フリースケールのマルチコア戦略とマルチコアDSPの応用例

続いて演壇に上がったのは、同社のネットワークグループジェネラルマネージャーである伊南恒志氏だ。同氏はまず、フリースケールのマルチコア戦略を紹介した。マルチコア戦略に関してはまた別の記事で紹介するが、このセッションではマルチコアで困難さを増すソフトウェア開発について、やや詳細な説明があった。

写真10 ネットワークグループジェネラルマネージャー、伊南恒志氏。開発用ボードを手にしている

写真11 バーチャテック社と共同でマルチコア製品用の開発環境を提供。PC上にシミュレーション環境を構築することで、ボード開発と平行してソフト開発が可能になり、開発期間の短縮を実現するという

写真12 マルチコア開発環境の実演も行われた

さらに、マルチコアの応用例としてArrayComが製品化しているWiMAX基地局のマルチアンテナ信号処理が紹介された。ArrayComのマルチアンテナ製品は、信号処理にフリースケールのマルチコアDSP「StarCore DSP」を、また制御用にPowerQUICCを使用しているという。

写真13 WiMAX基地局のマルチアンテナ製品 - 信号処理にStarCore DSPを、制御用にPowerQUICCを使用しているという

ArrayComの日本支社からゲストスピーカとして同社支社長である松本洋一氏が招かれ、同社が取り組むワイヤレス技術を紹介。マルチコア並列処理が向上することで、さらなる高効率のワイヤレス製品の開発が可能になると述べていた。

写真14 ゲストスピーカーとして招かれたArrayCom日本支社長の松本洋一氏

写真15 ArrayComはフリースケールと共同でマルチアンテナ技術を開発 - マルチコア並列処理のパフォーマンスが向上することで、より高い効率のワイヤレス製品が可能になると述べていた