すれ違いとは? 意味と原因・乗り越え方を解説
付き合っている相手や職場の人と気持ちやタイミングがすれ違っているような気がする……。そう思った時、あなたはどう対処しますか? そのままにしておくと、お互いの気持ちが冷めてけんか別れしてしまうかもしれません。すれ違いを改善する方法を、恋愛コラムニストのE子さんに聞いてみました。
恋愛や職場など人間関係におけるすれ違い。
何となく最近、相手と気持ちやタイミングがすれ違っているな……という感覚は、ひょっとすると別れの兆候かもしれません。
早めに気付いて、原因さえ分かれば、別れる前に対処することができるかもしれません。
「すれ違い」の意味とは
すれ違いについて詳しく知るために、まずは意味を見ていきましょう。
(1)意味と使い方
辞書によると、すれ違いとは下記の意味があります。
(1)触れ合うほど近くを反対方向に通りすぎること。
(2) 時間や位置などがずれて、会えるはずが会えないこと。
(3) 議論などで、論点がかみあわないこと。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
つまり、物理的に通り過ぎるといった意味の「すれ違い」と、相手と自分の意見が食い違っているといった人間関係の部分での「すれ違い」の大きく2つの意味に分けられます。
すれ違いは会話の中でよく使われる他、ゲームの「すれ違い通信」や失恋ソングのタイトルなどでも使われる言葉です。
(2)すれ違いの類語・言い換え表現
次に、すれ違いの類義語や言い換え表現を見ていきましょう。同じような意味合いの言葉を知ることで、より「すれ違い」がどういうことなのか分かりますよ。
・行き違い
・齟齬
・食い違い
・ボタンの掛け違い
行き違いは物理的に会えないケースの類語です。
その他は、うまく自分の思いが伝わらず相手と意見が違ってしまうといった、噛み合わないことを指した言葉となります。
(3)すれ違いの英語表現
すれ違いの英語表現についても紹介しておきます。
物理的に行き違うことは「passing each other」を使って表現できます。「passing」が通り過ぎる、「each other」がお互いにという意味になります。
心のすれ違いを指す時は、心が離れ離れになるといった意味合いのある「grow apart」を使うと良いでしょう。
「すれ違いざま」の意味は?
「すれ違いざま」には、ちょうどすれ違うその時という意味があります。「すれ違いざまに○○した」といった使い方をしますよ。
物理的に行き違うことのみに使われ、心のすれ違いを表す言葉ではありません。
▶次のページでは、人間関係のすれ違いでよくあるパターンを紹介します。
人間関係のすれ違いでよくあるパターン
人間関係においてすれ違いが起こるとどうなるのでしょうか。よくあるパターンを挙げていきます。
(1)連絡がつながらない
シンプルに無視されている……という場合もあるかもしれませんが、互いに電話をかけてもつながらず、折り返しても入れ違いでつながらず……。こんな状況は間違いなく「すれ違い」です。タイミングが合わず、なかなか連絡を取ることができません。
コミュニケーションが取れないと、不安が募ったり、何か誤解が生じたり。今後悪い方向へ発展しかねないので、要注意です!
