説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『電話番号なしでも携帯電話としてやっていけますか?』という質問に答えます。

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「電話番号なしでも」の意味がわかりませんが、それはデータ通信専用SIMでiPhoneを運用するという意味でしょうか? それとも、通信をWi-Fiだけで行うという意味でしょうか? いずれにせよ、電話番号なしでiPhoneを使い続けるには、それなりの工夫と覚悟が必要です。通信費用は節約できますが、便利さとのトレードオフであることは確かですよ。

音声通話については、IP電話アプリ(例:050 Plus、SMARTalk)を導入すると、050から始まる電話番号を割り当てることが可能です。ただし、バックグラウンド動作させておかねばならずバッテリー消費量が増えるうえ、無料ではないため、音声通話契約ありのSIMと比べたメリットは小さくなります。

無料でやり繰りしたければ、FaceTimeオーディオを使う手があります。相手はiPhoneユーザ (iOS 7以降)に限られますが、家族や親しい友人がiPhoneユーザばかりであれば、それほど困らないかもしれません。通話品質も高く、待ち受け時のバッテリー消費量が増えないこともポイントです。

iPhoneかAndroidかを問わず多くのユーザに利用されている『LINE』の音声通話機能は、利用できるものの多少苦労します。LINEの認証方式には『Facebook認証』と『SMS認証』があり、データ通信専用SIMの場合前者の方法を利用しているはずです。音声通話機能の利用にはSMS認証が必要となるため、データ通信専用SIMでは通知を受けることができません。「電話接続による認証」などの回避策もあるため(ここでは触れません)、調べてみるといいでしょう。

ただし、電話番号(またはオプションのSMS契約)がないと、119番などに緊急通報できません。この点は、かなりのマイナスポイントではないでしょうか。SMSを使えない点も弱みです。いまだフィーチャーフォンとの連絡にはSMSを利用することが多く、この点では不便を強いられます。

データ通信専用SIMは緊急通報できないという注意点があるものの、FaceTimeオーディオを使うなど工夫すれば携帯電話風に活用できます