生理痛、PMSで仕事がつらいと思うのはどんな時? つらい時はどうしてる? 働く女性にアンケート

女性にとっては避けては通れない、生理。お腹や腰、頭などが痛む生理痛に加え、生理が始まる前に現れる心身の不調=「PMS(premenstrual syndrome=月経前症候群)」に悩む人も少なくないはず。

そこで今回20代~30代の女性300人にアンケート。つらいのはどんなこと? 仕事を休んだことはある? などなど、生理痛・PMSと向き合いながら働く女性のリアルを考察と共にお届けします!

生理痛が原因で仕事を休んだことはある?

  • ▲回答数300

Q1. 生理痛が原因で仕事を休んだことはありますか?

はい:53.3%
いいえ:46.7%

なんと、回答の半分以上、つまり二人に一人が「生理痛が原因で仕事を休んだことがある」という結果に。どの程度の体調不良で欠勤するかは人それぞれではあるものの、休もうと思うほど生理痛がつらい人は予想以上に多いのだなと感じました。

本当は休みたいけど休めない事情があるケースもあることを考えると、生理痛がつらい女性は実際もっと多いかもしれません。

  • ▲回答数:160

Q2.生理痛が原因で仕事を休むことはどれくらいの頻度でありますか?

毎回:9.4%
2~3カ月に1回:14.4%
半年に1回:13.8%
1年に1回:10.0%
当てはまるものはない:52.5%

生理痛が原因で仕事を休んだことがある人は、どれくらいの頻度で休むのか。最も多いのが52%を占める「当てはまるものはない」。他の選択肢が「毎回」「2~3カ月に1回」「半年に1回」「1年に1回」とあるので、これに当てはまらない52%の人たちは、仕事を休む頻度がそこまで高くはない、ということでしょうか。もしくはつらくても仕事を休めないと考え、我慢しているのか。そこが気になるところです。

  • ▲回答数:160

Q3.生理痛が原因で仕事を休んだとき、どのように過ごしていますか? 当てはまるもの全てを選択してください。

鎮痛剤を飲む:21.6%(回答数52)
不調が治まるまで横になる:18.2%(回答数44)
体を温める:16.6%(回答数40)
漢方を飲む:9.2%(回答数22)
当てはまるものは無い:34.4%(回答数83)

休んだ時の過ごし方について、「当てはまるものは無い」と答えた人が34.4%と最多数。選択肢には生理痛の一般的な対処法が網羅されている気がしたので、これ以外で何をするのか気になりました。

考えられることとしては、例えばつらすぎるので病院に行く。ひたすら寝る。逆に、寝るほどではないのでストレッチ、アロマ、音楽を聴く、動画を観るなどリラックスになることをする。といったところでしょうか。

生理痛が原因で仕事がつらいと思うことはある?

  • ▲回答数:300

Q4. 生理痛が原因で仕事がつらいと思うことはありますか?

はい:42.7%
いいえ:57.3%

「はい」と回答した人に具体的にどうつらいのかを聞いてみたところ、「立ち仕事なので、お腹や腰が痛いのがつらい」「長時間の座り仕事がつらいです」……立ちっぱなしも、座りっぱなしもつらい。つまりベストは横になること。と考えると、約1/2が仕事を休んだ経験ありという回答に納得せざるを得ません。

ですが、「体が痛い時に休めない」「上司が男性のために怠けていると思われる」との回答もあり、休みたくても休めない現実が。上司のみならず、会社全体で生理と生理痛の理解を深めることは今後の課題の一つと言えそうです。

PMSの仕事への影響は?

  • ▲回答数:300

Q5. PMSが原因で仕事を休んだことはありますか?

はい:42.3 %
いいえ:57.7%

PMSで仕事を休んだことがある人も約4割と高い割合を示す結果になりました。PMSは生理前の3~10日ほど続く心身の不調。生理が始まると症状が軽減、もしくは消失するものの、生理が始まると今度は生理痛に悩むケースも。

つまり生理痛とPMSの両方がある人は、半月以上つらい期間が続くこともあるわけです。

  • ▲回答数:127

Q6 .PMSが原因で仕事を休むことはどれくらいの頻度でありますか?

