危ない。「仕事の失敗をしやすい人」の特徴6つ
仕事で大失敗して落ち込んでいる……。そんな時にできる対処とは? 不安、つらい、辞めたいと思った時の気持ちの切り替え方を、仕事系ライターの夏椿さんが解説。立ち直るためにできることを紹介します。
ケアレスミスから大きなミスまで、仕事で起きる失敗はさまざまです。
一度失敗をしてしまうと「また同じことをしてしまうかも……」「周囲の人に仕事ができないと思われたかもしれない」と思い、不安になったり落ち込んだりしてしまいます。
本記事では、仕事で失敗して立ち直れない時の対処法や、失敗しやすい人の特徴、仕事の失敗を防ぐためのポイントを解説します。
仕事で失敗した時の落ち込みを切り替える方法
仕事で失敗して、なかなか立ち直れないことはありませんか?
そんな時は、思い切って考え方を変え、まずは切り替えることが重要です。具体的にどうやって気持ちを切り替えるといいのかを見ていきましょう。
(1)客観視して失敗を受け入れる
失敗して落ち込むということは、それだけ仕事に真剣に取り組んだということです。
「恥ずかしい」「申し訳ない」という自身の感情はいったん置いておいて、「失敗した」という事実だけを受け入れましょう。
事実を受け止めていけば、なぜ失敗したかが見えてくるはずです。そうして見つかった失敗の原因だけを心に刻み、次は繰り返さないようにしてください。
(2)感情的に自分を責めすぎない
誰でも大なり小なりの失敗はするもの。必要以上に「失敗は悪いことだ」「自分が情けない」と思い込まないことも大切です。
自分を責めることで不安にのみ込まれてしまい、些細なミスでも大きなストレスを感じたり、さらに失敗を重ねたりする可能性もあります。
大切なのは同じ失敗を繰り返さないことと、原因を見つけて次回に生かすことです。過剰に自罰的になっても、良いことはありません。
(3)仕事と別のことをする
仕事の失敗についてばかり考えていると、悩みをプライベートに持ち込みやすくなります。これでは1日中悩むことになり、落ち込んでいる状態から抜け出せません。
どうにもならない時は、いったん仕事から離れて別のことをしましょう。
好きな音楽を聴いたり、外の空気を吸ったりと、仕事のことを完全に忘れられる自分なりのリフレッシュ方法を確立しておくと、早く気持ちを切り替えられます。
リフレッシュ方法がない場合は、新しいことに挑戦してみるのもいいでしょう。読書や映画鑑賞、料理、スポーツなどを楽しみ、まずは意識を失敗から切り離すことが大切です。
(4)友人や家族に話を聞いてもらう
「1人だとどうしても自分を責めて落ち込んでしまう……」という方は、信頼できる友人や家族に話を聞いてもらいましょう。
頭の中だけでひたすらネガティブに考えるよりも、考えを言語化することで冷静になれるはずです。気持ちを整理した方が早く次に進める場合もあるでしょう。
また、相手から思いもしなかったアドバイスをもらえることもあり、解決の糸口が見つかるかもしれません。
ただし、注意しなければならないのは、感情的になって社内の大事な情報を話してしまうこと。話して大丈夫な相手なのか、を冷静になって見極めましょう。
また、具体的な内容を誰かに話して解決したい時は、会社の同僚や話しやすい上司、先輩に相談してみましょう。
さらに、同じ部署の人なら、同様の失敗をした経験がある人もいるかもしれません。失敗談や当時の気持ちの切り替え方、次への生かし方なども教えてもらうと気持ちが楽になります。
失敗した時に必ずすべき2つの対処
気持ちの切り替えが完了したら、さっそく失敗に対する対処をしていきましょう。
失敗したという事実は変えられませんが、素早く丁寧に対応できたかどうかが重要。これ以上のミスやトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
失敗の形はそれぞれ違うので、具体的な対処はさまざま。しかし、どんな仕事のミスにも共通して大切な「2つの対処」があります。
その1:上司に報告する
まず上司に失敗を報告し、失敗が会社に与える影響を確認しましょう。
関係者がどれほどいて、どれだけの影響があるのかを正確に把握し、対策を練って謝罪に行く必要があるからです。
失敗したことに気付いているのに、上司に報告せず隠すことはNG。早い段階で報告していれば収拾できた事態も、後からでは取り返しが付かないことになってしまうからです。
