見えてくるマイクロソフトのターゲット

また、マイクロソフトは、アンドロイドのアプリをWindows 10 Mobileで簡単に動かす「Project Astria」を発表している。これによれば、Windows 10 Mobileは、アンドロイド同等の実行環境を持ち、既存のアンドロイドの配布用パッケージであるAPKをそのまま、Windowsストアのパッケージ形式であるAPPXに変換して配布できるようになるという。マイクロソフトの現在のターゲットはアンドロイドなのである。

マイクロソフトのProject Astoria。Windowsストアのパッケージ形式の中にアンドロイドの配布形式であるAPKを入れてしまう。また、Windows 10 Mobileには、アンドロイドアプリを動かすための"Project ASTORIA"サブシステムが入る(Buildセッション資料より)

マイクロソフトは、5月のBuildでASTORIAのメリットとして、アンドロイドアプリをWindows 10 Mobile環境で実行するため、テキストコピーコマンドが選択範囲のすぐそばに出ることを示していた

Windows Phone 8.1のタイミングでは、Windows Phoneに適合したハードウェアであれば、アンドロイド向けに製造したハードウェアでもWindows Phoneを動かすことを可能にしている。Windows 10でも同様で、メーカーは同じハードウェアにアンドロイドを乗せるか、Windows 10を乗せるかを選択できる。こうしたことを考えると、Android "M"がWindows 10対抗のための「隠し球」的な機能を持っていても不思議ではない。

前述のテキストのコピーがフローティングメニューになるというAndroid "M"の改良点も、実は4月のBuildでマイクロソフトがAstoriaのメリット(Windows 10 Mobileで動作させることで使い勝手が改善するという例)として提示していたものと同じだ。