iOS 13の写真アプリを利用していると、ときどき「キュレーション完了」というメッセージが目に入ることがあります。なにやら写真に関する処理が完了したことはわかりますが、具体的に何をしているかと訊かれると……ちょっと答えに詰まりますよね。

このキュレーションとは、写真/動画に関する情報を収集し整理するAI機能をいいます。写真タブで「年別」や「月別」を選択しているとき、たくさんの写真の中から数枚がサムネイル画像として表示されますが、その取捨選択の基準はキュレーションによる成果です。

「年別」や「月別」のサムネイルを見ると、よく似た写真が選ばれていないことがわかります。たくさん撮っているはずのスクリーンショットも、サムネイルとして表示されていないはずです。撮影場所ごとにグループ化されていたり、被写体のカブりがないよう選別されていたりと、コンピュータの仕事にしてはセンスがあるかも、と思わせてくれます。

写真アプリのAI機能はiOS 13以前から強化され続けており、iOS 12の時点でも「For You」タブにおすすめ写真 -- 被写体の種類や構図などの情報を総合的に判断のうえ抽出された"よく撮れた"写真 -- が表示されるなど活用されていました。キュレーションはこの機能を前進させたもので、ユーザによっては数千枚超えも珍しくない大量の写真を効率的に表示/管理できます。

なお、iOS 13へアップデートしたあと最初に実行されるキュレーションは、かなり時間がかかることがあります。写真/動画の分析には高い演算能力が要求されるため、相当量の電力も消費します。そのため、キュレーションが実行されるのはiPhoneが電源に接続されているときだけで、ふだんiPhoneを持ち歩いているときには実行されません。

  • 写真アプリの「キュレーション」って何ですか?

    新しい写真アプリの「キュレーション」とは