NTTドコモが9月30日に発表した最新スマートフォン「ARROWS NX F-02G」(富士通製)は、ドコモスマートフォン初の超高精細WQHDディスプレイ(画素密度564ppi)を搭載したスマートフォン。2070万画素カメラを搭載するほか、超高速通信、ハイレゾ音源の再生、フルセグの受信などに対応。3日を超える電池の持ちを実現、スマホ史上最高峰の文字入力をうたう「ATOK」を標準搭載するなど、現行のAndroidスマホでも最高水準のスペックを盛り込んでいる。本稿で、端末の概要とファーストインプレッションを紹介しよう。

ドコモ初のWQHDディスプレイを搭載するなど、現行スマホで最高水準のスペックを搭載したARROWS NX F-02G

まずは外観と仕様をチェック!!

ARROWS NX F-02Gのデザイン上の特徴は、八角形の「オクタゴンフォルム」。外観から既に強い個性を放っている。側面は強度に優れたアルミニウム製の「メタルエッジフレーム」、背面には本物のダイヤモンド粒子を加えた「ハイパーダイヤモンドタフコート」を、ディスプレイには耐傷性に優れた「Corning Gorilla Glass 3」を採用。これにより、耐傷性と耐久性を実現した。加えてIPX5/ 8等級の防水、IP5X等級の防塵にも対応している。

正面から見ると八角形の「オクタゴンフォルム」を採用。端末のサイズは約145×74×9.5mm、重さは約168g。カラーバリエーションはBlack、White、Orangeの3色で展開する

背面と側面の様子。耐衝撃性に優れた素材を使用している

ディスプレイには5.2インチのIPS液晶を採用。広視野角のため、どの角度から見ても鮮明で美しい映像が楽しめる。また「Super Clear Panel」「スーパークリアモード」といった技術により、屋外でも画面が見やすいのもポイントだ。

ディスプレイの上面と下面の様子

屋外でも画面が見やすい。蛍光灯や日光の下などで色合いを自動調整する「インテリカラー」機能なども搭載している

世界最高峰の美しさ、WQHDディスプレイ

WQHDディスプレイの解像度は1440×2560ピクセル、画素密度は564ppi。WQHDとはワイドクアッドHDの略で、分かりやすく言えば「HD端末4台分の解像度を1台に凝縮したほどの超高解像度」と表現できる。ちなみにiPhoneのRetina HDディスプレイの解像度は、4.7インチの「iPhone 6」が1,334×750ピクセル(画素密度326ppi)、5.5インチの「iPhone 6 Plus」が1,920×1,080ピクセル(画素密度401ppi)。隣に並べて比較すれば、画面の美しさの違いが明らかになることだろう。

WQHDディスプレイの解像度は1440×2560ピクセル

画素密度は564ppi。極めて細やかななディスプレイ表示

WQHDディスプレイでは、高画質な映像コンテンツを楽しみたい。最近では高画質なコンテンツを配信している動画配信サービスが増えてきた。身近なところでは、実はYouTubeもWQHDに対応している。もちろん、本端末に搭載されている約2070万画素のカメラで撮影した画像を楽しむ際にも、WQHDディスプレイの美しさが発揮されるだろう。筆者がWQHDディスプレイに抱いた印象については、本稿の最後で述べたい。

端末背面には、約2070万画素のメインカメラを備える(写真左)。WQHDディスプレイで高画質な映像コンテンツを思う存分に楽しみたい(写真右)

満足度No.1の秘密は文字入力にあり?

「2014年度 オリコン顧客満足度ランキング」の携帯メーカーにおいて、富士通は総合1位を獲得している。富士通の端末の魅力は、どこにあるのだろうか。例えば富士通の提供する「ヒューマンセントリックエンジン」によるユーザビリティの高さ、そして「Super ATOK ULTIAS」による文字入力の正確さなどは、富士通のARROWSシリーズならではの特長と言えるだろう。

実際に、本端末で文字入力を試してみた。Super ATOK ULTIASでは、文脈を読み取って正しく漢字変換できるのが特長。「にわにはにわにわとりが」と打ったところ、変換候補に正しい文章が表示された。「配付」「配布」など、意味の紛らわしい単語を文字変換する際は辞書を参照できる。コピー/ 切り取り/ すべて選択/ 元に戻す、などの編集作業もしやすい。

「Super ATOK ULTIAS」の利用イメージ。文脈を読み取って正しく変換する(写真左)。同音異義語の意味を調べることも可能(写真中)。文章の編集もしやすい(写真右)

ひらがなで「れすとらん」のような英単語を入力すると、変換候補に英語の綴りが表示される。綴りが分からない際に便利に使えるだろう。また「しんとみちょう」を変換したところ、同じ町名をもつ全国の住所が変換候補に挙がった。

レストランも「restaurant」と正確な綴りで入力できる(写真左)。町名を打つと、同じ町名をもつ全国の住所が変換候補に挙がった(写真中、右)

最近は、仕事にスマートフォンを利用する人が珍しくなくなった。例えばビジネスの文書を作成したり、取引先の相手へメールを送信したりといった用途で、スマートフォンが日常的に仕事で使われるようになっている。ビジネスシーンでは、正しく美しい日本語を使いたいもの。Super ATOK ULTIASは、こうした人たちに最適な日本語IMEと言えるだろう。

通信速度は3倍に、電池持ちは3日以上に

本端末はNTTドコモの超高速データ通信「Xi」に対応しており、800MHz/ 1.5GHz/ 1.7GHz/ 2.0GHzの4つの周波数を使った「クアッドバンドLTE」が利用できる。さらには、サーバーへのリクエスト数を増加させたWi-Fiと、3G/LTEのネットワークを同時に使うことで従来比にして約3倍のダウンロード速度を利用できるようになっている。また、Wi-Fi使用時に通信が遅くなった際には、3G/LTEを追加して補う「マルチコネクション」が利用可能。これにより、ネットワークの安定性が増している。

内蔵バッテリーは3,500mAhと大容量。省電力機能を利用すれば、3日を超える電池持ちが実現するとのことだ。フルセグ、ネット動画、ゲームといったバッテリー消費の激しいエンタメコンテンツも、電池の残量を気にすることなく楽しめるのが嬉しい。

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本稿では、ARROWS NX F-02Gの特長をかいつまんで紹介した。このほかにもスマート指紋センサー、ハイレゾ音源の再生、4K動画の視聴、DLNA連携、カーナビ連携、VoLTE、ライフログの管理など様々な機能が利用できる。ARROWS NX F-02Gは、現行のスマートフォンで実現できる最高水準の機能を、全て詰め込んでいると言っても過言ではないだろう。

個人的には、その中でもWQHDディスプレイの解像度の高さに強烈な印象を受けた。ARROWS NX F-02Gにプリインストールされている、写真家が旅先で撮影したタイムラプス映像「旅する鈴木」を視聴してみたが、アルゼンチンの高山を流れる雲、ボリビアの夜景、エチオピアの火山、サハラ砂漠の夜空を彩る星空、といった被写体の臨場感を存分に味わうことができた(被写体が立体的で、まるで映像が浮き上がっているかのような錯覚覚えた)。 このほかにも、WQHDディスプレイにはWebサイトの小さな字が潰れずに読める、情報量が多いのでブラウジングが快適になる、などのメリットがある。一度、この超高画質を体験してしまうと、フルHD画質では物足りなさを感じてしまうほどだ。このWQHDディスプレイの美しさを、多くの方に体感してほしいと思う。