断れない人の心理とは? 特徴5つと断れない性格の直し方&対処法
断れない自分や周囲の人にイライラすることはありませんか? 今回は、心理カウンセラーの高見綾さんが断れない人の心理や特徴を分析。性格を直す方法や、角を立てない断り方のコツを解説します。
頼まれごとやお誘いを本当は断りたいのに、なぜかそれができない。そんな自分を変えたいと思う人も多いでしょう。
今回は、断れない人の特徴や心理を解説します。
断れる自分になるために日頃からできることや、角を立てずに断るためのコツを紹介します。
うまく断れずにイライラ……。断れない人あるある
何か頼まれたり誘われたりすると断れないことってありますよね。
では具体的にどんなシーンでそういったことが起きやすいのでしょうか。いくつかありがちな例を挙げてみるのでチェックしてみましょう。
人の仕事を肩代わりして
職場に時短で働く人がいて、終わらなかった仕事を肩代わりすることになった。
飲み会の幹事を押し付けられて
職場の飲み会で幹事をやってほしいと頼まれた。昨年もやっているから今年は違う人にお願いしてほしかったが断れなかった。
気が乗らないご飯に誘われて
そこまで仲良くない同僚からご飯に誘われた。気が乗らなかったが、「行きます」と言ってしまった。
友達に足として使われて
友達と遊びに行く時に、車出してよと言われ、毎回車係になってしまっている。
雑務の多い町内会の活動を引き受けて
町内会の活動を頼まれて引き受けたが、次第に雑務をたくさん任されるようになり、しんどくなってきた。
人からお勧めされて
美容院でヘアケア商品をお勧めされると、断れずに買ってしまう。
断れないことは短所?
なんでも主張すればいいというものではないですが、かといって断れないのもストレスが溜まるもの。断れないことは悪いことなのでしょうか。
誰かのために何かしてあげたいと思う心はとても大切です。困っている人に、自分ができることをしてあげられたら素敵ですよね。
とはいえ実際には、助けてあげる余裕がない時もあるものです。疲れていて休みたい日もあるでしょうし、一回はOKでも毎回となると負担に感じることもあるでしょう。
余裕がないのに引き受けると、次第に負担になっていきます。
自分が笑顔でいられない時には、相手にも優しくできなくなってしまうので、お互いにとってあまりいい状態とは言えないでしょう。
こういったことから、断れないことはマイナスな側面が大きいと言えます。
あくまでも自分を大切にしながら、「できる範囲でする」というスタンスでいることが、バランスが取れていいように思います。
断れない人の5つの特徴&心理
嫌だと思っているのに断れないのには、それ相応の理由があります。ここでは断れない人の特徴や心理について解説します。
(1)揉めたくない気持ちが強い
断れない人は、人の気持ちにとても敏感です。穏やかで平和であることを望むので、人が感情的になっている様子を見るのは苦手です。
断ることで関係が悪くなるというのが一番避けたいことなので、「自分が我慢すれば丸く収まる」と考えがちです。
(2)いい人だと思われたい願望がある
嫌われるのが怖くて、いい人に思われたい気持ちが強く、断ったら「冷たい人だと思われるのではないか」と恐れています。
自分が誘って断られたら傷ついてしまうことが多いため、相手も同じように傷つくのではないかと感じています。
「良い人」を辞める方法はあるのか、心理カウンセラーの秋カヲリさんが解説します。
(3)役に立ちたい気持ちが強い
断れない人は、困っている人がいるなら助けになりたいと純粋に思っています。
「相手の喜ぶ顔が見たい」「相手の期待に応えたい」という思いから、自分の都合より相手の都合を優先してしまいます。
誰かの役に立ちたい、必要とされたいと感じる心理について、化粧心理学者の平松隆円さんが解説します。
(4)自己評価が低い
自分に自信がないので、相手のいうことを聞いて自己評価を上げようとします。
「誰かに頼りにされる自分」「役に立てる自分」に価値を見出しているのです。つまり、断ることは自分の価値を失うことにつながるので、怖くてできないのです。
自己評価が低い人の特徴や向き合い方を心理コーディネーターの織田隼人さんが解説します。
