都合のいい人扱いから脱却するには? 特徴とやめる方法【診断つき】
職場で常に人の顔色をうかがって「都合のいい人」と思われていませんか? この記事では、「いい人」と「都合の良い人」の違いや特徴、そんな状況から脱する方法を心理カウンセラーの秋カヲリさんに教えていただきます。
「都合のいい人」は他人に利用されやすく、職場などで人間関係のストレスをため込みがちです。たとえ「いい人だね」と言われても、単に都合よく使われているだけだと感じるなら改善した方がいいでしょう。
都合のいい人をやめるために、本当の意味で「いい人」と「都合のいい人」の違いや、都合のいい人になってしまう心理、改善法などを解説します。
あなたもなってしまってない? 都合のいい人診断
まずは以下の質問で、あなたが都合のいい人なのかどうか確認しましょう。5つ以上当てはまる人は、都合のいい人になってしまっているかも。
・相手と違う意見は極力言わない
・愛するより愛されたい
・頼み事をされると無理してでも答えたくなる
・1人で過ごすのが苦手だ
・自分には足りないものがたくさんあると感じる
・人のことはあまり信用していない
・よくお世辞を言う
・本音を打ち明けることはほとんどない
・悩んでもあまり相談しない
・できるだけたくさんの人に好かれたい
「いい人」と「都合のいい人」の違い
いかがでしたでしょうか? あなたは「都合のいい人」でしたでしょうか?
では次に、そもそも都合のいい人とはどのような人か確認しましょう。 「いい人」と「都合のいい人」を比較しながら、その違いをお伝えします。
(1)自立しているか・依存しているか
「いい人」は自立していて自分の意見があり、それをきちんと相手に伝えることができるので、周りから「ちゃんと本音を話してくれる人だ」と信頼されます。
一方で、誰かに依存していると自分の意見を主張せずに相手に合わせて行動するので「都合のいい人」にはなりますが、本音が分からないのであまり信頼されません。
(2)決断力があるか・ないか
いい人は自分で選択する決断力がありますが、周りに合わせる「都合のいい人」は決断力がなく他人任せにする傾向があります。
自ら決断を下さないことで、意見が対立せず面倒事は避けられるものの、責任逃れをしているような印象を与えることも。
(3)NOと言えるか・言えないか
いい人は自立しているので自分の意思に従ってNOと言えますが、都合のいい人は争いを避けるためNOと言えません。
NOと言えないから相手に流され、都合がいい人になってしまうのです。
(4)自信があるか・無いか
自立していたり、決断力があったり、NOと言えたりする人は、自分自身を認めていて自信があります。
反対に、自分を認められない人は自信が無く、その分「人に認められたい」と考えて相手に合わせた行動をしてしまうのです。
「都合のいい人」になってしまう心理
前述してきたような、都合のいい人になってしまうのはどうしてでしょうか? その心理に迫ります。
(1)責任を負いたくない
自分で決断するのには責任が伴いますが、人に合わせて行動すれば「〇〇さんにそう言われたから」と責任逃れができます。
すると、決断しないし文句も言わないからと、自分自身がいいように使われてしまうことも。
(2)他人を信用していない
都合のいい人は対立を避けたいと考えて相手に合わせていますが、これは「対立したら人間関係がうまくいかなくなる」と思っているからです。
相手のことを信用していれば「たとえ意見が対立しても関係は崩れない」と思えますが、自分自身が相手を信用していないからこそ、そう思えないのです。
(3)自分を守りたい
相手の都合に合わせていれば基本的にはもめ事が起きないので、自分を守ることができます。面倒なことから自分を守るために、処世術として「都合のいい人」を演じているケースもあります。
(4)他人に必要とされたい
自己肯定感が低く、他人に自分の評価を委ねている人は「他人に必要とされたい」という他者承認欲求が強い傾向があります。
だから「相手にとって都合がいい人」になって、他人から好かれようとしているのです。
都合のいい人をやめる方法
そんな都合のいい人を卒業するには、自分の行動を改める必要があります。早速その方法を紹介します。
(1)自分で決めたことを楽しんで実行する
他人任せにする癖を直すために、自分で決めたことを楽しんで実行しましょう。
行きたかったカフェや、見たい映画に友人や恋人を誘ってみてください。主体的に動くことが怖くなくなり、自分の意思で行動できるようになります。
(2)断る時に代替案を出す
今まで都合のいい人だったのに、急に誘いやお願いを断るのには勇気がいるでしょう。そんな時は「それもいいけど、〇〇はどう?」と自分がやりたいことを代替案として提案するようにしてください。
意外と相手は「それもいいね!」と応じてくれることも多く、断る勇気が身に付きます。
(3)選択肢を絞る
自分の意思で選択するのが苦手なら、選択肢を絞ってから選ぶようにしてください。最初は他人にいくつか選択肢を提案してもらって、そこからやりたい物事を探してもいいでしょう。
(4)不安になったら「何とかなる」と唱える
都合のいい人から卒業する時に「本当に大丈夫かな? 嫌われたりしないかな?」と不安になることもあるでしょう。
そんな時は、「私なら何とかなる」と唱えてみてください。繰り返し自分に言うことで自己肯定感が上がり、小さな自信が芽生えます。
(5)都合のいい人でいるデメリットを考える
「このまま都合のいい人でいたら、どんなデメリットがあるんだろう?」と考えましょう。
自分の意見が言えなくてストレスがたまる、尊重されない、他人から利用されて搾取される、いつまでも成長できないなど、さまざまなデメリットが思い浮かび「もうやめよう!」という強い意志を持つことができます。
「都合のいい人」ではなく「いい人」になるためには
「都合のいい人」ではなく、本当の意味で「いい人」になるには、自分が変わるしかありません。
都合がいい人のままだと、ずるい人に目を付けられ、口八丁手八丁で利用され続けます。また、意志が無いため、あまり他人から尊重されません。そんな「他人に合わせている自分」を自分自身もなかなか好きになれないでしょう。百害あって一利なしです。
自分の意志に基づいて堂々と行動できる「いい人」になれば、おのずと他人からも自分からも愛されるようになります。
勇気を出して、自分軸で行動してみてください。自分の価値を見出せるようになり、今を生きている実感が生まれるでしょう。
(秋カヲリ)
※画像はイメージです
※この記事は2020年09月30日に公開されたものです