Microsoftは2018年3月7日(米国時間)、「What’s new for the Command Line in Windows 10 version 1803|Windows Command Line Tools For Developers」において、春に公開されると見られている次のWindows 10アップデート(通称: Windows 10 Spring Creators Update)で導入が見込まれている新機能のうち、コマンドラインに関するまとめを公開した。
紹介されている主な新機能は次のとおり。
WSL (Windows Subsystem for Linux)
- Microsoftストアに新たなLinuxディストリビューションが登場(Kali Linux、Debian GNU/Linux)
- WSL環境起動時の処理を指定するための設定ファイル/etc/wsl.confファイル導入
- コンソールウィンドウを閉じていても機能するバックグラウンドタスクの導入
- WindowsとWSLの間でパスのやり取りするwslpath環境変数の導入
- ファイルシステムサポートの改善(パーミッションデータハンドリングの向上、FIFOファイルのサポート、UNIXソケットファイルのサポート、デバイスファイルのサポート、ディレクトリ単位での大文字小文字ハンドリング機能の導入)
- VS CodeにWSL環境で動作するNoteJSプロジェクトのデバッグ機能導入
- UNIXソケットのサポート追加(WindowsとWSL間で通信可能)
Hyper-V
- セッションモードの拡張。RDPプロトコル経由によるWindowsゲストの操作と同様に、Linuxゲストの操作を実現
- 簡単にゲストの作成が可能なQuick Createの導入
CLIツール
- OpenSSHクライアントおよびキーエージェントをデフォルトで有効化。OpenSSHサーバはオプション機能となり、必要に応じて有効化して利用可能(WindowsにおけるネイティブOpenSSHサポートはこれまでもっとも要望の多かった機能の1つ)
- tarコマンドおようびcurlコマンドの導入
UWPコンソールアプリケーション
- UWP (Universal Windows Platform)におけるコンソールアプリケーションのサポート。開発したコンソールアプリケーションはMicrosoftストアに登録可能(Windows 10ではコンソールアプリケーションの開発は可能だが、UWPではこれまでコンソールアプリケーションの開発はサポートされていなかった)
MicrosoftはWSLの開発に取り組み出したあたりから、コンソール関連機能の開発に積極的に取り組んでいる。Windowsのコンソール関連の機能はUNIX系のオペレーティングシステムに比べると弱い部分があった。次のアップグレードで機能が強化されるものと見られる。