@cosmeベストコスメアワード 2023総合大賞はオルビス「エッセンスインヘアミルク」! 今年流行ったコスメを総ざらい【前編】
スキンケアからメイクアップ、ボディケアに至るまで幅広くコスメを網羅する口コミサービス「@cosme」が、「@cosmeベストコスメアワード 2023」を発表しました。
生活者に本当に支持されたコスメを総括する本アワード。今年は久しぶりにヘアケアアイテムが総合大賞を受賞するなど、動きの多かった一年の様子が反映された結果となりました。
あなたの愛用するコスメもランクインしているかも? ぜひ結果をチェックしてみてくださいね。
総合大賞は「オルビス エッセンスインヘアミルク」久しぶりにヘアケアアイテムが受賞
まずは気になる総合ランキングを一気に紹介します!
総合大賞 オルビス エッセンスインヘアミルク
第2位 コスメデコルテ リポソーム アドバンスト リペアクリーム
第3位 セザンヌ 超細芯アイブロウ
第4位 コスメデコルテ リポソーム アドバンスト リペアセラム
第5位 クレ・ド・ポー ボーテ ヴォワールコレクチュールn
第6位 ランコム ジェニフィックアドバンスト N
第7位 ヒロインメイク スピーディーマスカラリムーバー
第8位 KANEBO カネボウ スクラビング マッド ウォッシュ
第9位 コスメデコルテ サンシェルター マルチ プロテクション トーンアップ CC
第10位 ディオール ディオール アディクト リップ マキシマイザー
2023年は上半期にマスク着用が任意になったり、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に移行したりするなど、生活に大きな変化がありました。ベストコスメアワード集計対象期間中の口コミでも、「旅行」「レジャー」というワードの出現率が回復傾向にあったそうです。
普段通りの生活が戻ってきた一方で、2023年11月に@cosmeユーザーを対象に実施した「化粧品に関するアンケート」では、半年前と比べた時の気持ちや行動の変化について全体の61.9%が「『漠然とした不安』を感じるようになった」と回答していたそう。この回答は半年前に実施したアンケート結果から14ポイントアップしており、その背景には物価高や円安の影響があるのではないかと発表されました。
そう聞くとプチプラコスメの人気が高まったのかと思ってしまいますが、総合ランキング10商品のうち、7商品がデパートコスメという結果に。単に出費を抑えるのではなく、「投資すべきものに絞って投資したい」という気持ちが表れていそうです。
@cosmeベストコスメアワードは今年で創設24年。その歴史の中でも珍しく、今年の総合大賞はヘアケアアイテムとなりました。
「オルビス エッセンスインヘアミルク」は2011年発売のアイテム。昨年にSNSを中心に話題となって掘り起こされ、発売以来初のベストコスメアワード<ベストヘアケア 第1位>を受賞。今年はついに総合大賞となりました。
一過性の“バズ”に留まらず、最初の“バズ”から一年以上経っても人気を成長させた本商品。今年はドラッグストアにも販路を拡大したこともあり、大人世代にまで人気が広がりました。
ヘアケアアイテムではヘアオイルが不動の人気アイテムではありますが、昨今は酷暑が長く続くようになり、「ヘアオイルではべたつく」と感じる人のニーズに刺さっている他、香水ブームの中で香りを邪魔しない無香料タイプであることも支持される理由として挙げられます。
「大谷売れ」が話題! コスメデコルテ大旋風が巻き起こった
総合ランキングの中で目立つのがコスメデコルテの製品。なんと、総合ランキングだけではなく他の部門を含めるとトータル13製品が28部門受賞を果たしました。これはベストコスメアワード史上最多の受賞数となるそうです。
「コスメデコルテ旋風」といっても過言ではないほど、ブランド人気が集まりましたが、この背景にはやはり「リポソームシリーズ」の“大谷売れ”がありそうです。
野球選手の大谷翔平さんがブランド広告モデルに起用されたのは今年3月のこと。広告起用前の2月と比較すると、@cosme TOKYOでは「リポソーム アドバンスト リペアセラム」の売上が3月は約1.4倍、4月は約1.5倍に伸びたそうです。大谷選手がInstagramに投稿したロッカールームの写真にコスメデコルテの商品が写っていたことも話題になりましたよね。
また、コスメデコルテはデパートコスメでありながら3,000円以下の商品も展開しているところも特徴です。手に取りやすい価格帯から1万円を超える“諭吉コスメ”まで幅広く取りそろえることにより、幅広いユーザー層を獲得することにつながったのではないでしょうか。
アフターコロナで「睡眠系コスメ」「痛いスキンケア」に関心が集まる
今年は外出の機会も増えた一年でしたが、その分、睡眠不足を感じる人が増えているよう。そんな時勢を反映してか、化粧品業界では寝ている間にケアをする「睡眠系」コンセプトアイテムが増加。@cosmeベストコスメアワード 2023では、「スリーピングマスク・パック」部門が新設されるほどの影響力を見せました。
総合2位となった「コスメデコルテ リポソーム アドバンスト リペアクリーム」は、「睡眠不足でも、3時間多く眠ったような肌へ」を謳った製品。“タイパ”という言葉も話題になり、睡眠時間を上手に使って肌をケアしたいというニーズが高まっています。
「スリーピングマスク・パック」部門では第1位が「イハダ 薬用ナイトパック」、第2位は「ラネージュ シカスリーピングマスク」、第3位が「TIRTIR COLLAGEN CORE MASK」がランクイン。まずは手に取りやすい価格帯のアイテムから試している人が多いことが窺えます。
マスクを外すようになったことで、素肌への関心が高まったことも今年の特徴といえるでしょう。美容医療発想のコスメは昨年に引き続き人気が継続しており、今年は特に「痛い」と感じるような刺激のあるコスメが話題になりました。
今年特に人気だった美容成分「レチノール」は、A反応といわれる赤みや皮むけといった副作用が起こる可能性もある成分です。そんなレチノールを配合した化粧品を筆頭に、マイクロニードル配合の美容液や、プランプ効果のあるリップなど“痛いコスメ”が人気を集めました。
「刺激のあるコスメ」というと使うのに躊躇する人もいそうなところですが、その即効性や、刺激がある分のリターンに期待して手に取る人が多いようです。美容医療が身近になっていることもあり、今後ますますその傾向が強くなりそう!
