知ってる? ネットスラング「ぬるぽ」の元ネタ
「ぬるぽ」という言葉を耳にしたことはありますか? こういった、SNSや電子掲示板などで発生して使用される俗語を「ネットスラング」と呼びます。その言葉の意味や元ネタを調べると、思い掛けない発見があるかもしれません。今回はWebメディア評論家の落合正和さんに「ぬるぽ」について解説してもらいました。
「ぬるぽ」は、SNSや掲示板サイトなどインターネット上で発祥した言語表現、「ネットスラング(ネット用語)」の1つです。
ここ最近ではあまり見かけなくなったものの、2000年代前半における電子掲示板サイト、主に「2ちゃんねる(現在は5ちゃんねる)」では頻繁に見かけたネットスラングでした。
「ぬるぽ」に特定の意味はない
「ぬるぽ」は2002年頃から使用されるようになったネットスラングです。
「ぬるぽ」という単語自体は、特定の意味を持っていません。
「ぬるぽ」は世界的に知られているプログラミング言語Javaにおいて、参照がない値にアクセスしようとした際に発生するエラー「NullPointerException」の冒頭、「NullPo」の部分をひらがなで略したものです。
これが2ちゃんねる内にて大きく拡散され、プログラマー以外のインターネットユーザーにも知られることとなりました。
2ちゃんねるでは、「ぬるぽ」と書き込むと「ガッ」を返すというお約束が発生し、そのやり取りは2000年代前半に大流行したものの、今ではほとんど見ることがなくなってきました。
また、あまり一般ユーザーには浸透してはいないものの、同じく2ちゃんねるの、ラーメン板、インスタント麺板では、「カップヌードル・ポーク」を「ぬるぽ」と略す動きもありました。
ネットスラングは浸透度合いにより口語として使われるケースも多いですが、「ぬるぽ」については単語自体に意味はないため、会話の中で使われることはほとんどないと言って良いでしょう。
「ぬるぽ」の元ネタや語源
前段でも触れた通り、Javaでプログラムを作成していると頻繁に発生するエラー「NullPointerException」を略し、「ぬるぽ」と呼んだことが語源となっています。
2002年6月20日に、2ちゃんねるのプログラマー板において『NullPointerExceptionを「ぬるぽ」と呼ぶスレ』というスレッドが立ち上がったことが起源といわれています。
「ぬるぽ」と「ガッ」の関係性とは?
上記で説明した2ちゃんねるのプログラマー板、『NullPointerExceptionを「ぬるぽ」と呼ぶスレ』において、最初の投稿者である1がアスキーアート(コンピューター上の文字や記号を使って表現された絵のこと)と共に「ぬるぽ」と書き込んだことに対し、2番目の投稿者が1を殴るようなアスキーアートと共に 「ガッ」と書き込んだことにより、そのやりとりが拡散、浸透。
それ以降、インターネット上で「ぬるぽ」という書き込みが発生した場合、それに対して「ガッ」と書き込む流れがお約束となりました。
また、「ぬるぽ」にいかに早く「ガッ」を返せるかを競い合うような現象や、それとは逆に、いかに「ぬるぽ」がスルーされるかを競う『ぬるぽしてから1時間以内にガッされなければ勝ち』というようなスレッドも現れています。
このような「ぬるぽ」と「ガッ」のやりとりは、主に発祥である2ちゃんねるを中心に使用され、TwitterやInstagramなどのソーシャルメディア上で見られることはごくわずかです。
今ではほとんど見なくなった「ぬるぽ」
はやり廃りの多いネットスラング。
「ぬるぽ」も、2002年〜2003年の電子掲示板サイトにおいては本当に多数の書き込みを見かけましたが、今ではほとんど見ることがなくなりました。
それどころか、このような古いネットスラングを使用することは恥ずかしいという人も多く、当時「ぬるぽ」「ガッ」のやりとりで盛り上がったインターネットユーザーにとっては、少し寂しい気持ちもあるかもしれませんね。
(落合正和)
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※この記事は2021年01月10日に公開されたものです