説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「天気予報の背景画像が静止画になっています!?」という質問に答えます。

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iOS 8に標準装備の天気情報を表示するアプリ「天気」は、表示した時点の天気をアニメーションとして表示します。晴れのときでも薄い雲が流れるアニメーションが表示され、空の動きが感じられます。曇りに近づくにつれて雲が増え、雨のときには雨粒が降るようすがわかります。雷雨など荒天のときにも、それとわかるようなアニメーションが取り入れられており、眺めるだけでも楽しいアプリとなっています。

そのアニメーションは、ある設定を変更すると停止され、単なる静止画になってしまいます。それ以降は流れる雲もなければ降りしきる雨粒も、ときどき流れ星が見える晴天時の夜空も、動きがなくなります。

その設定とは「視差効果」です。「設定」→「一般」→「アクセシビリティ」の順に画面を開き、「視差効果を減らす」ボタンをタップすると現れるスイッチをオン(緑色)にすると、iOS 8のさまざまな部分に利用されているアニメーションが無効化されます。「天気」アプリも、その設定に従っているというわけです。

「視差効果を減らす」スイッチをオンにすると、アプリを閉じたときに画面が奥へ向かって小さくなるアニメーションが表示されなくなり、iPhoneを持つ角度に応じてホーム画面のアイコンが微妙に動く表示効果もなくなります。いわゆる"アニメーションに酔う"ことを防止するための機能で、わずかですが数世代前の機種は操作レスポンスが改善されます。

本来、視差効果スイッチはホーム画面やアプリの開閉といったiOS全体に関わる部分に影響するのでしょうが、純正アプリのためか「天気」にもその設定が反映されます。アニメーションが表示されない場合には、視差効果スイッチがオフ(白色)になっているかどうか確認しましょう。

雨天時の雨粒のようすなど、「天気」のアニメーションは視差効果スイッチのオン/オフにより決定されます