左右のユニットが分離した完全ワイヤレス(トゥルーワイヤレス)イヤホンの「AirPods」。2016年夏の発売から2年を経た現在も、イヤホンカテゴリでは圧倒的な売上を誇ります。通勤通学時間帯ともなると、同じ車両に何人ものAirPodsユーザを見かけるほどですが、その人気に陰りは見えません。

そんなAirPods、完全ワイヤレスという構造上紛失しやすいのが難点です。耳穴付近にふんわり固定されるだけですから、体を動かしたときや腕を上げたときに外れてしまうことがあります。小さいデバイスですから、外れるタイミングが悪ければ水没したりすき間に落ち込んだり、拾えない可能性もあります。

一般的に、完全ワイヤレスイヤホンは「両耳でワンペア」です。片方が親機となりスマートフォンと通信し、もう一方に(左右チャンネルどちらかの)オーディオ信号を送信することで、ステレオ再生を実現しています。その際、付近の完全ワイヤレスイヤホンと混信しないよう互いの目印を手がかりに通信するため、原則として購入時のペア以外は利用できません。片方を紛失しても、ユーザレベルではどうにもできないのです。

しかし、AirPodsは違います。内蔵されているApple独自のワイヤレスチップ「W1」の働きにより、ユーザの手で左右ペアをリセットすることで、購入時とは異なるペアを利用できるのです。AirPodsの片方をなくしても、両方を交換する必要はありません。オークションサイトでAirPodsの片耳出品を見かけますが、それはAirPodsがユーザの手でペアをリセット(ケースに入れて背面の設定ボタンを長押し)できるという特長を備えているからです。

Appleでは、片方だけの交換(紛失扱い)を受け付けています(サポートページ)。直営のApple Storeへ持ち込んだ場合の料金は、2019年2月現在7,800円/税別と、まるごと買い替えた場合に比べ割安です。

  • AirPodsは片方なくしても追加すればOKです