「心が落ち着かない」なら試すべき8つのこと
緊張や不安から「心が落ちかない」ということはよくあること。今回は心理カウンセラーの秋カヲリさんに、心が落ち着く方法やその習慣を教えてもらいます。今すぐ試してみましょう。
大事な商談やプレゼンのとき、あるいは好きな人と話すとき。緊張してうまくいかなかったり、いつも通りの行動ができなかったりすることがありますよね。
緊張や不安に押しつぶされそうなとき、どうしたら心を落ち着けられるのでしょうか。落ち着きをなくしてしまう原因と、落ち着きをなくしたときの対処法を解説します!
緊張や不安から落ち着きをなくす原因
緊張や不安があると、落ち着きをなくしてしまいがちになりますよね。まずは、落ち着きをなくす原因を知り、自分に当てはまることがあるかチェックしてみましょう。
(1)自分をよく見せようとしている
等身大の自分に自信がありません。そして他人に対して、自分をよく見せようと意気込めば意気込むほどプレッシャーが大きくなり、緊張や不安もふくらんでいきます。
(2)完璧主義
完璧主義の人は「絶対に失敗しちゃダメだ」「どんなに小さいミスでも、ミスはミス」というように自分に厳しい考え方をするため、どんどんハードルが上がっていきます。
その結果、目標の難易度が高くなり「できないかも」という不安が募り、緊張してしまうのです。
(3)ネガティブな思い込みが強い
「きっと失敗するに違いない」「もしこうなったらどうしよう」と悪い方向にばかり考える人は、被害妄想がふくらみ落ち着きがなくなってしまいます。
ネガティブな思い込みが強いと、どんどん不安になってしまうもの。「うまくいかないかも」という恐れが緊張につながり、平常心を失ってしまうのです。
落ち着きをなくしたときの簡単な対処法
落ち着きをなくしてしまったときの対処法を4つご紹介します。誰でも簡単に実践できるものなので、落ち着きたいときにぜひ試してみてくださいね。
(1)落ち着きがない状態を認める
落ち着きをなくしてしまったら、正直にその状態を認め、受け入れることでかえって心が落ち着きやすくなります。
これは心理学において「主張的反応(アサーティブ)」と呼ばれる行為で、正直に気持ちを表現し、自己主張することで前向きな行動ができるというもの。「自分が落ち着いている」と無理に強がるより、「自分は不安や緊張を感じて落ち着きをなくしている」と受け入れた方が、案外冷静になれたり気が楽になったりします。
(2)失敗したときの対処法を考えておく
「失敗したらどうしよう」とソワソワしている人は、失敗する確率が高い人ではなく失敗した後の行動がイメージできていない人です。誰でも失敗する可能性はありますから、失敗してもそれをリカバリーできる対処法を考えておくのが大事です。
逆に、対処法さえ押さえておけば失敗が怖くなくなります。最悪のシナリオを想定し「どうしたら失敗してもうまく切り抜けられるか」を考えることで、心が落ち着くでしょう。
(3)ハードルを上げ過ぎない
「絶対に成功させる」「失敗はありえない」「全員に良く思われたい」というように、自分に課すハードルが高いほど緊張しやすくなり、いつも通りの行動ができなくなってしまいます。
目標は「がんばればできそう」と思える現実的なラインに設定して、必要以上に緊張しないように心をコントロールしましょう。
(4)体の力を抜く
体の緊張は心の緊張とつながっていますから、体の力を抜けば緊張感が和らぎリラックスしやすくなります。
まず、体にぐっと力を入れて緊張させてから、一気に力を抜いて脱力状態にしましょう。それと同時にふーっと息を吐き出すと、不安や緊張を緩和させることができます。その場ですぐにできる簡単な方法で、即効性もあるのでおすすめです。
心を落ち着かせる習慣
心を落ち着かせるには、普段から自分をコントロールする癖を付けておくのが一番効果的です。
心を落ち着かせやすくなる習慣を4つご紹介しますので、地道にトレーニングして落ち着いた自分になりましょう。
(1)別人格になりきる練習をする
心を落ち着かせたいのになかなかうまくいかない人は、別人格になりきるのも一つの方法です。
別人格というと難しく聞こえるかもしれませんが、誰しも複数の人格を持っているもの。例えば恋人の前の自分と、家族の前の自分、友達の前の自分、同僚の前の自分でそれぞれ違いがありますよね。それと同じように「常に落ち着いている冷静な自分」の人格を作ります。
仮面を付けるようにその人格になりきれば感情を受け流し、心を落ち着かせやすくなります。これを心理学では「ペルソナ・ペインティング」と呼び、うまく感情をコントロールしたい方にもおすすめです。
(2)自己効力感を高める
「自分ならできる!」という自己効力感は自尊心を高め、感情に流されない強さを育てます。どんな局面にぶつかっても心を落ち着かせ、課題を乗り越えられるでしょう。
しかし、自己効力感は、単に「自分ならできる!」と言い聞かせるだけでは高まりません。成功体験を蓄積したり、信頼できる人に認められたり、誰かの成功を間近で観察したり、気分を上げたりすることで高まります。
自分で成功体験を積み重ねるのが一番確実ですが、すぐに効果を実感したいなら信頼できる人に励ましてもらったり、理想の成功体験をした人の話を聞いたり、元気が出る音楽を聴いたりして自己効力感を高めましょう。
(3)理想を宣言する
自分の理想を言葉にして肯定することで、潜在意識に働きかけ理想を実現する可能性が上がります。理想を宣言すれば、成功に近づけるということ。これを心理学では「予言の自己成就」と呼びます。
心を落ち着かせたいなら「私なら大丈夫」「いつでも落ち着いている」と人に宣言したり、日記に書いたり、SNSで発信したりしましょう。ある種の思い込みともいえますが、だんだんと自分の意識が変わり、その理想に近い状態になっていきます。
(4)他人と自分を分けて考える
心が落ち着かないとき、自分ではなく他人のことを考えているケースがほとんどではないでしょうか。「あの人に嫌われたらどうしよう」「ダメな部下だと思われるかも」と他人からの印象を気にしていませんか?
こうした理由で落ち着かない気分になるなら、他人と自分を分けて考えましょう。たとえ相手があなたを嫌ったとしても、その原因はあなたではなく相手にあると捉えるのです。相手が何らかの課題を持っていて、それによってあなたを受け入れられないだけ。そう思えば「仕方ない」と割り切り、いろいろと気にしなくなります。自然と心の落ち着きを取り戻すでしょう。
緊張をほぐす方法はこちらの記事も併せてチェックしてみてくださいね。
対処法を知れば、落ち着きを取り戻せる
心が落ち着かないときは、不安や緊張などネガティブな感情を抱えています。こうした感情への対処法を知っておけば、慌てることなく気持ちを切り替えられます。
ご紹介した落ち着く方法を実践し、自分の心を上手にコントロールして日々のモヤモヤを乗り越えていきましょう。毎日をもっと楽しめるようになりますよ。
(秋カヲリ)
※画像はイメージです
※この記事は2020年03月30日に公開されたものです