孤独な人の特徴や心理とは? メリット・デメリットも紹介
孤独な人はミステリアスでモテるイメージがある一方、やはり本人としては寂しさを感じている場合も。本記事では、孤独な人の特徴や心理、孤独な人からの脱却法などについて、心理カウンセラーの高見綾さんが解説します。
周りと距離を保ちながら生きてきた孤独な人。
ひとりでいることが気楽で楽しいと思うときもあれば、やっぱり人と一緒にいたいと思い気持ちが揺れ動くことがあるかもしれません。
今回は、そんな「孤独な人」の特徴や心理に触れながら、孤独を脱却する方法や強みにする方法を考えていきます。
孤独な人の特徴
周りと距離を取っている「孤独な人」には5つの特徴があります。
(1)ひとり行動が好き
孤独な人は、ひとり遊びが得意で群れることを好みません。
興味のあるところには、ひとりでどこでも出かけていく行動力を持ち合わせています。マイペースで自分の好みがはっきりとしています。
(2)感情の揺れが少なめ
孤独な人は、内向的な性格で自分の時間を大切にします。
他人と積極的にかかわることをしないので、人に振り回されることが少なく、感情的に落ち着いています。そのため喜怒哀楽の表情もあまり表に出ないことが多いです。
(3)精神的に強い
自分なりのこだわりがあり、周りがどうであったとしても、自分で納得した答えを出したいと思っています。
価値観がはっきりしているため、周囲に振り回されることが少なく自分を貫く強さがあります。
(4)あまり自分のことをしゃべらない
もちろん職場では仕事のことは話しますが、プライベートのこととなるとあまり話さないという人が多いです。
単純に何を話せばいいのかわからないと思っている人もいますし、仕事とプライベートを分けていて、自分のことをあまり知られたくないと思っている人もいます。
(5)周りに同じ目線で話せる人がいない
成功者は孤独な人が多いといわれているように、どんどん出世したり事業で成功をおさめたりすると、同じ境遇にいる人がぐっと減ります。
人の上に立つポジションになると、同じ目線で話せる人が少なくなるため、結果的に孤独な人になるケースも。
孤独な人の心理
では、どうして孤独な人になってしまうのでしょう。心理を紐解いていきます。
(1)程よい距離感が好き
人間関係においては、基本的には相手に干渉することも、干渉されることも好きではありません。お互いが自由に振る舞えるような適度な距離感を好みます。
また、感受性が豊かなため、付き合う人を厳選します。寂しいからといって群れることはなく、一緒にいて心地よくないのであれば、ひとりでいたほうがラクだと考えています。
(2)自分のペースで動きたい
自分のスタイルが確立されているので、自分のペースで動きたいと思っています。人がかかわると自分のリズムが乱されることがあるため、それが苦手なのです。
自分を抑えてみんなと一緒に歩調を合わせて進むよりも、「自分がやりたいようにしたい!」という気持ちのほうが強いのです。
(3)人を信用していない
過去の経験などから、人をあまり好きになれなかったりして、人と接することに抵抗を持っています。「自分をオープンにできない」「仲良くしたいけど近づくのは怖い」という葛藤を持っています。
自分の世界を大切にしているがゆえに、「たいしたことないなって思われたらどうしよう……」と感じている人もいます。
(4)面倒事が嫌い
誰かと誰かが揉めているとか、愚痴や批判を言う人がいるなどの面倒事は苦手で、できたらかかわりたくないと思っています。
人に気を使うことも疲れる上に面倒だと感じるので、そういった人間関係の煩わしさから逃れたいと思っています。
孤独な人であることのメリット・デメリット
デメリットが多そうな「孤独な人」ですが、実はそんなこともありません。メリット・デメリットをご紹介します。
孤独な人であることのメリット
(1)知的でミステリアスな雰囲気を与える
群れることがない孤独な人は、ミステリアスなので「本当はどんな人なのかな?」「何を考えてるんだろう?」と興味を抱かれやすいです。凛とした雰囲気もあるので、意外に目立ち、周囲の注目を集めます。
