5つの特徴のうち、CTP2月版に新機能として追加されたコンプライアンスの実現、大規模データウェアハウスの実現、全社員向けのBI基盤の提供という3項目については、各機能のデモンストレーションが行われた。

コンプライアンスの実現に対応する新機能は、データ操作の監査機能だ。これは従来ツールを駆使しなければ実現できなかったデータ操作監査を、設定からレポート出力までを一気通貫で簡単に利用できるようにする機能となっている。「監査」オブジェクトを作成して「監査の仕様」を設定することで利用できる機能だが、設定はプルダウンメニューなどを利用して行えるため、簡単に利用できるのが特徴だ。サーバ単位、データベース単位でさまざまな行為のログを取得し、監査を行うことができる。特に、データベース利用時のselect処理なども監査できるのが特徴だ。取得したログの表示もツール内で対応している。

取得されたデータ操作監査のログ

大規模データウェアハウスを実現する機能としては、新機能としてデータ圧縮機能が追加されたほか、データパーティション機能も強化された。

データパーティションの作成は従来から可能だったが、その設定をウィザード化することで敷居を低くしたのが特徴だ。実際には指定したパーティション分割を行いたいデータウェハウスを指定し、分割の基準とするカラムとバウンダリを指定する。指定できるカラム名やレンジは自動的に表示され、ユーザーは画面上でチェックボックスやプルダウンメニューから選択するだけでよい。さらに、実際の分割前に分割後の容量なども表示されるため、結果を確認しながら作業を行うことができる。

パーティションウィザード。左はカラムの指定画面。ウィザードでは分割後の容量なども表示される(右)

データ圧縮では、一般的な行(ROW)圧縮に加えて、ページ(PAGE)圧縮機能が提供されるのが特徴となっている。斉藤氏は「データ圧縮はディスクI/Oのボトルネックを解消するための機能だが、CPUに負荷がかかる。一般的に、CPUには余裕があるがディスクI/Oがボトルネックになっているというケースが多く、その場合には非常に有効な手段。この両者はトレードオフであるため状況に応じて選ぶ必要がある」とした上で、「一般的に、CPUには余裕があるがディスクI/Oがボトルネックになっているというケースが多く、その場合には非常に有効な手段」とそのメリットをアピールした。

ページ圧縮は、カラム単位でデータ圧縮を行う行圧縮に対して、ページ単位での圧縮を行う手法だ。行をまたいで重複しているデータをヘッダとして抽出することで大幅なデータ圧縮を実現する。これはたとえば「20070601」「20070602」と冒頭部が重複するデータがあった場合に、「2007060」を「[1]」としてヘッダに抽出することで「[1]1」と「[1]2」という形に圧縮する方法だ。さらに、残った文字列や別項目に対しても重複している部分をヘッダとして出力することで、より高い圧縮率を実現することもできる。その効果について斉藤氏は「対象とするデータによって圧縮率は変わってくるが、一般的なデータを対象として行っているテストでは最大で7倍程度という結果が出ている」と語った。

ページ圧縮のしくみ

行圧縮とページ圧縮の選択