根に持ちやすい人の特徴8つ
けんかになった時に、「あの時だって○○だっだじゃん……!」と過去のことを根に持ち指摘してくる人っていますよね。言われる側は、たまったもんじゃありません。そこで今回は、「根に持つ人」の対処法を心理カウンセラーの桑野量さんに聞いてみました。
不本意に相手を傷つけてしまったり、迷惑をかけてしまったりすることは、コミュニケーションを取る上で避けられないかもしれません。しかし、それは謝罪や訂正をすればいいことです。
しかし、過去のそのような出来事を根に持っていて、事あるごとにその話を持ち出してくる人がいるかもしれません。なぜ、そのようなことをしてしまうのでしょうか?
過去のことをネチネチと言ってくる相手の心理や対処法を見ていきましょう。
「根に持つ」の意味やその状態とは?
そもそも根に持つとはどういう意味なのでしょうか? 軽くおさらいしてみましょう。
根に持つとは、「いつまでも恨みに思って忘れない」(出典:『デジタル大辞泉』)という意味です。
過去の出来事を覚えているだけではなく、そこにネガティブな感情を持ち続けているということです。そのネガティブな感情が相手から伝わってくるので、根に持つタイプの人を相手にしているとこちらまで嫌な気分になってしまうことがあります。
根に持つ人の言動・性格の特徴
では、根に持つタイプの人にはどのような特徴が見られるでしょうか? 言動や性格をそれぞれ見ていきましょう。
言動の特徴
(1)過去の話を蒸し返してくる
けんかになった時に、その場の話とは全く関係ない過去のことを何度も持ち出し、指摘してくることがあります。
(2)細かいことまで覚えている
相手が忘れているようなささいなことでも、根に持つ人は覚えています。「あの時に〇〇って言ったよね」など、言い回しまでしっかりと覚えていることが多いです。
(3)何度も確認してくる
自分が根に持つ性格だからこそ、相手にも根に持たれないよう細かいことまで確認してくる場合があります。
話していて神経質になり過ぎているように、思えるかもしれません。
性格の特徴
(1)細かい
小さなことでもこだわりを強く持つ傾向があります。逆をいえば、大雑把な人はささいなことを覚えていませんし、過去のこともあまり気にしないので、根に持つことは少ないです。
(2)繊細
傷つきやすい性格でもあります。過去の不満を覚えているのは、同じようなことが二度と起こらないように警戒しているからです。
傷つきやすい人ほど防衛反応から過去のことを覚えています。
(3)プライドが高い
プライドの高さゆえに、常に相手よりも優位なポジションに立とうとして、相手の過去の失敗を利用してしまうことがあります。
そのプライドの高さは、劣等感の裏返しかもしれません。
(4)頑固で負けず嫌い
変えられない過去の話を持ち出してまで、自分の意見を主張しているわけですから、頑固や負けず嫌いともいえます。
(5)執着しやすい
過去のことをいつまでも覚えているということは、それほど執着心も強いことを表しています。物や人にも執着しやすい性格なことが多いです。
根に持つ人の心理
では、何が原因でそうなってしまったのでしょうか? 根に持ってしまう心理を解説していきます。
(1)不安が強い
不安が強い人は、相手をコントロールすることで安心感を得ようとしてしまいます。
過去の変えられない出来事を使って、相手を自分が思うようにコントロールしようとしているのです。
(2)嫉妬している
実は相手に嫉妬しているので、過去の話を持ち出して相手の評価を下げることで、自分自身に劣等感を抱かないようにしていることがあります。
これは、過去の栄光の話を何度もしてしまう心理にも同じことがいえます。その場合は、過去の話で自分の評価を上げ、今の自分に劣等感を抱かないよう防御しています。
(3)自己肯定感が低い
根に持ってその話を何度もするのは、謝罪してほしい、受け止めてほしい気持ちの裏返しかもしれません。
自分が相手から大切に扱われていないと思っている分だけ、過去の話を何度も繰り返して欲求を満たそうとしているのかもしれません。
(4)ストレス発散
ストレス発散のために、相手の過去の失敗をネチネチと攻撃していることがあります。
八つ当たりといってもいいかもしれません。機嫌の悪い時に決まって過去の話をネチネチしてくる人はこのタイプです。
(5)相手のことを思う気持ちから
過去の話を持ち出すのは、相手にもう二度と同じような失敗をしてほしくない気持ちからの場合もあります。
言われている側からすれば、過去の話を何度もされてうっとうしく感じてしまいますが、相手にとってはあなたのためを思った発言で、何も悪気が無い場合もあります。
根に持つ人への対処法
では最後に、根に持ち過去を掘り返す人との上手な付き合い方を紹介します。何度も言われたくないと感じるなら、試してみてください。
(1)素直に謝る
根に持たれていることに対して、こちらがイライラしても良い結果を得られません。
相手をどうにかしようとすればするほど、話がややこしくこじれてしまう可能性もあります。それを避けるためには、過去に謝っていたとしても、とにかくもう一度謝ってしまいましょう。
そうすることで、相手の気持ちが満たされる場合もあります。
(2)気にしていない素振りを見せる
根に持つ人は、過去の話を掘り返すことで、あなたを思ったようにコントロールできると思っているかもしれません。
ですので、素直に謝った後は、何も気にしていない素振りを相手に見せましょう。相手がしていることに効果や影響力が無いこと示せば、過去の話をする意味が無くなっていきます。
(3)距離を置く
気にしないようにすればいいと分かっていても、どうしても自分の気持ちが左右されて落ち着かないのであれば、根に持つタイプの人とは距離を置いて関わらないようにしたり、最低限の接触に抑えるのがいいでしょう。
関わらないことで、自分を守るのも大切です。
(4)普段から相手を褒めておく
自己肯定感の低さやプライドの高さから過去の話を繰り返してくるのであれば、普段から相手を褒めて承認欲求を満たしてあげることも有効でしょう。
相手の承認欲求さえ満たすことができれば、満たされない思いから過去の失敗を掘り返しネチネチと言ってくることが少なくなっていきます。
余裕を持って接することを心掛けよう
根に持つタイプの人を相手にしなければいけない時は、とにかく気にしないことが一番です。でも、それが分かっていても、ネチネチと言われてしまうと心は動揺してしまうかもしれません。
相手の言動に左右されないように、まずは自分をしっかりと持つこと、そして、相手と同じ土俵に立ちイライラするのではなく、余裕を持って接することを心掛けてみてくださいね。
過去の失敗は、繰り返さなければ何の問題もありません。あなたが責任を感じ過ぎる必要はありません。
(桑野量)
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※この記事は2020年09月28日に公開されたものです