日本IBMは27日、製薬企業や医療団体など20の企業や団体とブリックチェーン技術を活用したプラットフォーム構築に向けた実証実験の実施を2019年度中に行うことを発表した。

IBM Blockchain(<a href="https://www.ibm.com/jp-ja/blockchain" target="_blank">Webサイト</a>)

IBM Blockchain(Webサイト)

特定の枠組みのなかで改ざん耐性に強い情報交換を可能とする分散型台帳技術であるブロックチェーンの実証実験は国内外で重ねられている。ビジネス用途でのオープンソースのフレームワークHyperledgerの公式サイトには、金融やヘルスケア、政府、エネルギーやモビリティなど業界別の実証実験の状況を"POC Tracker"で見られるが世界各地でブロックチェーン活用のためのチャレンジが行われていることが確認できる。

日本IBMは国内の医療・製薬業界における安全、効率的、かつ規模の拡大に対応できる情報交換の仕組みを構築するため年内にブロックチェーン技術を用いた実証実験を実施し、業界横断的な課題の解決や新たなビジネスモデル構築を推進していくことを発表した。同社は昨年10月から医薬品のサプライチェーンや医療データ交換など20の製薬企業や医療団体と協議を重ねている。今回同社が発表した検討領域と参加企業・団体、設立目的、活用内容は以下の通り。

検討領域の例

・医薬品などのサプライチェーンへのブロックチェーン技術の適用
・EHR/PHRなどの医療関連データ・プラットフォームへのブロックチェーン技術の適用

参加企業・団体、設立目的、活動内容

参加企業(五十音順)

アステラス製薬株式会社
協和発酵キリン株式会社
グラクソ・スミスクライン株式会社
塩野義製薬株式会社
第一三共株式会社(幹事)
大日本住友製薬株式会社
武田薬品工業株式会社 湘南ヘルスイノベーションパーク(幹事)
田辺三菱製薬株式会社
中外製薬株式会社(幹事)
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
他7社

参加団体(五十音順)

一般社団法人ITヘルスケア学会 医療ブロックチェーン研究会(幹事)
独立行政法人国立病院機構京都医療センター(幹事)
他1団体

オブザーバ

神奈川県


目的
・医療・製薬に関する国内外の新たなビジネスモデルの事例や動向、ブロックチェーン技術の適用に関する調査研究をします。
・調査研究を通じて得られた課題の解決方法や新たなビジネスモデルを検討することにより、医療・製薬業界の発展及び社会的責務に資する事のできる革新的なサービスの提供を目指します。
・医療・製薬に関する新たなビジネス事例の情報共有を図ります。


活動内容
・医療・製薬業界におけるビジネス事例や動向、ブロックチェーン技術の適用に関する調査研究
・実証実験に向けたユースケースの検討
・調査研究を通じて得られた課題への解決の取り組み
・医療・製薬に関する新たなビジネス事例の情報共有
・運営に関する協議、調整全般
・その他、目的を達成するために必要な活動