こんな時、どうにか隠すことができないか、自分一人で処理できないか、という考えが頭をよぎることもあるでしょう。しかし、これはあなたのためにも、会社のためにもなりません。また、失敗を隠す行為は、あなたが他の人達から信頼を失う原因にもなります。
正しいルートで正しい報告をすることは、あなた自身と周りの人、事業を守ることにつながるのです。
失敗の影響は、時間が経つにつれてどんどん大きくなるもの。気づいたタイミングで情報を冷静に整理し、すぐに関係各所へ報告しましょう。
その2:関係者への謝罪とお礼
まずは事態を収束させることが優先。できる限りのカバーや処理が終わったら、上司や関係部署、取引先に直接謝罪しましょう。出向くのに遠い場合は、電話で伝えます。
メールでの謝罪は誠意が伝わりにくく、事務的な印象を相手に抱かせます。メールを送る場合は、対面あるいは電話で謝罪をした後にするといいでしょう。
この時、言い訳ばかりしてしまうと相手に誠意が伝わらず、さらに怒らせてしまうこともあります。「部署間の連絡ミスでうまくいかなかった」「上司からの指示通りにやったはずですが」などの言い訳はせず、謝罪では丁寧な言葉遣いを心がけます。
謝罪の際には
1. お詫びの言葉
2.ミスの事実と理由
3.解決策
4.お詫びの言葉
の順で伝えましょう。お詫びの言葉は「ごめんなさい」「すみませんでした」などの軽いものではなく、下記のような言葉を使うのが適切です。
・この度は誠に申し訳ありませんでした。
・多大なるご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。
謝罪が済んだら、あなたのミスを一緒にカバーしてくれた上司や同僚へ、きちんとお礼の言葉も伝えておきましょう。
仕事で失敗をしやすい人の特徴とは?
ミスを通して、「もう、こんな事態になるのはこりごりだ……!」と思ったことでしょう。次は同様の失敗をしないために、自分のどんなポイントに問題があったか整理しておくと◎です。
ここでは、失敗しやすい人の特徴をまとめておきます。これらの傾向が自分にないか、改めて見つめ直しておきましょう。
(1)メモを取らない
メモを取る習慣がないと、日程や手順を間違えたり、追加の依頼が反映されていなったりと、さまざまな失敗につながりやすいです。
全てを記憶しておくことは不可能です。しかし、メモを取ることで、それを見れば確実に思い出せますし、手を動かすために記憶にも残りやすくなります。
(2)スケジュール管理ができていない
多くの仕事を抱えているのにもかかわらず、優先順位を付けずに行き当たりばったりで仕事をこなしている人も、仕事で失敗しがちです。
スケジュール管理ができていないと、事前に必要な段取りを踏めない、想定していたより時間がかかったなどの状況に陥りがちです。
結果として、期日を過ぎてしまったり、慌てて行ったチェックに漏れがあったりと、失敗につながりやすくなります。
(3)周囲を気にしすぎている
上司や同僚など周囲の目を気にしすぎていて、「今質問したら迷惑かな」「こんな初歩的なことを聞くと怒られるだろう」などと質問ができずに仕事を進めてしまうことはないでしょうか。
相手に気を使えるのはいいことですが、分からない部分をそのままにして進めると、多くの場合良い結果を招きません。
認識がずれていて後々重大な失敗につながってしまうこともあります。結果として、質問するよりも大きな迷惑を周囲にかけてしまいます。
(4)注意が散漫
人の話を聞いている時や仕事に取り掛かっている時に、他のことを考えて集中できていないと、注意散漫に。これも失敗につながりやすいでしょう。
多くの人は、2つ以上のことを同時にできません。慣れない作業は特に、1つ1つ丁寧にこなしていくとスムーズです。
また、集中して物事に取り組まないと作業の効率が落ち、労働時間も長くなってしまいます。その結果疲労がたまり、さらにミスを生む悪循環に陥ってしまうので注意しましょう。
(5)仕事に不満がある
「もっと大きな仕事がやりたい」「本当はこの仕事をしたくなかった」「会社が自分を正当に評価してくれない」と不平不満を抱いている人も失敗しがちです。
目の前の仕事を軽視したり、不信感を持ったりしていると、確認などが疎かになり失敗につながる恐れがあります。
(6)経験や知識が足りない
