ソニーは10月22日、1つのMIPI入力ポートに対し、独自のデータ送信技術を採用することで、複数接続を可能としたセンシング向けグローバルシャッター機能搭載100万画素 1/3.6型CMOSイメージセンサ「IMX418」を商品化したことを発表した。

  • CMOSイメージセンサ「IMX418」

    CMOSイメージセンサ「IMX418」のチップ(左)とCSP(右)

従来、イメージセンサとその撮像画像を処理するアプリケーションプロセッサは、イメージセンサとMIPIで接続されるが、複数のイメージセンサと接続しようと思う場合、配線数の増加による基板デザインの複雑化や、入力ポート数に制約があるなど課題があった。

  • IMX418の接続例

    左が既存のイメージセンサとアプリケーションプロセッサの接続例、右がIMX418とアプリケーションプロセッサの接続例

同製品は、同一配線上に接続された複数のイメージセンサを同時露光して撮影したデータを、順番にアプリケーションプロセッサの1つのMIPI入力ポートへ転送するインタフェースを搭載することで、配線数の削減ならびにMIPI入力ポート数以上のイメージセンサの接続を可能としたほか、データ処理方法に応じて、フレームごとの転送か、ラインごとの転送か選択することも可能としている。

  • データの転送例

    各イメージセンサからアプリケーションプロセッサへのデータ転送例

また、産業機器向けに展開されている多くのグローバルシャッター機能を搭載したCMOSイメージセンサと比べて、低消費電力を実現しつつ、移動体にも対応するグローバルシャッター機能を搭載。さらに、機器の傾きで生じる撮影したい画像情報の欠落を最小化できる縦横比1:1の画角を採用。これにより、イメージセンサから取得した情報を元に、自己位置推定と環境地図作成を同時に行うSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)や障害物検知を使用する、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、ドローン、自律走行ロボットなど、複数のイメージセンサの搭載が想定される機器での活用が容易になるとしている。

フォーカルプレーン歪みが無い、IMX418の同時露光撮影動画

なお、同製品は2018年10月からのサンプル出荷を予定しており、サンプル価格はチップが1500円(税別)、CSPが2000円(同)となっている。