欧州で市場拡大が見込まれるテレマティックス分野

また、セーフティ&コンフォートの分野については「今後、最も売上高が伸長することが見込まれる市場」(同)としている。特にテレマティックス分野は伸びが高く、2007年から2012年までのCAGRで12%の成長が見込まれている。

テレマティックスは、GPSを用いた現在位置情報サービスと双方向の無線通信機能を組み合わせることで、さまざまなサービスを自動車などに提供するシステム。欧州では同分野を拡大させる2つの取り組みが始まっており、同社でもそれに対応するソリューション「ATOP(Automotive Telematique Onboard unit Platform)」の開発を進めている。

2つの取り組みのうち、1つは"eコール"(緊急時自動通報システム)を2011年以降の新車に搭載する法案が可決したこと。ここで言うeコールとは、エアバッグが始動した際に、GPSで位置を把握、自動的に関連機関に通報するというシステム。これにより、事故時の速やかな救急活動などが可能になる。欧州全域が対象となっており、「数百万台が対象となる巨大な市場。これを黙って見逃すつもりはない」(同)と、その意気込みを語る。

テレマティックスの応用分野

また、もう1つは"通行料金収受システム"の実用化にめどがついたことである。これはオランダが提唱しているもので、これまで自動車を保有するだけで発生していた道路税や、高速道路料金などの支払いのあり方を見直すもの。オランダでも渋滞の発生が問題視されており、それを解決する手段として、政府では、自動車にGPSや通信機能を内蔵したオンボードユニットを搭載することで、どこをいつ走ったかを記録、渋滞の少ない道路や時間帯の違いにより、税金のかかる額を変化させるという取り組みを2009年より試験的に開始、11年から国内のすべての自動車を対象にした本格運用を開始することを計画している。

テレマティックスによる通行料金収受システム

ATOPのチップ外観(チップサイズは30mm×25mm)

日本地域は市場シェア6位を目標に

NXPセミコンダクターズジャパン オートモーティブ事業部 事業部長 濱田裕之氏

一方、日本市場に対しては、2007年の市場シェアは前年の8位から7位に上昇。「市場の伸びと製品の伸びが顕著に現れた」(NXPセミコンダクターズジャパン オートモーティブ事業部 事業部長 濱田裕之氏)としており、「今後も(自動車事業の)売り上げの60%を占めるインフォテインメント分野を中心に事業を進める」という。

インフォテインメント分野では、単にデジタルラジオへの対応を進めるのではなく、「国内機器メーカーが海外の新興市場などで求められるローエンドのラジオ製品を簡単に開発できるソリューションなどにも注力していく」(同)とした。

また、CAN/LIN製品が中心となるINV(In Vehicle Network)分野については、CANで速度が足りない部分にFlexRayを適用しようという取り組みが自動車メーカーなどで進められていることに対し、「CAN、LIN、FlexRayを1チップにしたSBC(System Base Chip)コンセプトの実用化に向け関連メーカーと話し合いを進めている」としており、こうした取り組みのほか、前述のテレマティックス向け製品やマルチメディア関連製品を強化していくことで、2年以内には「市場シェアで6番手以内に入りたい」(同)とした。

日本市場における車載半導体事業の取り組み