おしゃれな低アルコールドリンクブランド「koyoi」の裏に隠れた熱い思いー「仕事は命をかけた生きがい」株式会社SEAM代表・石根友理恵さんの素顔
経営者やいわゆる「リーダー」って、どうしても私たちとは違う世界の人……と思ってしまいがち。でも、リーダーたちも毎日寝て、起きて、ご飯を食べて……そして仕事をしている普通の人。そんなリーダーの素顔を探るべく、「子どもの頃はどんな子だった?」「毎日どれくらい働いている?」「やっぱりタワマン住みですか?」など、素朴な疑問をぶつけます。
取材・文:瑞姫
撮影:稲垣佑季
編集:錦織絵梨奈/マイナビウーマン編集部
経営者やいわゆる「リーダー」って、どうしても私たちとは違う世界の人……と思ってしまいがち。でも、リーダーたちも毎日寝て、起きて、ご飯を食べて……そして仕事をしている普通の人。
そんなリーダーたちに細かい質問をぶつけ、素顔を探る本企画。第3回の「リーダー」は、低アルコール飲料ブランド・koyoiを展開する株式会社SEAMの代表取締役である石根友理恵さん。幼少期から現在までのさまざまなエピソードを聞かせてもらいました。
石根友理恵さん
株式会社SEAM CEO。 神戸大学卒業後、サイバーエージェントからワンオブゼムへ入社。マーケティング・PRに従事し、2017年にSEAMを設立。「ココロとカラダを満たすアルコール文化を創る」をミッションに、お酒の弱い方、飲めない方に向けた低アルコールD2C事業を行う。会社は臨月の時に設立し、5歳の子どもも同時に育て中。
学生時代から好きだった“0→1”の立ち上げ
Q.1 幼少期はどんな性格でしたか?
昭和の悪ガキみたいな子でした(笑)。木登りしてビワを食べたり、八百屋のおじさんに「ハゲ!」って言ったり……。本当に絵に描いたようにやんちゃな幼少期でしたね。
Q.2 どのようなご家庭で育ちましたか?
公務員の父と、専業主婦の母、一歳年上の姉という家庭で育ちました。姉は研究者で私とはまったく違う道を歩んでいます。
Q.3 思春期は学校でどんな存在でしたか?
中高一貫の厳格なカトリックの女子校に通っていて、校則もすごく厳しかったのですが、そこでも悪ガキみたいな存在だったので、ほぼ毎日罰で掃除をさせられていました(笑)。決して優等生タイプではありませんでした。
Q.4 学生時代にバイトはしていましたか?
バイトというより、自分で大学時代に学生団体を立ち上げて、そこでイベントをやって収益を得るということをしていました。中高生の頃から子どもたちをキャンプに連れていくガールズ・スカウト団体の立ち上げをやっていたんですが、その時から“0から1”をつくるのが好きだったんです。
なので、大学一年生の頃に「学生生活があまり充実していないな」と感じた時も、「自分たちで何か立ち上げて青春しよう!」と考えて、二年生の頃に学生団体を立ち上げました。
私が四年生になる頃には千人単位のイベントができるまでになっていて、学生時代のがんばったことの集大成といった感じですごくうれしかったし、思い出深いです。サークルは今でもちゃんと残っていて、神戸大学の起業家輩出サークルのようになっていますね。
Q.5 大学時代はどのようなことを学んでいましたか?
神戸大学の国際文化学部で、地元・広島の原爆の歴史を紐解くという勉強をしていました。
海外では原爆についてどう報道されていたのか、どう事実が捻じ曲がっていたのかという研究テーマです。
自分が死んでも残る事業と組織を残したい
Q.6 なぜ起業しようと思ったのですか?
元々、結婚したり、子どもを産んだり、というライフステージの変化が30歳くらいであるだろうなと考えていたので、なんとなく“30歳までに自分の名前で仕事をする自分になる”というふんわりとした目標があったんです。
ただ、24歳の時に父が急死した時に、「自分含め、人間って本当にいつ死ぬか分からないんだ」と今まで以上にすごく強く感じて、「だったら本当にやりたいことをやろう」「自分が死ぬ時に人生で何か残したい」と思って、自分が死んでも残る事業と組織を残したいと、明確に起業の道を考えるようになりました。
Q.7 創業当初、一番大変だったエピソードやつらかったエピソードがあれば教えてください。
事業をリリースして最初の投資家を募る時に、なかなか見つからなかった時は本当に会社のキャッシュがどんどんなくなっていって大変でした。「来月倒産するかもしれない」と感じた時にようやく決まったのですが、決まるまでの間は本当に不安でつらかったです。
それがきっかけで「考えても仕方ない!」「行動しよう」と思うようになって、とにかくプレゼンをしまくりましたね。50社以上にはしたと思います。
Q.8 創業してから一番うれしかったことは何ですか?