(2)大人っぽい魅力がある
孤独な人は、さまざまなことを自分で考えて答えを出してきているので、精神的に自立しています。
自分の考えや価値観を持っているため、ひとつひとつの言動に重みがあり、そういった様子が周囲に大人っぽく魅力的に映ります。
(3)自分の好きなことに集中できる
人間関係の煩わしさやプレッシャーなどから解放されるため、自分の好きなことに時間やエネルギーを集中投下することができます。
ひとりの静かな時間を持つことで、独創的なアイデアをひらめくこともあるでしょう。
孤独な人であることのデメリット
(1)近寄りがたい印象を与える
自分の話をあまりせず、喜怒哀楽もわかりにくいため、とっつきにくいイメージを持たれます。
孤独な人は、無意識のうちに人との間に壁を作っていることが多いので、声をかけてくれる人が少なくなるというデメリットがあります。
(2)感情を分かち合うことができない
嬉しいことがあっても、近くにその気持ちを分かち合える人がいないので、自分の中だけで完結します。
悲しいことがあっても自分で消化することになるので、「誰かに聞いてもらいたいな」「こんなときに励ましてくれる人がいたらな」と寂しさを感じることはあるでしょう。
(3)孤独スパイラルに陥る危険性がある
面倒事が嫌で人とかかわらないようになると、人間関係の幅が徐々に狭くなり、ついには周りに誰もいなくなった、なんてことも。仕事もお金も情報も、人間関係を通じてやってくることが多いので、そういったチャンスを逃すこともあるでしょう。
肝心なときに関係性を作っていくことができないと、孤独を深めてしまうことになりかねません。
孤独な人から脱却する方法
メリットもあるものの、やはり孤独であることに寂しさを感じている人もいることでしょう。孤独な人から脱却する方法を3つご紹介します。
(1)周りの人に興味を持つ
孤独な人は、意識が内向きで自分のことばかりを考えがちなので、まず意識を自分以外に向けていくことが大切です。
食わず嫌いをせずに、目の前の人を「この人はどんな人なのかな?」「何に興味があるんだろう?」と興味を持つことからはじめてみましょう。
(2)誰かを頼る
孤独な人は、精神的に自立していてひとりでなんでもできてしまうので、人を頼るという発想にいたらない人が多いです。それゆえ、つながりが切れてしまいがち。
ちょっとしたことでいいので、人を頼ってみましょう。例えば荷物を運ぶときに、半分だけ誰かに持ってもらうといった小さなことでもOKです。もちろん手伝ってくれたらお礼も忘れずに。
(3)笑顔で挨拶+ひと言を心がける
自分から少しでもオープンにかかわっていけると、周りの人も孤独な人に話しかけやすくなります。
「お疲れ様です! 〇〇さん、今日のお洋服素敵ですね!」など、挨拶にプラスアルファでひと言添えるだけで印象が随分変わります。
「孤独」を強みにする方法
望んでいない孤独はつらいものですが、自ら進んで選ぶ孤独は、前向きなものになります。ひとりのときに、「今日は思いっきりひとりの時間を楽しもう!」と思ってみるといいですね。
今の時代は、「おひとりさま」という言葉があるように、ひとりでも楽しめることがたくさん増えています。読書やカフェめぐり、旅行など、自分の好きなことをとことんやってみましょう。「こんなこともあんなこともひとりでできた。楽しめた!」と思えると、自信になります。
自分の好きなことに集中してエネルギーを注げるのは貴重な時間になるでしょう。
「孤独」を取るも取らないも自分次第
孤独な人であることは、考え方によってメリットにもデメリットにもなります。孤独を自発的に選んでみるのであれば、自分の好きなことを楽しめる充実した時間になるでしょう。
ふとした瞬間に寂しさを感じるのであれば、周りの人に興味を持って、ひと言声をかけることで、精神的なつながりが生まれる第一歩になります。自分の感覚を信頼して、どちらにもバランスよく対応していきたいですね。
(高見綾)
※画像はイメージです
※この記事は2020年02月26日に公開されたものです