毎回:4.7 %
2~3カ月に1回:14.2%
半年に1回:7.9%
1年に1回:7.9%
当てはまるものはない:65.4%

生理痛が原因で仕事を休む頻度を「毎回」と答えた人は9.4%でしたが、PMSでは4.7 %と半分。生理痛と比べると仕事を休む頻度は低い結果となりました。

これは、生理痛が腹痛、腰痛、頭痛など体の不調であるのに対して、PMSはイライラや不安など心の不調を含んでおり、人と話す時に気をつけるなどしてカバーできる場合もあるからかもしれません。

  • ▲回答数127

Q7. PMSが原因で仕事を休んだとき、どのように過ごしていますか? 当てはまるもの全てを選択してください。

鎮痛剤を飲む:12.2%(回答数23)
不調が治まるまで横になる:17.6%(回答数33)
体を温める:12.2%(回答数23)
漢方を飲む:7.4%(回答数14)
ストレッチなどで軽く体を動かす:7.4%(回答数14)
当てはまるものは無い:43.1%(回答数81)

生理痛で仕事を休んだ時の過ごし方2位は「鎮痛剤を飲む」でしたが、PMSでは「不調が治まるまで横になる」でした。

そして生理痛の時と同じく、1位は「当てはまるものは無い」。この立て続けの結果から、もしかしたら休んだ時の過ごし方で一番多いのは「特に何もしない」なのでは、と思いました。だるくなったら寝転ぶなどはするとして、仕事をせずに済み、かつ周りの目がないだけでも、だいぶ楽になる気がするからです。

PMSで仕事がつらい。具体的にはこんな悩みが……

  • ▲回答数:300

Q8. PMSが原因で仕事がつらいと思うことはありますか?

はい:30.0%
いいえ:70.0%

PMSで仕事がつらいと思う人は3割という結果に。具体的にどんなことがつらいのかを聞いてみると、「イライラしても、悲しくなっても、眠くなっても、つらくても、いつも通りに作業をこなさなければならない事」「同性者でも理解が得られないことがある」。これらの回答から、心身ともにつらく、理解も得られにくいPMSのつらさが伝わってきます。

特に「イライラ」を挙げる人は多く、「後輩のことでイライラするけど、態度に出すことができないから、すごくストレスが溜まってさらにイライラする」との回答も。かといって態度に出すと周りに迷惑をかけてしまうわけで、ベストは症状改善を目指すか仕事を休ませてもらうか、でしょうか(でもなかなか休めないという現実……)。

生理痛やPMSと付き合いながら働くのはハードなこと。つらいときはがまんせずに相談しよう

今回の調査から、生理痛やPMSで仕事を休んだことがある人は全体の約半分いること、その中で毎回仕事を休む人は生理痛で10%未満、PMSで5%未満だと分かりました。休むほどではないことが多いからだろう、という考え方もできますが、何がつらいかという質問で「休めない」「理解が得られない」などの回答が複数あることから、つらくてもがまんして仕事をする人が一定数いるのではと推測します。

この推測を裏付ける背景として、日本人女性が生涯で経験する月経の回数が昔に比べて格段に増えた、という事実があります。かつて女性が5~10人ほど出産していた頃は一生に50~100回だった月経が、1~2人を出産する現代では400回以上。婦人科系の病気が増えているのも、この増加に体が対応しきれないためだと言われています。

加えて男性同様に働くのが普通となった事実を踏まえると、現代女性は相当ハードな日々を送っている、と言えるでしょう。

この事実に、まずは皆が気づく必要があると思います(かく言う私も恥ずかしながら今回初めて気づかされました)。

症状に個人差があるため異性だけでなく同性からも理解を得られにくい現実も踏まえ、例えば職場で生理痛やPMSへの理解を深める情報を共有する。症状が重い時は仕事を休める、もしくはテレワークにできる仕組みや環境を整える。こうした施策を企業が少しずつでもやっていけるといいですよね(女性社員から提案するのも良いかと!)。

生理を女性しか話してはいけないもの、とするような空気があるのも見直すべき点ではと個人的には思います。私がドイツで暮らしていた頃、愛読していた「BRAVO」というティーン向け音楽雑誌の付録に生理用ナプキンがついてきたことがあります。かなり驚きましたが、男女共に知っておくべきこと、隠すことではない、という考え方には共感する部分があります。

女性が自分でできることとしては、例えば職場で症状がつらい時にはがまんせず同僚や先輩、上司に相談する。仕事を割り振るなど対策を講じてくれるかもしれませんし、つらさを知ってくれている人がいるだけでも気持ちが少し楽になりますよね。

そして、重い症状が続く場合は病院へ行く。日常生活に支障をきたす「月経困難症」と診断されれば、ピルを使って排卵を止めて症状を抑える治療も受けられます(不妊の原因になる子宮内膜症の改善や予防にもつながります!)。

生理痛が軽めの私でも、「仕事なんて無理……」となるような痛みは分かります。仕方ないんだと諦めず、楽にするための工夫をしていきましょう! そして、一人で抱え込まないでくださいね!

(文:ヨダエリ、イラスト:フルカワチヒロ)

※画像はイメージです。

※マイナビウーマン調べ
調査日時:2025年4月4日~4月9日
調査人数:20代~30代女性(300名)
調査方法:Webアンケート

※この記事は2025年05月07日に公開されたものです

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