つい嫉妬。「彼氏マウンティング女子」の特徴
現場の大庭スミです。巷で話題の女子の実態を探る本企画。
第2回は「彼氏マウンティング女子」について徹底的に掘り下げていきます。
「彼氏マウンティング」とは、相手の彼氏の学歴や職業などのいわゆるステータスを否定したり、逆に自分の彼氏のステータスを自慢したりして、ほかの女子より上位にいようとする行為のことです。みなさんも一度や二度、そのような女子の姿を目にしたことがあるのではないでしょうか?
しかしその行為は話題になりやすい一方で、なぜマウンティングをしてしまうのかについてはあまり分析されていない実情があります。そんな女子のリアルを踏まえて、「彼氏マウンティング」をされたこと・したことがある女性を取材し、彼女たちの実態やマウンティングせずに生きていけるメンタルの保ち方を考えていきたいと思います。
今回は、彼氏マウンティング現場の最前線にいる舞美さん(28歳・仮名)を取材することに成功しました。
――数年前から話題になっている「マウンティング女子」ですが、いつごろマウンティングというワードを知りましたか?
2~3年前に、犬山紙子さんの書籍『女は笑顔で殴りあう:マウンティング女子の実態』にまつわるネットのコラムを読んで知りました。
――犬山紙子さんが既婚or独身などのマウンティング要素になりやすいシチュエーションを掘り下げた書籍ですよね。出版されたのは2014年ですが、今はマウンティングのジャンルもだいぶ増えた印象があります。普遍的なのは“彼氏に関するマウンティング”だと思うのですが、舞美さんが遭遇した「彼氏マウンティング女子」のエピソードを教えてください。
友人に、彼氏ができたと伝えたときのことなんですけど、「彼氏はどんな人なの?」と聞かれたので職業を教えたんです。そしたら「その職業ってお給料低いよね」って言われました。彼女たちにとっては、お給料が低い=いい男じゃないという価値観のようで……。
「でも彼はやさしいし賢いんだよ」と伝えてみたりするんですけど、「中身なんて結婚したらいくらでも矯正できるじゃん! 舞美は甘いなぁ〜」と言われて、何も言い返せなかったです。今思い出しても悔しいですね。
――たしかに年収って数字として高い・低いがわかりやすく、昔からお見合いでもアピールポイントとして見られていた背景もあるので評価されやすいのかもしれないですね。ほかにどのような内容がマウンティングされやすいと思いますか?
年収に関連して、職業のマウンティングは多いですね。会社員であっても、大手企業に勤めているかどうかめちゃくちゃ見られています。相当重要なポイントなんですよ。人によっては、中小企業に勤めている男性とお付き合いしていると「その会社はダメでしょう! やっぱり大手勤めじゃないと」ってダメ出しされることもありますよ。めちゃくちゃ判定が厳しいです(笑)。
その分、意外と見た目はマウンティングされにくいと思います。人によって容姿の好みがちがうので。
――職業で判断するなんて、とてもシビアな視点ですね……。舞美さんのまわりで“彼氏マウンティング”をする女子ってどんな方ですか?
ん〜、実は彼氏が長年いない人が多いかも。男性に対する理想が高いというか、高すぎるんです! そのせいか元カレのステータス自慢が多いんですよね。
あと、そういう話がしやすい「女子会」が大好きとか。必然的に彼氏がいない女子同士でつるんで、悪口と愚痴で盛り上がってばかりになっちゃうんでしょうね。そんな中で誰かが「彼氏できた」と報告なんかしたら、「じゃあその彼氏、見極めてあげるわ」ってスタンスですよ(苦笑)。
それで見極めたとしても、基本的に褒めないです。「彼氏マウンティング女子」に、彼氏について褒められたことはほぼありません。
――彼氏がいない同士で女子会するのはあるあるですよね。多くの女子が経験したことがありそうです。ここだけの話、舞美さん自身が彼氏マウンティングをする側になったことはありますか?
ぶっちゃけ、あります。友だちから「彼氏できた」と報告があったとき、素直に「よかったね」ではなく「その人、仕事不安定じゃない? 大丈夫なの?」と彼氏の仕事についてマウンティングして、余計なお節介を言ってしまいました。そういうことを言いたくなるのって、自分に彼氏がいなくて精神的に満たされていないときなんです。ただうらやましいだけなんですよ。
――彼氏マウンティングの根底には、うらやましさや嫉妬があるんですね。“彼氏マウンティング”という行為を振り返ったときに、舞美さんが「本当はこんな自分でありたい」といった理想像はありますか?
本当は他人の彼氏をディスりたくないんです。そう思ってはいるものの、自分に彼氏がいない状態だと友人や知人の彼氏のステータスを見て粗探しをしてしまいます。
なので、自分が不幸に感じているときは幸せな人と距離を置けたらいいのかなと思います。女性特有というか現代人の特徴なのかもしれませんが、右から左へ流れていく、流されていたほうが安心だっていう価値観があるのかも。マウンティングが女性同士のコミュニケーション手段のひとつになっているんです。それで、一番マウンティングしやすいのが「彼氏」だったということなのかもしれません。
人の心は脆くて、誰かとつながっていないと安心できない。当たり前のことだけど意外と忘れがちで、マウンティングしていると女性のグループ内で上位にいるような安心感があるんです。本当はそういう不安な気持ちを相談できる関係づくりが大切なんだと思います。
他人の幸せをうらやむ気持ちからついやってしまう“彼氏マウンティング”。舞美さんの話を聞いて「私も彼氏マウンティングをしてしまったことがあるかも」と思った方もいるのではないでしょうか。
まわりに認められたい、みんなより上位にいたい……。そんな願望をみたす処方箋は、意外とマウンティングをしてしまう自分自身を自己開示して誰かに相談することかもしれません。みなさんの抱えている不安が少しでも軽くなるように、筆者は応援しています。
現場の大庭からは以上です。
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(大庭スミ @sumi19191)
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※この記事は2019年03月14日に公開されたものです