5Gサービスエリア内となる。

三菱電機のFairyviewは、監視カメラで撮影したフルハイビジョンの高精細な映像データを画像処理サーバに送り、合成するためスムーズな俯瞰映像の生成には高速な通信ネットワークが不可欠となることから、ドコモの5Gを活用することで、現状のLTEでは実現が困難である、複数台のカメラから高精細な映像データを圧縮せずにリアルタイムで送信することが可能となり、カメラの無線化を実現することが可能だという。

また、俯瞰映像合成のためにカメラを設置する場所はビルの高層階、商業施設の天井など配線やカメラの設置が困難な場所が多く、5Gで無線化することにより、設置の自由度が高まるとともに、固定通信回線が不要になるなど導入コストの低減が期待できるとしている。