(2)何となく相手の態度が悪い
以前はいつもニコニコしていたのに、最近、何だかそっけなかったり、ちょっとしたことでイライラされてしまったりする。こう感じる時は、二人の思いがすれ違ってしまっていると考えられます。
(3)会う優先順位を下げられる
こちらは会いたいと思っているのに、相手が乗り気じゃない……。他の友達との約束を優先されたり、無理をしてでも会おうとはしてくれず、「疲れているから」などと断られることが増えてきます。こういった、思いの差はすれ違いが起こっているからといえるでしょう。
▶次のページでは、人間関係においてすれ違いが起こる原因を紹介します。
【恋愛】カップルや夫婦のすれ違いが起こる原因
そもそもすれ違いって何が原因なのでしょうか? 実はその中には、相性が悪いというわけではなく、環境によるものも多いのです。
ここからは、特にすれ違いが起きやすい「恋愛」にフォーカスしてすれ違いの原因について解説します。
以下で紹介する項目に該当する人は、「すれ違いやすい状況にある」としっかり自覚して注意する必要があるでしょう。
(1)お互い忙しくタイミングが合わない
お互いが仕事や趣味で多忙な場合、二人の時間がぴったりと合うことはなかなかありません。事前に約束をしておかないと会えない……というくらい、空き時間が無い人たちの場合、ここぞというタイミングで会うことができません。
例えばどちらかの体調不良だとか、けんかをした時など、すぐ会いに行くことが大切なシーンで「他の用事があって会えない」となるのは致命傷です。
(2)遠距離で滅多に会えない
会う頻度が極端に少ない……というのも、それだけで一気に気持ちがすれ違うものです。会えないのならば、よりいっそう電話やLINEなどでしっかり相手との時間を取ることが重要です。
また、遠距離はちょっとしたけんかなどでも「会いに行って解消」することが難しいので、すれ違いやすいでしょう。
(3)けんかやいざこざの後、話し合いをしない
こちらはカップルの特性として、「話し合いをしない」というもの。何か揉めたり、雰囲気が悪くなったりしても、それについてじっくり話し合うことを避け、何となく時間が解決する……という方法を選択するカップルは要注意です。
こういった解決方法だと、根本原因がそのままとなってしまい、お互いの不満が蓄積されていくことに。それにより、年月が経ってから互いに譲れない大きな価値観の違いを目の当たりにすることになりかねません。
▶次のページでは、恋愛ですれ違った時の乗り越え方を紹介します。
恋愛ですれ違った時の乗り越え方
では、別れを決断してしまう前に、どのようにカップルのすれ違いを乗り越えていくべきかを考えていきましょう。
(1)素直なコミュニケーションを心掛ける
女性は「察してちゃん」が多いとよくいわれます。すれ違いの渦中にいるのに、「察してほしい!」などと、分かりにくい感情表現をしてしまうとますますこじれてしまうでしょう。
寂しい時は「寂しい」、怒ってしまった時は素直に「あなたが好きだから、つい心配で怒ってしまった」など理由を説明するようにしましょう。誤解のないように、素直に言葉にすることが大事ですよ。
(2)とりあえず、会う
カップルの問題の大半は「会う」ことで解決します。会っても解決しないのなら、別れを検討する段階かもしれませんが、直接会わないまま別れを検討するのはよくありません。
特にすれ違いやすい遠距離や、多忙などで会えないのであれば、深刻な事態になる前に、無理してでも会いに行きましょう。たった10分顔を見るために、往復2時間かけて会いに行く……でもいいのです。短い時間でも、直接会うことがとても重要です。
(3)愛情や感謝を伝えてみる
普段は照れくさくて言わないかもしれませんが、日ごろから感じている愛情や感謝の気持ちを伝えることが大事です。だんだん関係がこなれてしまって、愛情が感じられなくなり別れてしまうカップルも少なくないもの。
唐突でも何でもいいので、過去の思い出や、あんなことをしてくれてうれしかった、これからも一緒にいたい……など、素直な気持ちを伝えてみてはどうでしょうか?
カップルは「会って」、「素直に」話し合うことが大事
すれ違いは、誰にでも起こりえる問題で、あなたが悪いとも限りません。カップルであれば誰でも体験する可能性がある問題だと捉えておくべきでしょう。
そして、すれ違いを防ぐ方法は、まず直接「会う」こと。そして、感情表現は「素直に」、思っていることをきちんと伝えること。意地をはらずに、愛情や感謝を伝えることは全てのカップルにとって重要なことです。
大事な人との関係を、大事に育んでいけるように、日ごろから気を付けていきたいものですね。
(E子)
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※この記事は2020年07月30日に公開されたものです