頑張れない人の特徴と原因。頑張れないときの対処法とは
頑張りたいけど、頑張れない。そう思うことってありますよね。自分に対する甘えなのでしょうか? 仕事をしたくないだけ? そんな状態を打開する方法をライターの仁科友里さんに教えてもらいます。
社会人のみなさんは「もう少し、仕事ができるようになりたい」といった具合に、「頑張りたい」気持ちを持つことがあるかもしれません。
しかし、なんだか力が出ないなど「頑張れない」状態になることもあるでしょう。
そういうときはどうしたらいいのか、今日は考えてみましょう。
頑張れない人の特徴
まずは頑張れないと感じる人の特徴について見ていきましょう。
(1)目標を高く設定する
特に自己評価が高い人が陥りがちですが、目標設定を高くしていることがあります。
初めからどんなに頑張っても達成が難しそうな目標を立てると、そこに至るまでに疲れてしまいますし、達成できない自分を責めてますます頑張れないと感じてしまうでしょう。
(2)ネガティブ
何をするにも「できないかも」と思ってしまう、ネガティブな人も頑張れなくなる可能性が高いでしょう。
ポジティブな人は何かにチャレンジして達成できなければ、違う目標を立てたり、達成するにはどうすればいいかを考えたりする傾向にあります。
一方、ネガティブな人はできなかったという気持ちだけを引きずって次の一歩がなかなか踏み出せない人が多いです。
(3)飽きっぽい
飽きっぽい人は目標を立てたとしても、達成しようという気持ちが長続きせず中途半端なままで終わってしまいがちです。
熱しやすく冷めやすいタイプが多いため、達成できなかった時は反省するものの、すぐ別のことに夢中になるでしょう。
なぜ? 頑張れない原因とは
元々飽きっぽい性格な人は別として、頑張りたいと思っているのにどうしても頑張れない。そんなとき、落ち込んでしまったり、自分を責めてしまったりするかもしれませんね。
なぜ頑張れないかというと、「もう十分頑張っているから」です。
会社員の場合、身支度をしたうえで通勤電車に揺られて会社に行き、そこで仕事をして帰る。人間関係にも気を使うでしょうし、定時で帰れればいいですが、残業しなくてはいけないときもあると思います。
つまり、物理的に相当疲れていて、頑張る余力は残っていなくて当たり前なのです。
にもかかわらず、「頑張ろう」と睡眠を削ったりすると、体力が低下するだけでなく、精神的な疲労を加速させます。翌日、仕事に集中できずミスをしてしまうかもしれません。
しかし、そうはいっても「頑張る」ことに挑戦しなければ、何も変わらないですよね。ですから、社会人になったら「頑張り方」を変えてみてはどうでしょうか。
頑張りたいのに頑張れないときの対処法
みなさんのこれまでの人生で頑張ったことのひとつに、受験や就活があるのではないでしょうか。受験も就活も塾など専門の業者がいて、彼らが作った参考書をひたすらマスターすることが求められたと思います。
とくに受験は高い点数を取った人が勝ちの競技です。100点を取った人と60点の人では、誰が見ても100点の勝ちです。
しかし、仕事の業績というのは、点数化できないものではないでしょうか? もちろん、きちんとした基準はあると思いますが、それでは同じくらいの業績を誇る2人の人がいて、昇進させるためにどちらかひとりを選ぶとなった場合どうなるでしょう。「好きなほう」を優遇してしまいがちなのが人情だと思うのです。
評価されるポイントを知ることが大事
ですから、社会人になったら、受験勉強のように「コツコツ、ひたすらやる」ことを努力だと思うのはやめましょう。
受験勉強の場合、誰が採点しても正答は同じです。しかし、仕事の場合、「誰が見るか」で評価は若干変わってくるわけです。となると、時間をかけてひたすら暗記するというように「頑張る」よりも、
① 誰が評価するのか
② その人が評価しているのは、どんな人か
③ 高く評価されている人は、どんなふうに仕事に取り組んでいるのか