そもそも仕事に慣れておらず、経験や知識が足りていないと失敗が多くなります。
何年も同じ仕事をしていれば、ある程度ミスが起きやすいタイミングが理解できるようになってくるはず。しかし、経験や知識が不足していると、そういった感覚もないため、ミスをする可能性も高いのです。
また、実力に対して仕事の難易度が高すぎる可能性もあります。
人手不足などの理由で難易度の高い仕事を割り振られてしまった際は、難しい部分について上司にしっかり相談しながら進めるようにしましょう。
分からない部分をそのままにして進めてしまうと、取り返しのつかないミスに発展する恐れもあります。
仕事の失敗を防ぐための5か条
あなたは失敗しやすい人の特徴に当てはまっていましたか? 自分を省みることができたのなら、これからの仕事に生きてくるはずです。
仕事での失敗はできるなら避けたいもの。最後に、失敗を防ぐためにできる5つのことを紹介します。頭に入れながら、日々の業務と向き合ってみましょう。
(1)失敗を分析しておく
これまで自分がしてきた失敗には、何かしらの共通点があるはずです。
失敗を分析する際には「自分はこの部分が苦手だ」「こういった状況にミスが起きやすい」などと共通点がないか、抽象化して考えてみましょう。
その共通点を他の仕事で意識すれば、似たような場面で危機意識を抱くことができ、失敗を防げるはずです。
(2)仕事に優先順位をつける
自分の能力の範囲を超える量の仕事があったり、たくさんの作業を同時並行していたりすると失敗が起こりやすいです。
全体を見て、締切が近いものや緊急度が高いものから優先して仕事を行うようにすれば、効率良くゆとりをもって進められるでしょう。
大きな視野で仕事の全容を把握してから、1日のスケジュールを立てていくことが大切です。
(3)できないことはできないと言う
仕事に対して自分の経験が明らかに不足している、他の業務もあり期限が厳しすぎるなど、できないことは「このような理由でできません」と理由も含めて伝えるようにしましょう。
ただ単に「できません」だけでは、やる気がない、向上心がないと思われてしまう可能性があるので注意が必要です。
しかし、きちんとできない理由を伝えれば、相手も納得してくれるはず。期限を延長してもらえたり、サポートしてもらえたりすることもあります。もしくは、自分が思いつかない解決策を提案してくれるかもしれません。
自分の力を過信せずに、キャパオーバーなことは勇気を持って伝えましょう。
(4)上司に相談・報告する
曖昧な情報をもとに、不明点をそのままにして仕事を進めると、大きな失敗につながる恐れがあります。
「前もこうだったからこれでいいだろう」「あの指示は多分こういうことだろう」と自己判断や甘い推測で進めず、分からないことが出てきた時点で上司に相談したり、報告したりしましょう。
(5)メモは常に見えるようにしておく
大事なポイントを書き留めたメモは見えるところに貼っておくと、すぐ確認できるので失敗を未然に防げます。また、これまでの失敗を分析して、自分がつまずきやすいところもメモしておくと、同じ失敗を減らせるでしょう。
仕事を進めている時に違和感を抱いたら、いったん作業を止めてメモを確認する癖を。
違和感は、何かを勘違いしている可能性や、見落としがあるという証拠です。
ただし、経験が浅いうちは、ミスをしていてもこういった違和感を抱くことが容易ではありません。普段からメモを見て、段取りや重要なことを確認しながら進めましょう。
失敗を糧にしよう
仕事をする上で全く失敗しないことは不可能です。重要なのは、そこから何を学んで、どのように次へ生かしていくか。
失敗をした時は、自分を責めすぎることなく正しい対処法で失敗から立ち直り、糧にしてより良い仕事をしていきましょう。なかなか気持ちを切り替えられない場合は、この記事で紹介した対処法をぜひ試してみてください。
同じ失敗を何度も繰り返してしまえば「仕事ができない」「人の話を聞いていない」「学習していない」などと思われ信頼を失ってしまうので、それだけは避けましょう。
失敗したその先で、あなたがどんな行動を取るか。それ次第で、仕事の成果は大きく変わってくることでしょう。
(夏椿)
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※画像はイメージです
※この記事は2021年04月20日に公開されたものです