愛とは何か? 愛の定義と永遠の愛はあるのか問題
愛とは何か、深く考えたことはありますか? 世の中には「本物の愛」や「永遠の愛」といった言葉がありますが、それは本当に存在するのでしょうか? そんな難しいテーマに恋愛コラムニスト・ラブホの上野さんが答えてくれました。
愛に寿命はあるのか
「サバの生き腐れ」なんて言葉もある通り、サバはすぐに腐ります。
常温保存でもしようものならば、数時間で腐り始めるレベルでしょう。特にこれからの季節は食品が腐りやすくなるので、皆様くれぐれもご注意くださいませ。
そんなサバであっても、冷蔵庫に保管しておけば2~3日くらいは鮮度を保てます。また締めさばにして冷凍すれば2週間くらいは日持ちするでしょう。さらに缶詰保存をすれば3年くらいは平気だそうです。
もちろん正確な時間は商品の消費期限をご確認くださいませ。ここで紹介させていただいた内容は、あくまでも私が食品売り場で確認した数字であり、参考程度のもので御座います。この内容を信用してサバにあたっても、当方では一切責任は取れません。
少し脱線しましたが……ともかく、非常に腐りやすいサバでも調理法や保存方法を工夫すれば消費期限が延びるのは間違いないでしょう。
私は愛もこれと同じだと思っております。
どんな方法で保存しようともサバがいつかは腐るのと同じように、全ての愛はいつか必ず終わります。永遠の愛など存在しないと思っています。
しかし相手との相性や、付き合ってからの行動でその寿命を延ばすことはできるでしょう。そして愛の寿命が命の寿命を上回った時、私たちはその愛を永遠の愛と“錯覚”するので御座います。
例えは悪くなりますが、若くして恋人が亡くなった場合などはこの錯覚がよく起こるといえるでしょう。
愛の寿命が1年しかなかったとしても、それより前に命の寿命が尽きてしまえばその愛は永遠であったかのように見えるのです。
しかしそれは「見える」だけに過ぎません。もしも亡くならずにいたら、1年で別れてしまっている可能性だって十分に存在するのです。
全ての愛には寿命がある。
工夫次第で愛の寿命を多少延ばすことができても、無限に延ばすことはできません。どんな方法で調理をし、保存をしようとも、サバはいつか腐るのです。
そしてこのことを心に刻んでいるからこそ、愛が長持ちするというのは間違いありません。
サバはすぐに腐るからこそ、人類はこうしてサバを長持ちさせる調理法を考えたのです。
それは愛も同じ。危機感があるからこそ、人は愛を長持ちさせるための努力ができるのです。危機感がなければ人は努力などいたしません。
愛は必ず終わる。
しかしそのことを心に刻んでいれば、愛の寿命が命の寿命を超えることもあるでしょう。
終わる愛にも意味がある
前述した通り、愛には寿命が御座います。
このようなことを言うと必ずといっていいほど、「絶対に終わりを迎えるなら、最初から愛さない方がましだ」と言う方がいらっしゃいます。おっしゃりたいことは分かりますが、その考えはあまりにも危険でしょう。
私は、いまだに人類が不老不死になったというニュースを聞いておりません。もしかしたら私が無知なだけかも知れませんが、おそらく人類はまだ死から逃れることはできていないでしょう。
人間は私の知る限り必ず死ぬのです。つまり人生は必ず終わるのです。
それならば生きていない方がましでしょうか?
その理屈が正しいのなら、人類はみんなまとめて今すぐ自殺をした方が良いでしょう。もしかしたら、そんなことを言っている宗教もあるかもしれませんが、少なくとも私の信ずる神はそんなことを言っておりません。
たとえ愛が終わったとしても、愛し愛されたことに意味があるのです。
それに愛の場合、時には命の寿命を上回ることもあるでしょう。寿命があることに変わりはありませんが、命の寿命を上回った愛は、「永遠の愛」と見分けが付かないのですから。
※この記事は2020年07月29日に公開されたものです