というふうに、きちんと「目標設定」できるかがポイントになります。
ここを無視して、受験のように「ひたすら頑張る」方法を続けると、物理的に無理をしているうえに「やる気はあるけど、空回りしている」状態に陥ったり、「どうして私はできないんだ」と自分を卑下したりすることにつながってしまいます。
それでは、「目標設定」をするために、すべきことは何でしょうか。
頑張る目標設定をするための3step
目標設定をするためには、次の3つのStepを踏んでみてください。
【Step1】相手を観察する
まずは、相手を観察することです。仕事を評価するのは上司ですから、上司はどういう人なのか。
どういう人が好きで、反対にどういう人や事柄が嫌いなのか。たとえば仕事さえやってくれればなんでもいいという人もいれば、仕事は平均的でいいけれど、礼儀正しい人を評価したいという人もいるでしょう。
こういうときは、男女それぞれの先輩に上司のことを聞いてみましょう。男女では見ているところが違うと思いますから、参考になると思います。
そのとき、ネガティブな情報を聞いても、すぐに信じないで、ちゃんと自分で判断することを忘れないでくださいね。
【Step2】高く評価されている人をチェックする
次に、その上司が評価している人を見てみましょう。そして、自分と比べてどんなところが優れているのかを冷静に考えてみましょう。これは「今後の対策」を練るための比較ですから、客観的な事実、たとえば「仕事に取りかかる前に、不明点は上司にしっかり確認する」などをチェックしてください。
「私と違って、ミスをしない」というのは客観ではなく、主観です。
【Step3】先輩に相談する
さて、自分との違いに気づいたら、今度はその先輩に「仕事のやり方でわからないことがあるので、相談にのってほしい」と言ってみましょう。
先輩に断られたらどうしようと思うかもしれませんが、仕事のことで頼られて嬉しくない先輩はいませんし、今できるように見える先輩も不慣れだった時期や乗り越えてきた壁は必ずありますから、きっと時間を作ってくれるはず。
仕事帰りにお茶をするなど、先輩が時間を作ってくれることになったら、先輩に聞きたいことを一覧表にしてまとめておきましょう。聞き忘れを防ぐためです。
そして、先輩に質問に答えてもらったら、必ず翌日にお礼を言い、さらに必ず先輩に教わった方法で仕事をしてみて、その結果を報告しましょう。先輩に質問するというのは後輩として当然の権利ですが、「聞くだけ聞いてやらない」というのは、失礼です。
先輩のメソッドというのは、「うまくできている人の方法」ですから、あなたが頭を使うより、そっくり拝借したほうが効率がいいのです。そのうえで、自分のやりやすいように変えるのはOKです。
頑張れる自分になる方法
何度か書いているように、社会人になったら「ひたすら時間をかける」という努力はやめましょう。
人を頼って味方をつくる
その代わり、「他人に頼る」術を身に着けてください。他人を利用するようなやり方は嫌だと思う人もいるかもしれませんが、頼ることはみんなのメリットになりえます。
上司は部下を一人前に育成するのが仕事ですから、みなさんが仕事熱心なのは大歓迎です。先輩にしても、後輩ができるようになってくれれば、自分がラクできるというメリットがあります。
セクハラやパワハラがいけないという風潮が定着してきた影響で、若い人に声をかけることを恐れてしまう年配者が増えています。そんな中、みなさんから声をかければ、先輩や上司側も一気にやりやすくなるでしょう。
プラスして、人情として、自分と積極的にコミュニケーションしようとする人と、常にそっけない人のどちらを「助けてあげたい」「引き立ててあげたい」と思うかは、言うまでもありませんね。コミュニケーションは投資かつ保険だと思ってください。
目標をきっちり設定したうえで、味方を作る、他人を頼ることを頑張るリストに加えてみてください。
(仁科友里)
※画像はイメージです
※この記事は2019年11月18日に公開されたものです