凸版印刷は、半導体用フォトマスクの製造を手掛ける米Toppan Photomasks (TPI)の生産子会社である上海凸版光掩模(TPCS)の建屋内に、最先端フォトマスクの量産に対応した設備投資を行い、2018年秋までに新設備の導入を実施すると発表した。2018年4月から生産を開始する予定だという。

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    上海凸版光掩模の外観

半導体市場は、スマートフォンなどの情報端末やIoT機器の高機能化、小型化などにより需要の拡大が続いており、その規模は2018年に約50兆円と推測されている。なかでも中国では多くの半導体メーカーが生産拠点の敷設を進めており、先端フォトマスクの旺盛な需要が見込まれるとともに、現地生産による安定した供給体制が求められている。

凸版印刷は、1995年にTPCSでの生産を開始し、2015年には90nmに対応したフォトマスクの生産設備を導入し、中国市場において高いシェアを占めてきた。同社は今回、TPCSに最先端フォトマスクの生産設備を導入することで、従来品から最先端品、さらに短納期対応が求められる保護膜(ペリクル)の貼り替えまでの一貫生産が可能となる。

今回の生産体制強化により同社は、中国での最先端フォトマスクの生産を強化するとしており、日本・台湾の生産拠点と総力を結集し、アジア市場で2020年に約450億円の売り上げを目指すとしている。

また、凸版印刷は今後も10nm以降の次世代フォトマスクの製造のほか、7nm世代からの採用が見込まれるEUVマスクなど最先端品の開発を続け、世界的に好況な半導体市場での競争優位性を維持していくとのことだ。