脱・マスク後も軽やかなベースメイクが定着。顔の余白が気になる人が増加
メイクアップにおいては、ベースメイクが豊作な一年でした。マスクを外す時間が長くなったこともあり、ベースメイクを一新した人も多いのではないでしょうか。
その一方、コロナ禍で人気を集めた「下地以上ファンデ未満」のベースメイクアイテム人気は定着。アフターコロナとなっても人気は衰えそうにありません。
ファンデーションをまた使うようになった人にも軽やかなベースメイクにしたいというニーズは共通するようで、今回受賞したファンデーションの口コミでは「肌が疲れにくい」「負担感が少ない」というワードが多く見られました。
メイクアップアイテムの口コミでは、「顔の余白を埋めたい」といった記述が昨年よりも増加したそう。たしかに、涙袋メイクやオーバーリップが流行りましたよね。
顔の余白を埋める方法としてはシェーディングやハイライトで立体感をつける他、涙袋メイクや唇をぷっくり見せたり、まつ毛に束感を出したりするなど、さまざまな方法が挙げられます。
また、これまでは血色感を演出する目的がメインで使われていたチークも、「色はそこまで出したくないけれど、顔の余白を埋めたい」というニーズに沿った淡い発色、肌なじみのよいカラーが人気を集めました。
大人世代が元気だった一年。アラサー世代もお姉さんたちの美容法に興味津々
今年は天野佳代子さん、梨花さん、MEGUMIさんなど、40代~60代の著名人への注目度が高まったことも特徴的でした。MEGUMIさんの美容本はマイナビウーマン読者でも購入した方が多いのではないでしょうか。
そんな流れが反映されてか、口コミでも「大人世代」など世代に関連するワードが増加したそう。大人の肌悩みに関するワードや、「エイジング毛」「白髪予防」など、髪のお悩みに関する口コミも増えているようです。
眼瞼下垂や肝斑など、これまで化粧品でケアすることができなかった領域のお悩みも、技術の発展を受けて化粧品でなんとかしたいという気持ちが高まっていることが窺えます。
2024年上半期は何が流行る? トレンドを大胆予測
2023年を総ざらいした次に気になるのは2024年上半期のトレンドです。@cosmeトレンド予測部は5つのトレンドトピックスを発表しました!
美髪課金
#夏慢性化攻略
ひとくち美容投資
エンタメマスク
クワイエットラグジュアリーメイク
幅広いカテゴリで提案された今回のネクストトレンド予測。一つずつチェックしていきましょう。
髪型・髪色の自由化でヘアケアへの関心が高まる予感
まずは「美髪課金」から。近年、ドラッグストアやスーパーマーケット、飲食店など、接客業を中心に「職場での髪型・髪色自由化」を導入する企業が増えています。
韓国アイドルの影響でハイトーンカラーに挑戦する人も増え、実際、@cosmeの口コミでも「ブリーチ毛」というワードが5年前と比較して5.4倍に伸びているそうです。
その影響もあってか、2023年11月に実施したユーザーアンケートでは全体の約34%が「カラーによる髪のダメージが気になるようになった」、全体の約41%が「ドライヤーやアイロンなど熱による髪のダメージが気になるようになった」と回答。ヘアケアに生活者の関心が向いていることが窺えます。
@cosmeのヘアケア商品の登録数は昨年と比較して1.7倍に。シャンプー・トリートメントの他、頭皮ケアアイテムや手持ちのトリートメントに混ぜて使う粉タイプのトリートメント、トリートメント前に使用する髪の導入美容液など、基本のシャンプー&トリートメントにプラスするアイテムの幅が広がっています。
今後は髪に手間や時間、お金をかける「美髪課金」が注目を浴びそう!
早くて長~~~い夏を攻略したい!
