ハイホーは、同社が提供するモバイル通信サービス「hi-ho LTE typeDシリーズ」にて、4月14日より音声通話対応SIMカードを提供開始することを明らかにした。同サービスでは、これまでデータ通信専用SIMカードとSMS機能対応SIMカードが提供されていたが、今回提供される音声通話対応SIMカードを利用することで、対応するスマートフォンで"090・080・070"番号を使った通話が可能になる。本稿では、この注目の新サービスの内容について考えていきたい。

「hi-ho LTE typeDシリーズ」で音声通話が利用可能に

hi-ho LTE typeDシリーズは、いわゆる"格安SIM"と呼ばれるMVNO方式のモバイル通信サービス。NTTドコモのXi(クロッシィ)・FOMA網に対応し、下り最大150Mbps/上り最大50Mbpsの高速通信を利用することができる。同サービスの各契約コースでは、それぞれ高速通信を利用できるデータ通信量がバンドルチャージで標準付与され、たとえば、月額933円(税抜)の「hi-ho LTE typeD ミニマムスタート」コースでは、月間1GBのバンドルチャージを利用可能。なお、バンドルチャージ非適用時の通信速度は最大200kbps。

今回提供される音声通話対応SIMカードは、hi-ho LTE typeDシリーズの各契約コースで利用できるもので、音声通話サービスの月額基本料はSIMカード1枚につき1,000円(税抜)。通話料金は20円/30秒(税抜)となる。また、SMSの国内送信料は1通3円(税抜)。なお、最低利用期間は12カ月となっており、中途解約には利用残月に応じた解約手数料が必要となる。

さらに、同サービスでは、2014年5月中旬頃より、他社からのMNP(携帯電話番号ポータビリティ)転入にも対応する予定。これにより、主要3キャリアのスマートフォンなどから電話番号を引き継いで乗り換えることが可能になる。また、会員専用ページで通話履歴明細を確認できるようにするなど、順次サービス内容を拡充していく予定だ。

格安SIMサービスでは音声通話対応がトレンドに

主要3キャリアのスマートフォンの利用料金が各社横並びとなり、高止まりとなる中、注目を集めているのが、hi-ho LTE typeDシリーズをはじめとするMVNO方式のモバイル通信サービスだ。様々な事業者がサービスを展開しており、これまではデータ通信専用SIMカードが中心となっていたが、ここへ来て音声通話への対応がトレンドとなっている。

4月8日には、ビッグローブが記者説明会を開催。同社のMVNOサービス「BIGLOBE LTE・3G」にて、7月より音声通話サービスを提供することを発表したばかりだ。音声通話サービスの月額基本料など詳細は未定。そのビッグローブよりも約3カ月早く、音声通話対応SIMカードを提供開始するのがhi-ho LTE typeDシリーズだ。

hi-ho LTE typeDシリーズの音声通話対応SIMカードでは、"090・080・070"番号を利用した通話の発信と受信が可能。従来のデータ通信専用SIMカードでも、050IP電話アプリや無料通話アプリを使えば通話が可能だったが、これらの通話がパケット通信を利用するのに対し、音声通話対応SIMカードでは電話回線を利用して、安定した音声品質で通話することができる。また、警察や消防などの緊急通話も利用可能になる。

また、先述の通り、MNP転入に対応することで、キャリアのスマートフォンからの乗り換えも可能となる。これまで、MVNOサービスのSIMカードは、フィーチャーフォンとの2台持ちでスマートフォンを利用する場合など、用途が限られていた。しかし、音声通話対応SIMであれば、SIMフリースマートフォンなど対応端末と一緒に使うことで、キャリアのスマートフォンとほぼ同様に利用できるため、今後は通信費の節約を目的として、キャリアからMVNOサービスへ乗り換える動きが加速しそうだ。

hi-ho LTE typeDでは、4月よりバンドルチャージが増量

hi-ho LTE typeDシリーズのおもな契約コースのラインナップは、月額933円・SIMカード1枚の「hi-ho LTE typeD ミニマムスタート」、月額1,409円・SIMカード3枚の「hi-ho LTE typeD アソート」、月額2,838円・SIMカード3枚の「hi-ho LTE typeD ファミリーシェア」(料金はすべて税抜)。

各コースで高速通信を利用できるバンドルチャージのデータ通信量は、4月1日より増量されており、hi-ho LTE typeD ミニマムスタートとhi-ho LTE typeD アソートでは月間500MBから1GBに、hi-ho LTE typeD ファミリーシェアでは月間2GBから3GBにそれぞれアップしている。

音声通話対応SIMカードを利用したときのデータ通信と音声通話サービスを合計した月額利用料金(別途、通話料)は、hi-ho LTE typeD ミニマムスタートでは1,933円。また、hi-ho LTE typeD アソートでは、音声通話対応SIMカード1枚を含む合計3枚のSIMカードを月額2,409円で利用でき、スマートフォンやタブレットなど複数端末に装着して通信可能だ。

キャリアのスマートフォンでは月額利用料金が6,000円以上となっているのに対し、hi-ho LTE typeDシリーズの音声通話対応SIMカードがいかにリーズナブルかおわかりいただけるだろう。なお、高速通信を利用するためのバンドルチャージは100MB/350円(税抜)で追加購入することが可能。また、バンドルチャージ非適用時でも通信速度は最大200kbpsとなっているため、メールやSNS、LINEなどのチャットアプリであれば、問題なく利用できるだろう。

また、hi-ho LTE typeDシリーズでは、Googleの7インチタブレット「Nexus 7」や、ASUSの10インチタブレット「MeMO Pad FHD10」といった端末とSIMカードのセットコースも提供されており人気を集めている。音声通話対応SIMカードが提供されることで、今後はスマートフォンとのセットコースが登場するかどうかにも注目だ。

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ハイホーのMVNOサービス「hi-ho LTE typeDシリーズ」にて、4月14日より音声通話対応SIMカードの提供が開始される。5月中旬からは他キャリアからのMNP転入にも対応する予定で、今後はキャリアのスマートフォンからMVNOサービスへの乗り換えが本格的に始まりそうだ。毎月の通信費を節約したいと考えている人は、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。