説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『「iCloudフォトライブラリ」と「Googleフォト」のどちらがいいですか?』という質問に答えます。

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「iCloudフォトライブラリ」はApple、「Googleフォト」はGoogleが提供するサービスですから、iPhoneで利用することのみ考えれば、使い勝手のよさでは前者に軍配が挙がりそうです。その点はサービスを選ぶときの重要な指標となるでしょうが、ここでは「ストレージ容量と料金の関係」、そして「写真の品質」という2点に絞り考えてみましょう。

まず、ストレージ容量と料金の関係という観点ではGoogleフォトが有利です。Googleアカウントを持つユーザであれば、誰でも無料で容量の制限なく写真をクラウドに保存できます。一方のiCloudフォトライブラリは、iCloudストレージを利用しますから、Apple IDを持つ全ユーザに無償で与えられる5GBを超えるぶんについては有料で、20GBが100円/月(最大1TBで2400円/月)かかります。とにかく無償で枚数を気にせず写真をクラウドに保存したい、というユーザにとってはGoogleフォトは格好の存在です。

写真の品質という要素をくわえると事情は変わってきます。iCloudフォトライブラリは、すべての写真/ビデオを撮影したままの品質でクラウドに保存する(劣化なし)仕様ですが、Googleフォトには「高画質」と「元のサイズ」という2つのプランがあり、前者を選択すると1600万画素以上の写真およびフルHD以上の動画は縮小され、後者を選択すると劣化なしとなります。1600万画素超という高解像度写真の保存が目的であれば、Googleフォトを選ぶ必要性は低下します。

とはいえ、iPhone 6で撮影する写真の解像度は、横3264×縦2448の約800万画素です。Googleフォトの高画質モードで賄えてしまう解像度ですから、品質低下を気にする必要はありません。バックアップの容易さなど使い勝手のことを考慮に入れず、iPhoneで撮影した写真のことだけを考えるのであれば、Googleフォトが有利といえるでしょう。

Google I/O 2015でリニューアルが発表された「Googleフォト」は、iPhoneで撮影した写真を容量制限なしに無償で保存できるようになりました