自分語りする人の特徴とは? 自分語りが多い心理と接し方のコツ

「他人の自分語りがうざい……」と思ったことはありませんか? 自分語りが多い人の心理状態を分析しながら、カウンセラーの高見綾さんが対処法を解説します。

自分の話をするのは悪いことではありませんが、一方的過ぎると「自分語り」として嫌がられてしまいます。あなたの周りにもそんな人はいませんか? 毎回だと聞くのもしんどくなってしまいますよね。

そんな自分語りをしてしまう人は、どのような心理なのでしょうか。上手な対処法も紹介しますので参考にしてみてください。

自分語りが多い人の特徴

では、始めに自分語りが多い人の特徴についてみていきましょう。

(1)話が長い

「それでね……あれでね……」とマシンガントークが延々と続きます。

思い浮かんだことを次から次へと話すので、聞き手は「話があっちこっちに飛んで長いし、結局何が言いたいのか分からない」と思ってしまいます。

(2)相手の話に興味を示さない

相手の話に興味があれば「それで、どう思ったの?」とか「大丈夫だった?」とか、相手の気持ちを聞く質問をしますよね。

しかし自分語りをする人は、そういった質問をすることなく、相手の話はすぐ終了させてひたすら自分の話ばかりをします。

(3)人の話を取ってしまう

相手が「最近すごく忙しいんだよね~」と話し始めたら、通常は「そうなんだ、仕事が大変なの?」と聞いたりして、会話を膨らませていきますよね。

でも、隙あらば自分語りをする人は「へえ~。あ、そうそう、私も最近忙しいんだよね。こないださ……」とすぐ自分の話にすり替えます。

(4)会話の流れを無視しがち

自分語りをする人は、会話の流れを考慮せず唐突に自分のしたい話をします。

「そういえばね」と無関係の話を始めるのですが、本人は自分の話したい内容で頭がいっぱいなので、流れを無視していることに気付いていないことが多いです。

(5)自慢や自虐的な話が多い

自分語りをする人は、暗に自己アピールをすることが多いのも特徴です。また、女性同士の会話は巧妙なので、あからさまな自慢話ではなく自虐ネタが入っていたりすることも。

話を聞いて「何が言いたいの?」「なぜかもやもやする」と感じた時は、自分語りによるマウンティングかもしれません。

自分語りが多い人の心理

そんな自分語りが多い人は、どのような心理なのでしょうか? 4つ考えられます。

(1)気分が良いからますます話したくなる

私たちは、自分について話すと気分が良くなります。話していてだんだん気持ち良くなってしまうので、相手の興味関心が薄れていることに気付かなくなるのです。

(2)自分を認めてほしい気持ちが強い

自分語りをする人は寂しがり屋で承認欲求が強く、「構ってほしい」「自分を認めてほしい」という気持ちを持っています。

そして、根底では自分に自信が無いため、優越感を得たいという心理も強くなります。自慢したり、マウンティングをしたりしてしまうのも、こういった心理からです。

(3)沈黙が苦手

自分のことばかりしゃべってしまう人の中には、沈黙が苦手な人もいます。

そもそも、ポンポンと話題を思いつくような人ばかりではないので、沈黙も時には必要なのですが、自分語りをする人は空白を埋めようと思って自分の話が止まらなくなってしまいます。それゆえ、話し終わるのを待っている人がいることに気付きません。

(4)仲良くなりたくて空回り

コミュニケーションが苦手な人にありがちですが、仲良くなりたくて一生懸命自分の話をしてしまうのです。

相手がいまいち盛り上がっていないことに気付いたとしても、黙るとか相手に質問するとかいった軌道修正ができません。相手の興味関心を取り戻そうとして、さらにしゃべり続けて空回りしてしまうパターンも。

自分語りが多い人への対処法

自分語りが多い人は、どうしても「面倒くさいな」と感じてしまうもの。ただ、露骨にそんな態度を示すわけにもいきません。

そこで、最後に自分語りを上手に受け流す方法と、自分語りを止める方法をご紹介します。

受け流す方法

(1)相手の話をオウム返しにする

おしゃべりが延々と続くと、何て返事をしたらいいのか悩みますよね。そんな時は、相手の話をそのままオウム返しにするのがおすすめ。

例えば、「それでさぁ、彼が晩御飯ごちそうしてくれたんだよね」と言ったら、「へえ~、彼がごちそうしてくれたんだね」と返します。

オウム返しすることで、相手は自分の話を受け止めてもらえたと感じますし、空回りしてしゃべってしまう人は気持ちが落ち着ついてくることもあります。

(2)適度な相づちを打つ

「えっ、それでどうなったんですか?」と質問をしたり、「すごいですね」「さすがです」といった褒め言葉を使ったりすると、相手は承認欲求が満たされ気持ち良くなっていきます。

すると、自分語りがヒートアップすることになるので注意しましょう。

「へえ~」「そうなんですね」程度の適度な相づちを打ちましょう。

(3)客観的に話を聞く

私たちは自分事に置き換えながら人の話を聞くことが多いですよね。しかし、自分語りをしている人の話を真に受けたり、のめり込み過ぎたりすると、自分の感情が揺れて疲れてしまいます。

自分語りをする人は隙あらば話を聞いてもらいたいだけなので、自分事に置き換えずに「そういうこともあるんだな」程度に軽く受け止めておくのが良いかもしれません。

自分語りをさせない方法

(1)脱線し始めたら軌道修正する

自分語りが止まらない人は、あれもこれもと話しているうちに自分でも何が言いたいのか分からなくなっています。

そこで、脱線してきたなと思ったら、「〇〇ということですよね」とそれまでの話を簡潔にまとめます。もしくは、「〇〇はどうなったんですか?」と質問して、自分が聞きたい方向へ誘導するのもおすすめの方法です。

事前に軌道修正をしてしまうことで、着地点が見えてくるので聞くストレスも軽減されますよ。特に仕事では、おしゃべりをずっと聞いているだけでは業務が進まないので、相手任せにするよりも、こちらがコントロールをしてしまう方がいいですね。

(2)一通り聞いたら話題を変える

グループで話している時は、一通り話を聞いたところで、誰かに話を振って話題を変える方法もあります。

「そうそう、映画といえばさ、〇〇さんも映画好きだったよね?」など、会話の中で出てきた単語を1つ拾って展開させるとスムーズです。

また、グループの別の人と違う会話を始めてしまうのもありです。1対1の時は「今日は15時には帰らなきゃいけないの」と用事を理由に、終わりの時間を決めてしまうと良いですね。

(3)「なんか脱線してきたな~」と冗談ぽく言う

友人など本音を伝えられる間柄なら、話が長くなってきた時に「なんか脱線してきたな~」「ちょっとちょっと、話が長くなってきたぞ~」と突っ込んでみるのもありです。

自分語りをしている人は、自覚が無いことが多いので、伝えることで「そうなんだ!」と気付いてくれるかもしれません。

自分語りを我慢して聞き、真に受けてしまうとイライラしますよね。怒りが溜まらないうちに、なるべく早めに対応したいものです。

真摯に受け止めなくてもいい

気持ちの良い会話は、キャッチボールのようにやり取りをすることで成り立ちます。一方的に自分のことばかり話されてしまうと、疲れてしまいますよね。

自分のことを話すのは気分が良いので、「もしや私もやってしまっている……?!」とドキッとした方もいるかもしれませんね。

おしゃべりが止まらない人の大半には悪意は無く、とにかく聞いてほしいだけなんです。自分語りされても真に受け過ぎないようにしたいですね。

(高見綾)

※画像はイメージです

※この記事は2020年07月23日に公開されたものです

SHARE