今年の夏はとにかく長かった……。今年のベストコスメアワードでも、「さらさら」「メイク崩れ」といった酷暑対策力の高さが評価されたアイテムが総合10位以内に多くラインクインするなど、コスメ選びにも酷暑影響が見られました。
口コミを見てみると「暑さ対策」は5年前と比較して約3.4倍、「滝汗」は約3.2倍に。寒暖差による肌トラブルに悩む人も多く見られたそうです。
その結果、夏限定のイメージであった「ひんやりアイテム」「テカリ対策」「ニオイケア」「汗ケア」アイテムが例年よりも早く、そして長く活躍。パートナーが使用しているメンズコスメを女性が使用したり、女性がメンズ用コスメの皮脂・テカリ防止効果を評価したりするという消費行動もみられたようです。
来年も夏を乗り切るためのアイテムは早く、長く売れていきそうな予感!
インナーケアの注目度がアップ
韓国では現在、インナーケアが注目されているそう。明洞のオリーブヤングではリニューアルでインナービューティーコーナーが拡大され、韓国の大手金融機関である「新韓投資証券リサーチセンター」の発表では、2019年に7000億ウォンだった韓国インナービューティー市場が2025年には2兆ウォンになると予測されているそう。
日本ではここ数年、配合成分で化粧品を選ぶ「成分買い」の傾向が強まり、最近では美容家や美容インフルエンサーなどがビタミンCなどの美容成分を内側からも取り入れるケアを紹介して度々話題になっています。
今年はファンケルが5月に期間限定で発売した「ホワイトフォース Cパウダー」が計画を1カ月前倒しで完売するヒットとなった他、ビタミンC配合のスキンケアで人気の「オバジ」からもインナーケアアイテムが新登場。
今月は韓国で“ビタミンC界のエルメス”と評されてヒットしている「orthomol」の日本上陸も決定しており、来年ますますその勢いが増しそうです。
シートマスク・パックはデイリー使いが定着。次は「エンタメマスク」トレンドが来る!?
ここ数年、シートマスクやパックをデイリーケアとして使用している人が増えています。そんな中で新たに注目されそうなのが、シートマスク・パックの“エンタメ要素”なんだとか。
これまで「おもしろいパック」というと、シートに柄が描いてあるものがありましたが、最近では泡で出てくるパックやスティック型のクレイパック、シートにヨモギの葉が練り込まれているシートマスクなど、使用感のおもしろさや新しい形状のものが登場しています。
デイリーケアのシートマスク・パックとは別に、スペシャルケアとして楽しむ「エンタメマスク」が今後も増加していきそう!
ファッショントレンドがメイクにも影響? 上質さや多幸感がカギに
ファッション業界では「クワイエットラグジュアリー」が次なるトレンドとして注目されているそうです。「クワイエットラグジュアリー」とは、派手で目立つデザインを遠ざけ、抑えた色や柄で素材の上質さを引き立てる、上品で気品のある装いのこと。メイクにおいても、最近は「ミュートメイク」など馴染みの良い色合いが人気ですよね。
口コミでは「多幸感」というワードが昨年と比べて約1.8倍と伸長しており、さらに「上品」というワードとの結びつきが強いんだとか。
品格がありつつも作り過ぎていない、上品さ・上質さ・多幸感を取り入れた「クワイエットラグジュアリー」メイクがネクストトレンドになるのではないかと、@cosmeトレンド部が提案しています。
素肌を生かしたツヤ肌や、抑えめのベージュ、温かみのあるピンクを使用したアイメイク、リップはオフィスシーンにもマッチして、トレンドメイクになかなか手を出しにくいと会感じている大人の女性からも支持されそう!
後編ではトレンドをさらに深掘り!
@cosmeベストコスメアワード 2023/2024年上半期トレンド予測 発表会の様子をお伝えしました。
盛りだくさんな内容でしたが、後編の記事では働くアラサーの女性に向けて前編の内容をさらに深掘りしていきます。ぜひチェックしてみてくださいね。
◆Check!
後編の記事はこちらから
https://woman.mynavi.jp/article/231213-7_12000673/
@cosme ベストコスメアワード 2023
https://www.cosme.net/bestcosme/
集計対象期間:2022年11月1日~2023年10月31日
集計対象口コミ:1,341,944件
集計対象アイテム数:53,600アイテム
※下半期新人賞は2023年5月1日~2023年10月31日に発売された商品が対象
※複数カテゴリにまたがり口コミ投稿された商品は商品性質を考慮して主たる1カテゴリに絞って集計
※@cosme SHOPPINGベストヒット賞は「@cosme SHOPPING」での販売実績をもとに順位を決定
※@cosmeSTOREベストヒット賞は「@cosme STORE」「@cosme TOKYO」「@cosme OSAKA」での販売実績をもとに順位を決定
化粧品に関するアンケート
調査地域:全国
調査方法:Web調査
調査時期:2023年11⽉20⽇(⽉)~22⽇(⽔)
調査対象者:@cosmeプロデュースメンバー ⼥性15-69歳(@cosmeの年代構成⽐に合わせ割付)
調査対象者数:8,539⼈
(取材・文:錦織絵梨奈/マイナビウーマン編集部)
※この記事は2023年12月12日に公開されたものです