周りから好かれる人の6つの特徴
人の懐に入るのが上手い人っていますよね。その人の周りはいつもにぎやかで、うらやましく感じることも……。心理カウンセラーの小日向るり子さんは、そんなふうに周りから好かれる人には共通する特徴があるといいます。どういったものなのか、詳しく伺ってみました。
気が付くと、いつの間にか相手と親しくなっている人、あなたの周りにいませんか?
そういう、懐に入るのが上手な人物の周りには、たくさんの人が集まり楽しそうに見えますよね。また、自分が孤独を感じている時などは、まぶしく思う存在だったりもします
今回は「人の懐に入る」ことが上手い人の特徴や心理を考察してみたいと思います。
「懐に入る」の意味
「懐に入る」という言葉の意味ですが、これは昔、着物を着ていた頃はそこに財布を入れていたことから「金銭を自分のものにする」という意味で使われることがあります。
人間関係において使う場合は「相手に気に入られてつながりを持つ様子」をいいます。したがって、懐に入るのが上手い人とは一般的には「相手に気に入られることに長けている人」という褒め言葉としての意味として使われます。
ただ、一方では「取り入る」という意味合いもあり、これは「自分が有利になるように力のある人に働きかけること」を指します。
つまり、他者に対して「あなたは懐に入るのが上手だね」と言う時は、そこに皮肉や嫌味が込められている場合もあるのです。
懐に入るのが上手い人の特徴
それでは懐に入るのが上手い人にはどのような特徴があるのか見ていきましょう。
(1)聞き上手
まずは、聞き上手であることが多いです。具体的には、相手の話を遮らない、否定をせずに共感して聞く、リアクションが大きい、といった様子です。
(2)褒め上手
会話の中に褒め言葉を散りばめます。例えば、会話の中でただ相づちを打つのではなく「わぁ、それって素晴らしいね!」などの褒め言葉を挟みながら、自然に会話を進めることができます。
(3)愛想が良い
ここでいう「愛想が良い」は、常に明るい気持ちでいて笑顔を絶やさない人ということではありません。たとえ自分がどんな気持ちであっても、他人に向ける言動に対して好印象を与えるように心掛けているということです。
気持ちにムラがない人に対しては、周りの人間も声を掛ける心のハードルが低くなります。
(4)弱点のフォローが上手い
例えば、飽きっぽいことに悩んでいる人に「飽きっぽいのは切り替えが早いともいえるよね」とか、一歩が踏み出せない人に「慎重なのは逆に長所でもあるよ」と声を掛けてあげるなど、その人が弱点だと思っていることを長所として言い換えて伝えることが上手です。
(5)洞察力に優れている
言動から相手の心理を読み取る洞察力に優れています。そのため、自分が所属するグループの中で隠れて付き合っているカップルを当てて、周りを驚かせたりするなんてことも。
しかし、本当に懐に入ることが上手な人はグループ内の空気や人との距離感を読むことにも長けているため、そうした自分の洞察力をむやみにひけらかすことはしません。
(6)打算があるように見える
周りから見ると、その人の行動が打算的に見えてしまうこともあります。
つまり、本人としては打算が無く、相手と楽しく過ごしているだけなのですが、相手の人がたまたま権力を持っている人だった場合、「権力者からの利益を求めて取り入っている人」のように見えてしまうこともあるのです。
なぜ人の懐に入るのが上手いのか?
実は、相手の懐に入ることが上手い人は相手の「ある心理」を満たしたり、刺激したりしているからこそ好かれるのです。それはどういった心理なのか、深堀りしてみましょう
(1)承認欲求を満たしている
懐に入るのが上手な人は、上述した通り相手の話を共感しながら聞き、短所を長所に変換して伝え返すなどのコミュニケーションを取っています。それにより、相手は「自分は承認されている」と感じ、「承認欲求」が満たされていくのです。
(2)好意を伝えている
好意の返報性とは、人から何かをしてもらったらお返しをしたくなる……というもので、「自分に好意を持っている人には好意を抱きやすくなる」という心理状態を指します。
懐に入ることが上手な人は、この好意の返報性を利用して自分の好意を積極的に相手に伝えています。
(3)ミラーリング効果を使っている
ミラーリング効果とは、「自分と同じ言動をする人には好感を抱きやすくなる」という心理効果です。
例えばLINEの文章の長さを同じ程度にしたり、絵文字やスタンプを使用する頻度を合わせたりなど、ほんのささいなことでも生じる心理です。
懐に入ることが上手な人は、この「自分と一緒!」というミラーリングの心理を相手に持たせる演出に長けています。
(4)恐怖心を少しだけあおる
恐怖は与え過ぎてしまうと相手が離れていったり、相手を支配してしまったりすることになってしまいます。
懐に入ることが上手な人はこのさじ加減が絶妙で、例えば相手を不安にさせるようなことを言った後に「でもこうすれば大丈夫」といった知恵をアドバイスする、など恐怖を適度なスパイスとして活用します。
人は自分の感情に振り幅を与える相手に興味を持ちます。この場合は不安から安心という感情の振れ幅を利用して、良い方向に自分への関心を引き寄せるのです。
上手く懐に入れるようになる5つのコツ
ではここからは、懐に入るのが上手な人の特徴をもとに、自分たちでも参考にできるちょっとしたコツをお伝えしていきます。
(1)相づちに「なるほど」を使う
「なるほど」という言葉を相づちとして使うことをおすすめします。何を言われてもまずは「なるほど」と言うと、言われた相手は「気持ちを受け止めてもらった」という気持ちになります。
ポイントは、ぶっきらぼうに言わないこと。また、目上の人には「おっしゃる通りです」など言い換えることを忘れずに。
(2)相手の趣味嗜好を知る
相手の好きなもの、興味があるものを把握しましょう。特に懐に入ることをビジネスに生かしたい人は、お客様の趣味格好を記録しておくくらいの貪欲さを持つといいですね。
(3)相手のパーソナルスペースを知る
パーソナルスペースとは「これ以上近づかれると不快」と感じる空間のことで、これは男女による差もありますし、相手との関係性や個人の資質によってもかなりバラつきがあります。
ただ、まずはこうしたスペースが個々にあることを理解しましょう。そして、相手の表情や行動でどのくらいまでが許容範囲なのかを把握し、パーソナルスペースを侵さないように心掛けてみてください。
(4)語彙を増やす
自分の中にたくさんの語彙が無ければ相手を褒めることも、弱点を長所に言い換えることもできません。
語彙を増やすために必要なことは、まずはたくさん文章を読むこと。並行して日記などの文章を書いたり、人との会話を増やしたりすることでも語彙を増やすことができます。
(5)相手の立場で考える習慣を付ける
例えば、無理難題が多い上司にムカついた時に「でもこの上司もさらに上から指示されているから板挟みでつらいのかな」など相手の状況や感情に思いを馳せてみます。
そうすることで、相手の立場に良い意味で同情できるようになり、相手の承認欲求を満たすようなコミュニケーションが取れるようになりますよ。
自分がされてうれしいことを相手にもする
いかがでしたでしょうか。今回は、懐に入ることが上手な人の心理をお伝えしました。
心理学の手法を絡めてお話しした部分もあるので、少し難しそうだと感じた方もいるかもしれません。
しかし、基本は「自分がされてうれしいことを相手にもする、自分がされて嫌なことは相手にもしない」ということを心掛ければOK。
まずは、やってみることができそうだな、と思えるものからすぐまねできる簡単なことから試してみてくださいね。
(小日向るり子)
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※この記事は2020年08月19日に公開されたものです