(5)人を頼ることが苦手
断れない人は責任感が強く、「頼まれたからには頑張ろう」となんでも自分でやろうとするところがあります。
仕事ができるがゆえ、抱え込みすぎてしまうことも。
また、自分が断ることが苦手だから、人に頼むと「相手も同じように負担に感じるだろう」と考える人が多いです。
断れる人になるための5つの改善方法
では、断れる人になるために日頃からできることは何があるでしょうか。
(1)小さなことから断る練習をする
本当は断りたいと思っているものを、紙にひと通り書き出してみましょう。すると自分が何を嫌だと思っているのかが明確になります。
いきなり全部を断るのはハードルが高いので、その中から比較的簡単に断れそうなものを2~3個ピックアップして、断る練習をしましょう。
(2)日頃から自分の気持ちを表現する
NOが言えない人は、YESの意思表示もしていないことが多いです。
「これが食べたい」「これが好き」「これをやってみたい」など、簡単なことでいいので、日頃から自分の気持ちを表現していくように心がけましょう。
(3)断ることは相手を拒否するわけではないことを認識する
「断る=相手を拒否する」と認識していると、断れなくなります。
断ることは、自分の事情を伝えているだけで、相手を拒否しているわけではないことを認識しましょう。
自分のできないことを正直に伝えるほうが、信頼できる人だと思われやすくなります。
(4)「自分はどうしたいか?」を考える癖をつける
断れない人は、相手の都合を優先するあまりに、自分の都合を置いてきぼりにしがちです。
「それで自分はどうしたい?」を考える癖をつけ、相手の都合と自分の都合をバランスよく考えるようにしましょう。
(5)ちょっとしたお願い事をする
断れない人は、人を頼ることが苦手です。人にお願い事をして引き受けてもらう経験も、断られる経験も両方していくことで、断ることのハードルを下げていくことができます。
「雨の日に車で迎えに来てほしい」など、断られても大丈夫な程度の、ちょっとしたお願い事をすることから慣れていきましょう。
人間関係を悪化させない3つの断り方
とはいえ、断ることで人間関係にひびが入るのでは……と思っている人に、とっておきの断り方を紹介します。
この断り方なら、NOを言っても気まずくならず、むしろ相手によい印象を持ってもらえますよ。
さまざまなケース別の断り方のコツは、こちらの記事も併せてチェックしてみてください。
(1)「謝罪+断る理由+代替え案」の順番で話す
「謝罪+断る理由+代替案」はどんな場面でも使える黄金の方程式ですので、覚えておいて損はありません。
たとえば仕事を頼まれた時に「申し訳ありません、今日は急ぎの仕事があり対応できないのですが、明日の午前中なら対応することができます。いかがでしょうか」と言えば、誠実さが伝わります。
もし代替え案を提案できない時には、「どうにかお力になりたいのですが……」と難しいことを伝えてみるといいですね。
(2)素直に理由をいう
プライベートな関係の場合は、断る理由は曖昧にせず素直に話したほうが、気まずくならないことが多いです。
用事がある、という言い方よりも、「その日は他の友達と約束がある」など具体的な方が納得してもらいやすくなります。
気が乗らない時には、「ごめん! 最近忙しくて……ちょっと休みたいの」と、自分の事情を話しておくと理解が得られやすくなるでしょう。
(3)困ったお誘いには主導権を握る
興味がないのにしつこく勧誘されるなど、困ったお誘いには、主導権をこちらが握ることが大切です。
「ありがとうございます。何かありましたらこちらから連絡しますね」と丁寧に伝えておくと、角が立ちません。
うまく断れるような人になろう
断れない人は、断ることで関係性が悪くならないかを恐れています。
しかし断るということは、自分の事情を伝えるだけで、相手を拒否しているわけではないのです。
自分の都合も大切にして、誠実さが伝わるような上手な断り方をマスターしましょう。
(高見綾)
※画像はイメージです
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※この記事は2020年03月23日に公開されたものです