中核となるビデオ編集機能をチェック

CS3 Production Premiumは、基本的に機能、操作性共にWindows版とMac版共通となっている。今回はせっかく新しいラインナップとしてリリースされたのでMac版でのビデオ制作環境を中心に見ていくことにしよう。

映像製作環境の要というとなんと言っても編集ソフトである。編集ソフトで生産性の善し悪しが決定すると言っても過言ではない。そして、Intel Mac対応版としてリリースされたAdobe Premiere Proは完璧に移植されていると言ってもいいだろう。Adobe Premiere Proというと非常にスムースなリアルタイムプリビューによる編集が特徴だが、Mac版でもその特徴はしっかり継承されている。入れ子になっている複雑なプロジェクトであっても、オーディオのレンダリングを行うことなくリアルタイムプリビューを行うことができ、2GHzのIntel Core Duo(メモリ 2GB)搭載という初期のIntel iMacでもストレスなく使用することができた。編集機能もクリップを選択してイン点とアウト点を設定した後、タイムライン上の必要な部分にドラッグ&ドロップする非常に一般的な仕様なので、他の編集ソフトを体験したことのある方なら違和感なく活用することができるだろう。

高品位な映像作品を製作する上で欠かすことのできない色補正も「クイックカラー補正」エフェクトによって、それほど経験のないユーザでも簡単に行うことができる。また、より高度な色補正を可能にするエフェクトを初めとして、多彩な映像表現を実現できる高機能なエフェクトやトランジションが満載である。

あたかもPhotoshopで色補正を行うような感覚で、手軽に素材のカラーに関するさまざまな補正をリアルタイムに行うことができる

タイトルやテロップなどは日本語に完全対応したタイトルツールで設定することができ、文字を変形させたり影を付けたり、背景を付けるなど多彩な設定が可能だ

新機能のエフェクト、タイムリマップは、スローや早送りを行う際、クリップ自身の再生速度を変化させるのではなく、再生速度をエフェクト上で指定することができる。この際キーフレームを使用することができるので、1つのクリップ上で速度を自在に変化することが可能だ。逆回転や停止も画質を落とすことなく実現できるので、ダイナミックな作品作りを実現できる機能と言えよう。

タイムリマッピングではキーフレームを設定することによって、「通常速度→高速の逆回転→スロー再生」というように再生スピードをダイナミックに変化させられれる

完成したムービーをすぐに確認用にDVDに焼いてクライアントへ発送、というような場合は多いが、Premiere Proではプロジェクトから直接Encoreを呼び出してDVDをライティングでき、メニューなしのDVDも選択することができる

さらに他のアプリケーションとの連携も強化されている。Premiere ProからFlashのFLVファイルを書き出したり、After Effectsのコンポジションを直接Premiere Proにリンクしたり、完成したPremiere Proのプロジェクトを直接Encoreに送ってDVDを製作する等、さまざまな連携がおこなえる。