本当に色々あるんですが、会社に人が入ってきてくれるのはうれしいです。一緒にがんばりたいと思ってくれる仲間が増えるってやっぱり良いですよね。
Q.9 仕事でやりがいを感じるのはどんな時ですか?
自分たちで事業をやることは99%はつらいし、うまくいかないことばかりなんですが、一軒卸先が決まったりとか、お客様から喜びのメッセージが来たりとか、そういった本当に些細なことで会社の仲間とハイタッチする時はうれしいですし、やりがいを感じます。
母と社長、ふたつの役割を切り替えながら両立
Q.10 毎日のタイムスケジュールを教えてください。
朝は5時か5時半ぐらいに起きて、まず30分くらい筋トレ。今はビリーズブートキャンプをやっています。6時に子どもを起こして朝ご飯を食べて一緒に過ごした後、7時には送る。
そのあとは1時間半かけて通勤して、会社に着いたら仕事をするんですが、夕方5時半には会社を出て、7時の子どものお迎えに間に合うようにしています。帰宅したら子どもとご飯を食べて、お風呂に入って、絵本を読んで、寝るというスケジュールなので、9時半には布団に入っていて、10時には寝ていますね。
スタートアップで働く方々ってずっと働きっぱなしだと思うんですが、私も以前はそういう働き方だったんです。ただ、子どもを育てていると、そういうわけにもいかない。体力的にも限界があるので、家では子どもライクです。
Q.11 週に何時間くらい働いていますか?
ざっくり50時間〜60時間ですね。
Q.12 毎日のお仕事で何をしている時間が一番長いですか?
多岐にわたるんですが、やっぱりいろんなことを意思決定していく時間が多いかなと思います。
Q.13 プライベートとの時間をきっちり分けているタイプですか?
時間的には切り替えています。というより、子どもがいるので切り替えざるを得ないですし、子どもとの時間が将来的に繋がっているので大事にしないといけないので……。
ただ、家に帰ってからミーティングしたり、Slackを確認したりというのはあるので、徐々に切り替えながらやっています。
Q.15 お休みの日は何をされていますか? そもそも休みの日はありますか?
子どもと過ごすときはきっちりとお休みを取っていますが、子どもがいないときは基本的に事業計画や未来の資料を作っていることが多いです。しっかりと作業しなければいけない時は、逆にお休みの日にまとめています。
“仕事は命をかけた趣味”99%のつらさでも続ける理由
Q.15 趣味はありますか?
サウナです。4年くらい前、子どもが生まれた時くらいからハマってそこからずっと好きで、それこそお休みの日に行ったりしています。
あとは新商品のお酒を買うことですね。以前は子どもがいるので平日はお酒を飲まなかったんですが、お酒の事業をやっている以上、飲まないと分からない部分もあるので、「子どもがいても飲んでいいじゃん!」と思って平日も晩酌をするようになりました。
Q.16 どんなところにお住まいですか?
藤沢です。実家が藤沢なので、子どもを預かってもらいやすいこともあって藤沢に住んでいます。結果が出るまでは、自分の年収を会社で一番低くすると決めているので、住んでいるところもタワマンなどではなく普通の家です。
Q.17 将来の夢はありますか?
将来の夢は会社のミッションである“心に優しくて体にも優しいアルコール文化を作る”ということですね。私たちの商品がたくさんの人に飲まれて、たくさんの人に愛されて、日本だけではなく海外などでも展開するのが夢です。
Q.19 何歳まで仕事をしたいですか?
考えたことなかったですが、私は仕事が好きなので、頭がボケるまではずっと仕事をしていたいなとは思います。私にとって仕事は命をかけた生きがいなんです。会社の成長が自分の楽しみですし、すべてを注ぐ対象です。
Information
koyoi
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https://koyoi.jp/shop
※この記事は2023年04月04日に公開されたものです