AIの社会実装事業を掲げるABEJA(アベジャ)は4日、Googleなどを新規引受先とする第三者割当増資を行い日本のAI市場の拡大に向けて協業していくことを発表した。

2012年創業の同社は、ディープラーニング領域の研究・開発を重ね、継続的インテグレーションのためのAI・MLOpsプラットフォーム「ABEJA Platform」正式版を2月に提供。データの取得、蓄積、学習、デプロイ、推論・再学習という運用サイクルに必要な工程を細かく分類し、構築から運用までビジネスで実践できる省力化や自動化を推し進めている。

  • 「ABEJA Platform」の概要(2月の正式版提供時の資料より)

    「ABEJA Platform」の概要(2月の正式版提供時の資料より)

「ゆたかな世界を、実装する」という理念を掲げる同社は、ABEJA PlatformをPaaS(Platform as a Service)として150社以上の本番環境で運用、小売流通業界向けの店舗解析サービス「ABEJA Insight for Retail」として100社520店舗以上で提供している。

資金調達を伴う協業も積極的に展開、業界を問わず数多くの分野の企業との協業を行っているが、今回同社はGoogleなどを新規引受先とした第三者割当増資を行ったこと、これまでの累計調達額が60億円を超えたことを発表している。

Google Cloud Japan 日本代表である阿部伸一氏は、「ABEJAは、機械学習領域における優れた技術力のみならず、日本のAI市場において数多くの企業と実装レベルでの協業実績を持っています。GoogleとABEJAは、AI/ディープラーニングを活用しイノベーションをおこすという共通の目標をそれぞれに掲げており、この度の投資は、小売流通業や製造業をはじめ、様々な産業において革新的なソリューションを提供していくための大きな一歩であると考えています」と述べている。

ABEJA 代表取締役社長である岡田陽介氏は、「2012年の創業以来、私たちは『ゆたかな世界を、実装する』という理念の下、AI、特にディープラーニング領域におけるビジネス活用の協業実績を積み重ねてきました。Googleとの協業を通じて、国内におけるAI市場を拡大し、あらゆる業界の産業構造変革をさらに推し進めてまいります」とAIのさらなる活用を国内に浸透させることでビジネスイノベーションを促進していく構えだ。